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「ビューネくんの訪れ~ポンコツ?編~」
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それは突然訪れた。
私の目の前にあの、ビューネくんが現れたのだ。
ビューネくんとは、某化粧水を購入した疲れた女子の前に現れ、癒しを与えてくれる素敵な存在である。
え?なぜそいつがビューネくんと分かったか?
……そんなことはどうでもいい!
私は、その存在をそれと認めた。
それだけでいいのだ。
さぁ、癒し♪癒し♪
私は早速ビューネくんに話しかけた。
「私、疲れてるんだ……。最近、忙しくて……」
ビューネくんは、目をまんまるくして、驚いているようだった。
なかなか返答が返ってこない……。
おかしいなぁ……。
爽やかで優しい笑顔はどうした!?
「……すいません……、新人なもので……、こういう場合はどうしたらいいか……。え……っと……。頑張らなくて、いいんだよ……あ、違うか」
「ちょっと!!!新人って何!??そんなにいっぱいビューネくんっているわけ??」
「……はい。僕は研修明けでこちらが初めてなんです。色々分からないことだらけですみません。今日は対応マニュアルも忘れてきてしまいまして……」
「対応マニュアルとか言われると萎えるから!」
「購入された商品ですがちょっと値引きされてましたよね。デザインの変更によりってことで……。そういう場合、僕みたいな新人が派遣される場合があるんです」
「……えー……。新人じゃない方良かったな……」
私は思わず呟いてしまった。
「……すみません……」
「あ、ごめん。いいの、いいの。あなたを期待して買った訳じゃないし……。若いイケメンが家にいるだけで嬉しいよ!お茶でも入れるね!」
私は台所へと急いだ。
(うーん、まさかこんな展開になるとは……)
「いや、僕やりますよ!」
ビューネくんも後を追ってきた。
「せめて、お茶くらい入れさせて下さい。……やかん、これ使っていいんですか?」
ビューネくんはピンクのやかんに水を入れ、火にかける。
そういえば、男子が家にいるなんて、久しぶりだな。
彼氏とも一年前に別れた切りだし、なんかこういうの久しぶり。
「ねぇねぇ、研修ってさ、どういうことやるの?」
面白いから色々聞いてみることにした。
「……あのですね、まず、それぞれの適正を踏まえまして、研修が行われます。そのあと、お仕事されている女性の癒しかた、心理状態、適切な言葉のかけ方、対応の仕方など学びます」
「ちゃんとしてるじゃん!」
「そうなんです。……ただ、僕はその中でも適切な言葉かけっていうのが苦手で……」
ビューネくんはちょっと自信無さそうな、しょげたポーズを取った。
「そんなに気にしなくても。私のことは練習だと思って気楽に接してよ」
「……そんな……。でも、僕が現れるの楽しみにしてたんじゃないですか?」
「いや、確かに出てきてくれたら嬉しかったし、期待もしたけど……。でも、あなたが嫌ってことじゃないし……。ちょっとさっき変なこと言っちゃったけど……気にしないで!」
ちょうどそう言い終わると、やかんのお湯が沸いた音がした。
「お茶を入れよう!このお茶、結構美味しくて気に入ってるんだ。ノンカフェインだし、安心だよ。……あ、でもあなたには関係ないか」
ビューネくんに微笑んでみたのだが、彼は暗い顔だ。
(おい!研修受けてきたなら、こういうときこそ、笑顔になれ……!)
「あの!研修で一つだけ誉められたことが、あるんです」
「お!なになに~」
ちょっとは明るい展開になりそうな感じに、ちょっとホッとした。
「……壁ドンです」
そういうと、いきなり、ビューネくんは私の後ろの壁に手をつき、顔を近づけてきた。
「……ちょ、ちょっと待って!」
「何ですか?」
「ムードってもんがあるだろうがぁ!!イケメンの無駄遣いかっ!」
「結構先生には姿勢とか手の角度とか誉めてもらったんですけど……」
「真面目かっ!……あのねぇ、壁ドンもタイミングが大事なの!……やだなぁ、もう」
「本当、すみません……」
(しまった、ビューネくんをますます落ち込ませる結果になってしまった……!ヤバイ…)
「あ、違うよ!……私さ、いっつもキツく言い過ぎちゃって、職場の後輩にもそうなっちゃったり、前の彼氏ともそれで別れちゃったんだ……。
私の方こそ、ごめんね……」
「もしかして……」
ビューネくんの顔が近づいた。
「寂しかったんですか?」
「え?なんで?」
妙に動揺した。
自分の気持ちを言い当てられたような気がした。
「なんか、そんな感じがしたんです……」
ビューネくんが私の頭に手を置いた。
「僕はあなたのそういうところも好きですよ」
「そういう所って……」
「抱き締めてあげますね」
ビューネくんは私の体を優しく抱き締めた。
「……子供じゃないんだから……」
あんなにポンコツのビューネくんだったクセに、なんだかとてもドキドキして、癒されたような気持ちになった。
「ホッとできるまで、ずっとこうしててあげますね……」
ポンコツビューネくん、癒しの時間をありがとう。
私の目の前にあの、ビューネくんが現れたのだ。
ビューネくんとは、某化粧水を購入した疲れた女子の前に現れ、癒しを与えてくれる素敵な存在である。
え?なぜそいつがビューネくんと分かったか?
……そんなことはどうでもいい!
私は、その存在をそれと認めた。
それだけでいいのだ。
さぁ、癒し♪癒し♪
私は早速ビューネくんに話しかけた。
「私、疲れてるんだ……。最近、忙しくて……」
ビューネくんは、目をまんまるくして、驚いているようだった。
なかなか返答が返ってこない……。
おかしいなぁ……。
爽やかで優しい笑顔はどうした!?
「……すいません……、新人なもので……、こういう場合はどうしたらいいか……。え……っと……。頑張らなくて、いいんだよ……あ、違うか」
「ちょっと!!!新人って何!??そんなにいっぱいビューネくんっているわけ??」
「……はい。僕は研修明けでこちらが初めてなんです。色々分からないことだらけですみません。今日は対応マニュアルも忘れてきてしまいまして……」
「対応マニュアルとか言われると萎えるから!」
「購入された商品ですがちょっと値引きされてましたよね。デザインの変更によりってことで……。そういう場合、僕みたいな新人が派遣される場合があるんです」
「……えー……。新人じゃない方良かったな……」
私は思わず呟いてしまった。
「……すみません……」
「あ、ごめん。いいの、いいの。あなたを期待して買った訳じゃないし……。若いイケメンが家にいるだけで嬉しいよ!お茶でも入れるね!」
私は台所へと急いだ。
(うーん、まさかこんな展開になるとは……)
「いや、僕やりますよ!」
ビューネくんも後を追ってきた。
「せめて、お茶くらい入れさせて下さい。……やかん、これ使っていいんですか?」
ビューネくんはピンクのやかんに水を入れ、火にかける。
そういえば、男子が家にいるなんて、久しぶりだな。
彼氏とも一年前に別れた切りだし、なんかこういうの久しぶり。
「ねぇねぇ、研修ってさ、どういうことやるの?」
面白いから色々聞いてみることにした。
「……あのですね、まず、それぞれの適正を踏まえまして、研修が行われます。そのあと、お仕事されている女性の癒しかた、心理状態、適切な言葉のかけ方、対応の仕方など学びます」
「ちゃんとしてるじゃん!」
「そうなんです。……ただ、僕はその中でも適切な言葉かけっていうのが苦手で……」
ビューネくんはちょっと自信無さそうな、しょげたポーズを取った。
「そんなに気にしなくても。私のことは練習だと思って気楽に接してよ」
「……そんな……。でも、僕が現れるの楽しみにしてたんじゃないですか?」
「いや、確かに出てきてくれたら嬉しかったし、期待もしたけど……。でも、あなたが嫌ってことじゃないし……。ちょっとさっき変なこと言っちゃったけど……気にしないで!」
ちょうどそう言い終わると、やかんのお湯が沸いた音がした。
「お茶を入れよう!このお茶、結構美味しくて気に入ってるんだ。ノンカフェインだし、安心だよ。……あ、でもあなたには関係ないか」
ビューネくんに微笑んでみたのだが、彼は暗い顔だ。
(おい!研修受けてきたなら、こういうときこそ、笑顔になれ……!)
「あの!研修で一つだけ誉められたことが、あるんです」
「お!なになに~」
ちょっとは明るい展開になりそうな感じに、ちょっとホッとした。
「……壁ドンです」
そういうと、いきなり、ビューネくんは私の後ろの壁に手をつき、顔を近づけてきた。
「……ちょ、ちょっと待って!」
「何ですか?」
「ムードってもんがあるだろうがぁ!!イケメンの無駄遣いかっ!」
「結構先生には姿勢とか手の角度とか誉めてもらったんですけど……」
「真面目かっ!……あのねぇ、壁ドンもタイミングが大事なの!……やだなぁ、もう」
「本当、すみません……」
(しまった、ビューネくんをますます落ち込ませる結果になってしまった……!ヤバイ…)
「あ、違うよ!……私さ、いっつもキツく言い過ぎちゃって、職場の後輩にもそうなっちゃったり、前の彼氏ともそれで別れちゃったんだ……。
私の方こそ、ごめんね……」
「もしかして……」
ビューネくんの顔が近づいた。
「寂しかったんですか?」
「え?なんで?」
妙に動揺した。
自分の気持ちを言い当てられたような気がした。
「なんか、そんな感じがしたんです……」
ビューネくんが私の頭に手を置いた。
「僕はあなたのそういうところも好きですよ」
「そういう所って……」
「抱き締めてあげますね」
ビューネくんは私の体を優しく抱き締めた。
「……子供じゃないんだから……」
あんなにポンコツのビューネくんだったクセに、なんだかとてもドキドキして、癒されたような気持ちになった。
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ポンコツビューネくん、癒しの時間をありがとう。
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