テメェを離すのは死ぬ時だってわかってるよな?~美貌の恋人は捕まらない~

ちろる

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 男二人でまつわるには(俺も由貴ゆきも一八〇センチを超える身長タッパがある)窮屈と言っていいソファの上で由貴の顔の上に下肢かしを預けるように覆い被さって、俺は由貴の、由貴は俺の欲望をまさぐり合う。

 コイツの流石と言うべきか何と言うか巧みな口淫に、俺は由貴の屹立から思わず唇を離して、根元を扱く指も止まってしまう。

「っ……ぁ、由貴っ」

 また、油断したら「もっと」だとか「きそう」だとか情けない言葉が出てきそうになって、「由貴、も、いいっ……」とだけ制して身体を起こして反転すると由貴の唇を塞いだ。

 互いの雄を舐め合っていた唇でのキスは何だか面映おもはゆいが、由貴の舌を求めて深く探索すれば何もかもが飽和ほうわした。

 すぐに再び組み敷かれて、「はやてくんは僕より忍耐強くないので先に達きましょうね?」と耳朶じだで囁かれれば、途端に頬に熱が集まって「うっせ、死ね」と口が勝手に悪態をつく。

「はいはい。イイ子にしましょうね。しつけのなっていない子には脚でお仕置きです」

 なんて言いながら半達き状態で震えるそれを、由貴がソファの肘掛けに寄りかかって生白い脚の裏に挟んでこすりあげてくるから。

 脚の裏でぐにぐにと揉まれたり擦られれば、とっくに限界値を超えていた快楽のストッパーは呆気なく外れ、「はっ……い、くっ」と己の腹と由貴の脚の裏を汚してしまう。

「脚の裏が汚れちゃいました。舐めて? 颯くん」

 顔の前に差し出された脚におずおずと舌を這わせれば、お世辞にも美味いとはいえないその粘液に顔をしかめると由貴が満足気に微笑んだ。

 腹に飛んだ粘液をすくい上げられ、濡れそぼった指ですぼみをゆるゆると撫で回した後で、つぷりと孔内をおかされれば簡単に腰が揺らめいて。

 けれど由貴はわざと快楽の種を擦らずに柔襞やわひだの中を内側から圧迫してくるから先にれたのは俺の方で、自ら腰を振って由貴の指をふっくらと中で息を潜める欲の種に誘い込む。

「ここをさすって欲しいんですか?」

 爪先で引っ掻くように刺激されれば思わず「ふっ……」と吐息が漏れて、けれど気丈に由貴に挑発的な視線を向ける。

「ああ……そこを擦って早くテメェで埋めろ」

「もう少し可愛くおねだり出来ませんか? 颯くん」

「俺が可愛くおねだりしたら気持ち悪すぎんだろ」

 クスッと笑った由貴が「それもそうですね」と苦笑しながら指の数を増やしてくるので、俺はやっぱり唇を噛み締めた。

「もう颯くんに可愛さは求めません。その代わり……たくさん感じて?」

「――その願いは聞いてやる」
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