テメェを離すのは死ぬ時だってわかってるよな?~美貌の恋人は捕まらない~

ちろる

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「いつも思うんだが……テメェはソファでヤるのが好きなのか?」

「うーん。僕はベッドまで待てないのかもしれません」

 やっぱり十も歳上とは思えない美しい白皙はくせきの恋人はソファに俺を押し付けて、そんな風に囁きながらネクタイを細くて長い指で引き抜いていく。

 ついばむように唇を吸われるから、誘い込むように由貴ゆきの舌を咥内こうないにお招きすると、深く絡まっていく交接音に耳が犯されて瞬く間に身体に火がともる。

 ざらっとした肉厚な舌が絡まる感覚に背筋が震え出して、あやすように背骨を辿られると身体がびくびく跳ねて、口腔に溜めておけなくなった体液がだらしなく口端からしたたる。

 それを由貴が気まぐれに硬質な顎の線をなぞるように舌ですくいあげたかと思えば、再び角度を変えて唇をむようにこまやかに吸い上げられた。

 舌根の奥をつつかれると嘔吐えずきそうになって、下唇を噛まれながらシャツのボタンを器用な指先が暴いていく。

 際限のない唇は離れることがなく、貪られるように蹂躙じゅうりんされたまま胸先の粒をひねり出すから、息継ぎの合間から絶えず甘い吐息がこぼれて。

「ふっ……っぅ」

 やがて満足したように剥がれた唇が、突き出た喉ぼとけをかじりながら首筋へ鎖骨へと尖らせた舌先がなぞるようにすべり出す。

 唇が首筋に逸れていってしまったのが何だか心許こころもとない。

 だが、徐々に下降したあかい舌が胸のアクセントをちろりと舐め上げる様は視覚的にクるものがあって思わず目を逸らす。

 片側の胸先はもてあそぶように人差し指と親指でさすられるから、次第に芯を持って由貴の指に弾力を跳ね返していくのがわかって、キスだけで簡単に下腹に熱が溜まり始めるのを感じる。

 与えられる快楽にただ身をまかせてずぶずぶと溺れてしまいたかったが、でも――。

 コイツにどうしても伝えなきゃいけないことを思い出して。

 荒ぶる呼気の中、懸命に「由貴……よく聞け……」と胸にうずまっている由貴の後頭部の髪を少し鷲掴むようにして甘い吐息の隙間から声を絞り出す。

 鼓膜に到達した音に反応するかのように由貴がねぶっていた胸の突起を避けて色付きをぐるりと舌で一周させてから顔をあげた。

 俺の霞む視線と由貴のんだ視線が絡まり合う。
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