覇王はトラウマごと疫病神を愛しすべてを覆す

ちろる

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「この子が覇王のかわい子ちゃん?」

 朝四時丁度、抱かれるつもりで訪れた時也ときやさんの部屋で、見ず知らずの人間に出迎えられて驚いてしまった。

「は、初めまして……どうも」

ひじりちゃん、いらっしゃい。無理に呼び出して悪かったな。真夜まやがどうしても俺の本命に会いたいって言うから呼び出しちまった」

 真夜さん……とは確か亜美あみさんが話していた、男同士で付き合っていると言っていた『ネロック』のナンバーツーの人だったような……。

 ふわふわしたハニーベージュの髪にブラウンの瞳をした彼は同い年くらいだろうか、秀でた容姿の美青年だった。

「あっ! 同い年だから敬語いらないよ! 俺は『ネロック』の近い内にナンバーワン候補の黒崎くろさき 真夜まや。よろしく! 時也さんが本命捕まえたって喜んでたから会ってみたくて」

 人好きのする可愛い笑みで(多分、俺の直感だけどネコだな)と思わせる好奇心に満ちた瞳が顔の真ん中を射抜いてくる。

「そーいうわけだ。真夜が俺の初代かわい子ちゃんってわけ。あ、もちろん手は出してねぇぞ? コイツにはアホみたいにゲロ甘な旦那がいるから。年下のかわい子ちゃんに弱いって言うだけだ。本命はもちろん聖ちゃんだから。つーか誰が近い内にナンバーワン候補だ、俺様を抜こうなんて十年早い」

 なんて、真夜さんを小突こづきながら言われた言葉に、思わずかぁっと頬を赤らめてしまったけれど、時也さんの元カレとか言われたらどうしようと思っていた俺は少しだけ胸を撫で下ろした。 

(まぁ、時也さんは男には一切興味がなかったはずだもんな……俺以外には)

 そんなことを考えたら、自分が覇王の特別な存在なんだと改めて自覚させられて、たちまち嬉しくなってしまった。

「聖くん、どうやって時也さんを堕としたの? 時也さんは真性の女ったらしなのに、男に走ったって聞いてびっくりしちゃった」

(どうやって堕としたっていうか神のお導きだからなぁ……)

「ファーストインプレッションよ。もう一目見た瞬間からズドーン衝撃食らって、虜にされちまったんだ。事情は話せねぇけど俺と聖ちゃんは運命共同体なんだ。俺が死ぬ時は聖ちゃんも死ぬ。そんくらい深ーい相手だってこと」

「えー! その事情を教えてくださいよー!」

 駄々をこねる真夜さんをサラリとかわす時也さんだけど、俺に向けられる瞳は優しくて、心が温かい。

美聖みさとのことも吹っ飛びそうだ)



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いつもありがとうございます。
明日より更新にさせて頂きます。

ちろる
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