【R-18】夢の館

黒子猫

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<あなたの想い>

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(ノックの音)
(主人公「失礼します」)
早乙女「どうぞ」
(扉が開き、閉まる音)
早乙女「来てくれてありがとう。そちらに座って」
(主人公、向かい側に座る。衣擦れの音)
早乙女「なぜ……キミにあのような変わった提案をしたと思う……?」
(主人公「私がお金に困っているからじゃないんですか……?」)
早乙女「確かに、キミが金銭的に困っていて、このまま働き過ぎてしまうのを救ってあげたいという気持ちもなかったわけではない……。でも、それ以上にキミに触ってみたいという気持ちがあったんだ……」
(主人公「じゃあ、不能というのは……?」)
早乙女「不能なのは本当だ。ずっと、女性には触れていないなんだ」
(主人公「でも、早乙女さんは若いし、恋人とか作らないんですか?」)
早乙女「私は確かにそんなにキミと年が離れていないが……。恋人……か。今は忙しくてそういう付き合いが出来る余裕がないし、今の身体の状況では、なかなか難しいだろう」
(主人公「そんなに女性に触れたいのですか?」)
(早乙女、主人公の方に近づく。耳元で話す)
早乙女「女性に触れたいというよりは、キミに……触れたかったんだ」
(主人公、ビックリして身体を離す)
早乙女「ビックリさせて、ゴメン。そんなに驚くと思わなかった……」
(主人公「急に近づくから……」)
早乙女「……でも、驚いた顔も可愛い……」
(早乙女、主人公の頬を撫でる)
早乙女「肌がツルツルなんだね……」
(主人公、ビクっとする)。
(衣擦れの音)。
(主人公「そんなに簡単に女に人に触れるなら、私に頼まなくても……!」)
早乙女「……ダメなんだ。キミがいいんだよ。触れたいと思うのはキミだけなんだ」
(二人見つめ合う。キスをする。抱き合合う)
(早乙女背中を撫でる。主人公の耳元で囁く)
早乙女「こうやって自分の腕のなかに入れたかったんだ。こうやって触りたかった」
(主人公「……だって、あまり話したこともなかったのに」)
早乙女「言っただろう。あまり話したことはなくても、キミの様子を見ていたんだ。その様子を見ていたら、どうしても触れたくなった」
(主人公戸惑う。衣擦れの音)
(主人公「そ、そう言われると……どうしたらいいか……」)
早乙女「キミは、この提案をどう考えている?」
(主人公「私は、正直、借金があって、お金に困っていて、仕事も体力的にもう限界になっていました。だから……」)
早乙女「じゃあ、少しだけ、始めてみないか?キミが嫌になったら、いつでもやめるよ。このことに関しては、特別手当てとして支払うし、少しキミが安心して働けるように、まとめて前払いするよ」
(主人公「そんな……!」)
早乙女「キミは少し安心出来る状況を作った方がいい。美しい目にクマができているし、最初よりやつれたよ。そうさせてくれ」
(主人公「……分かりました」)
(早乙女、主人公を抱き締める。耳元で囁く)
早乙女「これからが、楽しみだ……」
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