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しおりを挟む「あー、マジ燃えた」
荒い呼吸を纏わせて俺の背に胸を預けるようにもたれかかってきた時也さんに思わず、「……やりすぎですよ」と声を掛けたら、うなじに口付けられた彼の唇が笑みの形をしていることに気付く。
「宇大真夜夫婦にたーくさん聴かれちまったな? 恥ずかしいか?」
「……もうどうでもいいです」
溜め息を吐きながら投げやりな言葉を発したら、「聖ちゃんに冷められた! 時也さんショック!」なんて言い始めるから。
「冷めるどころかマジ燃えたんでもうやめてください」
言ったら、「時也さん元気回復!」と、まだ身体の奥にいる時也さんが再び硬度を取り戻すのがわかって。
「時也さんの酔っぱらい!」
「俺は酔ってねぇぞ? 酔ってるのは聖ちゃんだろ。酒と俺の美貌に」
「……そうかもしれませんね。俺はいつだって時也さんに酔ってます。出会った時から、ずっと」
その言葉に時也さんは繋がったままぐるりと俺を反転させて、正面から組み敷かれてジッと見下ろされるから。
「ど、どうしたんですか? 時也さん……そんな急に真面目な顔して……」
「ああ……。大事な話がある」
「大事な話、ですか?」
途端シリアスな顔になる時也さんに、何だか心の中がそわそわして(やっぱり俺じゃ駄目?)と一人焦ってしまう。
「実はさ……聖ちゃん……俺……今まで黙ってて本当に悪ぃーんだけど……」
言葉と同時、時也さんがグスッと鼻を啜り始めるから「と、時也さん……どうしたんですか?」と恐る恐る訊ねる。
「悲しまないで聞いてくれるか?」
(え……、俺が悲しむことって……)
「本当に、本当に悪いんだけど……」
別れ話だろうか、と俺は悲壮感でいっぱいになりながら時也さんのグレーの瞳を覗き込んで「……はい、覚悟しています」と呟いた。
「実はさ……俺、あと五回は出来そうなんだけど、いいか?」
俺は無言で目を瞬かせて、それからその言葉をゆっくり咀嚼して、思わず胡乱な目を向けてしまう。
「……もう、どうにでもしてください……」
「時也さん感激!」
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