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しおりを挟む「はっ……こんな、の、……気持ち悪く、ないですか? 男のこんな顔……。時也さんは、たくさんの女性を相手にしてきたんですから、男なんて気持ち悪いはずです」
「んー。気持ち悪かったら、こんなにならないよな?」
言って、俺の手首を掴まれて時也さんの下腹に手のひらを導かれるので、思わず型どるように触れたら、そこは熱く形を変えていて。
思わずグッと握りしめてしまったら、時也さんは妖艶に眇めた瞳で俺を見下ろしてきた。
「なぁ、それ煽ってる? 無意識? どっちにしてもたまんねぇな。俺のこれ、そんなにリクエストされちまってる? いやん、時也さん恥ずかしい」
恥ずかしいといいつつ、グイグイと俺の剥き出しの太腿に膨れた熱を押し付けるように乞われれば、俺も目先に見える快楽に屈服してしまう。
高められ、掻き乱され、全てを解放されるあの愉悦を知ってしまっている身体は、嘘を吐くことが出来ないのだ。
まして、好きな人の欲望の対象にされているのかと思うと、身体の奥底から激しい衝動に突き動かされ、時也さんと一つになる悦びを分かち合いたいと思う。
「……本当に、時也さんをもらってもいいんですか? 不幸を招くかもしれませんよ? 時也さんにとって俺は何ですか? 気持ち、聞いてません……」
「そんなん一目見た瞬間からエルオーブイイーってやつかな。不幸上等。全部やる。つーか、もらってくれ。聖ちゃんのモンだ。もう誰にも渡したくないくらい特別だ。あー、仕事に差し障りがあんなぁ。一緒に堕ちるとこまで堕ちようか? 聖ちゃん」
それは、この上ないほど魅力的な誘惑の言葉で、俺は罪悪感を覚えつつも、それでもこの人が欲しいと思ってしまった――。
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