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「そばにいろ。シャワー浴びてくるから、ベッドで待っててくれるか?」
「……何もしない?」
腕の中でそれだけ呟く真夜に俺は思わず喉を鳴らして笑ってしまって、真夜が「何で笑うの?」と唇を尖らせた。
「俺の男童貞奪うとか散々豪語して誘惑しておいて、今度は俺がオオカミ扱いか?」
「だって……宇大くんから手ぇ出してきたじゃん。ま、誘惑したのは確かに俺だけどさ。正直、宇大くんがノッてくるとは思わなかった」
柔らかなハニーベージュの髪の毛をふわりと撫でてやったら気持ちよさそうに真夜が潤んだ瞳を細めた。
「男童貞くれてやったんだから、妻になるか?」
真夜がギュッと抱きついてきて「じゃあ同棲しちゃう?」と耳元で囁いてくるから「構わんぞ」と返事をしてやれば嬉しそうに笑った。
「俺にも居場所が出来たんだ」
「ああ。というか、もうどこにも行かせん」
「だから、そういうのは保証出来かねないけど?」
たとえ、真夜がまた違う誰かを求めたとしても、俺という楔でずっと繋いでやる――。
「極力努力する。お前に三行半を突きつけられないように」
真夜は何も返事をしなかったが、それでも構わなかった。
背に回っている腕に力がこもったのがわかったから、それが返事なんだと信じたいと思ったし、信じきってやろうと思った。
今はまだ〝俺のことを〟信じられないかもしれないが、俺は〝真夜のことを〟信じていきたいと思った。
(だから、俺だけのそばにいてくれ――)
「……何もしない?」
腕の中でそれだけ呟く真夜に俺は思わず喉を鳴らして笑ってしまって、真夜が「何で笑うの?」と唇を尖らせた。
「俺の男童貞奪うとか散々豪語して誘惑しておいて、今度は俺がオオカミ扱いか?」
「だって……宇大くんから手ぇ出してきたじゃん。ま、誘惑したのは確かに俺だけどさ。正直、宇大くんがノッてくるとは思わなかった」
柔らかなハニーベージュの髪の毛をふわりと撫でてやったら気持ちよさそうに真夜が潤んだ瞳を細めた。
「男童貞くれてやったんだから、妻になるか?」
真夜がギュッと抱きついてきて「じゃあ同棲しちゃう?」と耳元で囁いてくるから「構わんぞ」と返事をしてやれば嬉しそうに笑った。
「俺にも居場所が出来たんだ」
「ああ。というか、もうどこにも行かせん」
「だから、そういうのは保証出来かねないけど?」
たとえ、真夜がまた違う誰かを求めたとしても、俺という楔でずっと繋いでやる――。
「極力努力する。お前に三行半を突きつけられないように」
真夜は何も返事をしなかったが、それでも構わなかった。
背に回っている腕に力がこもったのがわかったから、それが返事なんだと信じたいと思ったし、信じきってやろうと思った。
今はまだ〝俺のことを〟信じられないかもしれないが、俺は〝真夜のことを〟信じていきたいと思った。
(だから、俺だけのそばにいてくれ――)
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