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 今日は撮影もなく、完全にオフだったので朝食を食べると自室に引っ込んで着替えをしてベッドに寝転んだ。

(今日は時也ときやさんは美聖みさととアフターか……)

 正直、嫉妬している。

 時也さんは心は俺のものだと言ってくれたけれど、ナンバーワンがアフターをしない日なんてあるのだろうか?

 俺は次はいつ時也さんに会えるのだろうか?

 スマートフォンを持ち上げて、先程交換してきた時也さんの連絡先を表示させてみるけれど、『今日も会いたい』なんてワガママは言えないだろう。

 まして、今日は美聖とアフターだ。

 美聖を抱いた腕で抱かれるのかと思うと、本当に嫉妬に狂って時也さんを刺すのは美聖じゃなくて俺かもしれない。

(ってこれ、竿姉弟ってこと……?)

 ――最悪だ。

 けれど、俺はもう時也さんの手を取ってしまったし、今更抱かれてしまったことをなかったことにも出来ないし、彼から離れたくないと思ってしまっている。

 悶々としていると手の中のスマートフォンが短く振動して、今まさに頭に思い浮かべていた時也さんからメッセージが届いた。

ひじりちゃん、今晩も会える?』

 会える……けれど、今夜時也さんは店に出たら美聖にアフターに誘われて俺との約束は断ってくるかもしれない。

 そう思って『今日は美聖が時也さんをアフターに誘うつもりだって言ってましたよ』と返信すると、すぐにまたスマートフォンが振動する。

『マジか……朝方なら会える? 聖ちゃんの仕事にさわる?』

 明日は昼から撮影が入っていたな……少しの時間なら会えるけれど、やはり美聖を抱いた直後に抱かれるようなことになったらやるせない。

 だけど――。

 昨日覚え込まされた時也さんの熱を思い出すと、身体が疼くように昂るのを感じてしまうから手に負えない。

『少しの時間なら会えます』

 そう返信すると『じゃあ四時にうちに来れるか?』と返事が来たので『わかりました』と送ると、可愛い猫のスタンプが『やった!』と喜んでいた。

 ――俺も嬉しいけれど……複雑だ。
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