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「ビューネ君②~癒しのお仕事編~」
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〈とあるビューネ君のお仕事記録です〉
「あぁ……、もう動きたくない……。布団から一歩も出たくない……。着替えもめんどくさい……。化粧も落とすのめんどくさい……」
今、布団の上で死にかけているのは、菜月さん(年齢はまだ聞いていない)。
毎日毎日、お仕事でお疲れで……。
毎日毎日、帰宅するとすぐ、布団へ直行。
そのまましばらく動かない。
うわ言のように、何かをぶつぶつ言いながら、しばらく横になって過ごす。
オレはしばらくその様子を観察してから、彼女に何が必要か、最適な物を考えるんだ。
「菜月さん、水、飲みますか……?」
ペットボトルを差し出す。
もちろん、バッチリ冷えたやつ。
菜月さんの場合、これでちょっと生き返る。
「……あ――……っ!!……ちょっと生き返った…………。……お腹すいた……あと、ビール飲みたい……」
「はいはい。今用意しますよ」
オレは冷蔵庫から彼女のお気に入りのビールと枝豆を出した。
「はぁ……。なんかさぁ……、最近疲れやすいんだよねぇ……歳かな?」
これはよく菜月さんが言うセリフだけど、オレは菜月さんの歳を知らないので、なんとも言うことが出来ない。
代わりにこう返す。
「どうでしょう……?頑張り過ぎなんじゃないですか?」
「……んー……。最近さぁ、新しく入った新人が使えなくて……、仕事が逆に増えんだよねー……。人事ももうちょっと人見て採用っつーか……」
こうなってくると、菜月さんの愚痴タイムが始まる。
もちろん、愚痴はいくらでも聞く、……が、愚痴が最終的にはいつも同じなので、愚痴をいくら言っても解決する訳ではないのだろう、と思う。
そして、言わねばやってられないのだろう……とも思う。
「……ビールと枝豆ですよ。食べるの楽しみにしてたでしょ?」
「……あ……!私がこの間買って置いたヤツ!茹でておいてくれたんだ!気が利く―!食べたかったんだぁ―!枝豆大好き―!!」
菜月さんは、完璧に生き返った。
食べ物で結構元気になってくれる、菜月さんさんは助かる。
「やっぱり、ビールには枝豆だわ♪疲れが吹き飛ぶよ~」
単純……なのかもしれない。
でも、そんなところが可愛いと思う。
これが、ギャップという物なのだろう。
「実家が田舎でさ、枝豆育ててたんだよね~。いつも時期になると食卓に山盛りあってさ。おやつみたいにばくばく食べてた。
ご飯の上にね、枝豆をはじいて入れて、ご飯が見えないぐらい入れんの。それで、かき混ぜて……。
そうやって、お茶碗の中で枝豆ご飯みたいにして、よく食べてた……。
都会じゃ、枝豆高いから、なかなかそうもいかないけどね~。
実家もずっと帰ってないなぁ……」
菜月さんが黙った。
沈黙が訪れても、こちらは黙って見守る。
そんなに主張せず、寄り添う。
それがオレの役割だと思っている。
「実家帰ると、結婚はまだかってうるさいからさ……。なんか帰るの嫌になっちゃった……。落ち着かないんだもん……。結婚、出産だけが女の価値かよって思う……」
菜月さんは、ため息をついた。
「一応これでも仕事で結果出してるのになぁ……。仕送りだって、結構してるのに……」
菜月さんは、枝豆を食べるのを止めた。
「……どれだけやったら、認めれるんだろう……」
その声は、とても小さな呟きだった。
疲れの原因はそこなんだろう……と思う。
「菜月さん……」
オレは菜月さんの側に座った。
「あなたはよくやってますよ」
そうして、優しく抱き締めた。
「あぁ……、もう動きたくない……。布団から一歩も出たくない……。着替えもめんどくさい……。化粧も落とすのめんどくさい……」
今、布団の上で死にかけているのは、菜月さん(年齢はまだ聞いていない)。
毎日毎日、お仕事でお疲れで……。
毎日毎日、帰宅するとすぐ、布団へ直行。
そのまましばらく動かない。
うわ言のように、何かをぶつぶつ言いながら、しばらく横になって過ごす。
オレはしばらくその様子を観察してから、彼女に何が必要か、最適な物を考えるんだ。
「菜月さん、水、飲みますか……?」
ペットボトルを差し出す。
もちろん、バッチリ冷えたやつ。
菜月さんの場合、これでちょっと生き返る。
「……あ――……っ!!……ちょっと生き返った…………。……お腹すいた……あと、ビール飲みたい……」
「はいはい。今用意しますよ」
オレは冷蔵庫から彼女のお気に入りのビールと枝豆を出した。
「はぁ……。なんかさぁ……、最近疲れやすいんだよねぇ……歳かな?」
これはよく菜月さんが言うセリフだけど、オレは菜月さんの歳を知らないので、なんとも言うことが出来ない。
代わりにこう返す。
「どうでしょう……?頑張り過ぎなんじゃないですか?」
「……んー……。最近さぁ、新しく入った新人が使えなくて……、仕事が逆に増えんだよねー……。人事ももうちょっと人見て採用っつーか……」
こうなってくると、菜月さんの愚痴タイムが始まる。
もちろん、愚痴はいくらでも聞く、……が、愚痴が最終的にはいつも同じなので、愚痴をいくら言っても解決する訳ではないのだろう、と思う。
そして、言わねばやってられないのだろう……とも思う。
「……ビールと枝豆ですよ。食べるの楽しみにしてたでしょ?」
「……あ……!私がこの間買って置いたヤツ!茹でておいてくれたんだ!気が利く―!食べたかったんだぁ―!枝豆大好き―!!」
菜月さんは、完璧に生き返った。
食べ物で結構元気になってくれる、菜月さんさんは助かる。
「やっぱり、ビールには枝豆だわ♪疲れが吹き飛ぶよ~」
単純……なのかもしれない。
でも、そんなところが可愛いと思う。
これが、ギャップという物なのだろう。
「実家が田舎でさ、枝豆育ててたんだよね~。いつも時期になると食卓に山盛りあってさ。おやつみたいにばくばく食べてた。
ご飯の上にね、枝豆をはじいて入れて、ご飯が見えないぐらい入れんの。それで、かき混ぜて……。
そうやって、お茶碗の中で枝豆ご飯みたいにして、よく食べてた……。
都会じゃ、枝豆高いから、なかなかそうもいかないけどね~。
実家もずっと帰ってないなぁ……」
菜月さんが黙った。
沈黙が訪れても、こちらは黙って見守る。
そんなに主張せず、寄り添う。
それがオレの役割だと思っている。
「実家帰ると、結婚はまだかってうるさいからさ……。なんか帰るの嫌になっちゃった……。落ち着かないんだもん……。結婚、出産だけが女の価値かよって思う……」
菜月さんは、ため息をついた。
「一応これでも仕事で結果出してるのになぁ……。仕送りだって、結構してるのに……」
菜月さんは、枝豆を食べるのを止めた。
「……どれだけやったら、認めれるんだろう……」
その声は、とても小さな呟きだった。
疲れの原因はそこなんだろう……と思う。
「菜月さん……」
オレは菜月さんの側に座った。
「あなたはよくやってますよ」
そうして、優しく抱き締めた。
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