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第1章 失われた命
12 三つ目の神獣
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少しの間・・・マーベルとギルデロイの間で、深~い沈黙が流れていた・・・
だが、すぐにギルデロイが、サッ!と行動に出た。
マーベルの前を通り過ぎたかと思うと、タカトも無視して、カホの後ろに周り、彼女の首に剣を突きつける!
タカト「カホ!」
ギルデロイに捕らえられたカホ・・・
彼女の白く細い首には、今にも銀色の刃が突き刺さりそうだ・・・
ギルデロイ「僕の家族を殺したお前ら2人を植物ごときに殺させてたまるか!俺自身の手で殺してやる!」
と叫ぶギルデロイ・・・
彼の目には、怒り、憎悪、絶望、それら全ての感情が詰まった涙が溢れ出ていた。
やはり、ギルデロイの家族は、ゼギウス府に住んでおり、あの時の神々の襲来により亡くなっていたのだ・・・
タカト「や、やめろ!今はそんなことしている時じゃないだろ!」
ギルデロイ「黙れ!お前がそれを語るか!」
ギルデロイは、全く聞く耳を持たない・・・
マーベル「ギルデロイ!タカトの言う通りだよ!今は、ここで恨みを果たすべき状況じゃない!この森は
【死の森】なんだ!いつ怪獣や怪物が来るかわかんないんだぞ!」
ギルデロイ「黙れ!俺はもう命など惜しくない!こいつらを殺すことで、ゼギウス府で亡くなった全ての人の恨みを晴らす・・・これを果たせば、俺は、もうこの世に未練などない!」
狂ったようにわめくギルデロイは、もはや憎しみと恨みにとりつかれた怪物・・・
カホ「私たち、友達になったんじゃないの??」
ギルデロイに捕まっているカホの目には涙が溢れていた・・・・
ギルデロイ「うるさい!お前らが友人などを語るな!反吐が出る!」
そう言って、カホの首に剣を突き刺そうとするギルデロイ!
タカト「カホ!!」
だが、剣先がカホの首の後数センチの所まで来ても、それ以上刃が白い肌に近づくことはなかった・・・
どうやら、ギルデロイの手が震えていて、まともに動いていないらしい・・・やはり、まだ人を殺すことに躊躇があるのか?
マーベルは、急いで思考を巡らせる・・・
頭の血が登って、聞く耳を持たない人間に理性を取り戻させるにはどうしたらよいか・・・
今のギルデロイには、冷静な思考力はない・・・興奮状態だ・・・
まずは、こちらが落ち着かなくては・・・説き伏せる人間が慌てていたら、向こうもますます異常になるだけだ・・・
マーベル「わかったよ・・・好きにしたらいい・・・殺したいなら、殺せばいいさ。」
マーベルは落ち着いた声で、そんなことを言った・・・
カホ「!!」
ギルデロイ「!!」
カホの首に剣を近づけているギルデロイの顔に、驚きの色が浮かぶ。
タカト「お、おい!何言ってんだ!」
マーベル「最終的にその子を殺すかどうかは、君の判断だ、ギルデロイ・・・・なぜならその子の生死の支配権を、現在、握っているのは君なんだからな・・・・」
当然のことを静かに言うマーベル・・・
マーベル「君に任せるよ、ギルデロイ・・・・」
そこから、ギルデロイの顔には、恐れがにじみ出てきた・・・
カホの目をつぶり怯えた青ざめた顔を見て、ギルデロイは、剣をもう一度振り下ろすことはできなかった・・
マーベル「わかるだろう・・・死を前にしたら、人は無力であること・・・あの町で・・ゼギウスで亡くなった人々も、みんな今のカホのような怯えた顔を死ながら、突然、人生をこわされたんだ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
マーベル「ゼギウスで亡くなった僕らの家族も同じように、何か言い訳をする間もなく、一瞬で命を踏みにじられた・・・・最後にとてつもない恐怖を味わって・・・・・・
簡単に日常が踏みにじられる恐怖を・・・
例え、自分の憎むべき仇だったとしても、同じような恐怖を死ぬ前に味合わせて、殺すなんて残酷なこと・・・・君にはできないはずだ。」
ギルデロイの目から、涙が溢れ出す・・・
マーベル「そうだ・・・君は今の今まで、ただ感情の勢いに乗っていただけなんだ・・・悪魔がとりついていただけだ・・・
ギルデロイ・・・もう辞めよう・・・恨みと憎しみだけで生きていくのは・・・・
ここで、終わりにしよう・・・悲しみの連鎖を・・・」
躊躇し、汗をかいているギルデロイに、マーベルは優しくさとすようにそう言った・・・
マーベル「この2人は、そんな地獄から逃げてきたんだ・・・イケニエの呪縛から、自分の人生を取り戻すために・・・・君も同じ立場になればきっとわかるはずだ!
きっと、分かり合えるはずだよ・・・だって、お互いに大切なものを失ったんだんだから・・・・・」
ギルデロイは、目をキッと光らせ、また怒りを沸かせていた!
ギルデロイ「たった1人の妹が!幼い時に別れたたった1人の妹が、あのゼギウスにいたんだ!・・・・・
許せる訳・・・・」
だが、その時、ギルデロイの記憶の中で、まだ幼い時、革命軍へと旅立つ際に、ゼギウスに残していった妹の顔が思い浮かぶ・・・
「もう、やめて・・・・お兄ちゃん・・・」
は!・・・・・・
「どんなにこの世界が憎くても・・・恨み、辛みだけ生きてちゃ、ダメだ・・・って父さんも母さんも言ってたでしょ・・・・」
・・・・・・・
ギルデロイの目から、涙が溢れる・・・
ギルデロイ「そうだったね・・・カレン・・・・」
茂みが、大きくガサゴソと揺れている・・・・瞳から恨み、辛みがなくなり、呆然と立ち尽くすギルデロイ・・・
そんな彼の後ろに突如、草むらから、頭がデカく、三つの目を持った恐ろしい巨大怪獣が現れた・・・
マーベル「逃げろ、ギルデロイ!」
ギルデロイ「え?」
ギルデロイは、深い深い昔の記憶を思い出していた直後のせいか、全く自分の危機に気付いていないようだった・・・
うわあああああああ!
三つ目の怪獣は木々をなぎ倒しながら、巨大な右手でギルデロイを捕まえ、持ち上げた・・・
やっと、恨み、辛みから解放されたというのに・・・彼には非常な運命が待っていた。
ギルデロイ「た、助けてくれええええええ!!」
悲痛な叫びを上げながら、助けを求めるギルデロイ・・・・
だが、タカト、カホ、マーベルの3人は恐怖のあまりに身体が動かなかった・・・・
「僕がピンチの時は、君らが助けてくれればいい・・・」
というギルデロイの言葉を思い出すタカトとカホ・・・・
だが、2人は結局、行動できなかった・・・・・・・・ギルデロイが憎いわけでない・・・
あまりに恐ろしすぎる、この巨大な怪物に圧倒されて何も考えることができないのだ・・・
ガブリ!!
ギルデロイは、怪獣に胴体を引きちぎられ、食われた・・・
地面に滴り落ちる彼の血と肉・・・
最後に、かすかに聞こえた彼の断末魔の中、「僕らは友達だろ?」という悲痛な叫びがあった・・・
果たしてやれなかった・・・
その絶望感だけがタカトとカホを襲う・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃・・・・・
「あ、あれは・・・神獣じゃねえか・・・・」
先程、タカトとカホを、この森の中でボコボコにした不良男子生徒集団のリーダーである【グロッバ】
という人相の悪い少年は
ギルデロイが捕食される場面をしっかりと見ていた・・・
「こ、この森には、怪獣や怪物しかいないはずなのに、なぜ神獣が・・・・」
神獣とは、神が恐ろしい怪物や怪獣に姿を変えたものだ・・・
一見、見分けがつかないように思えるが、その怪物が発するオーラや雰囲気で、神獣かそうでないかは
はっきりとわかる。
それに神獣ならば、常に白い霧のような煙を身体中にまとっている・・・それも神々しいほどの・・・
普通の怪物はそのような霧はまとっていない・・・・
【グロッバ】が今見ている、あの三つ目の怪獣も白い霧のような煙をまとっているから、恐らく
神獣だ。
グロッバ「まずいぞ・・・確かあの三つ目の神獣って・・・人間の心の中に眠る深層心理だっけ?記憶だっけ?そういうものをコントロールする力を持っているはず・・・・そして人の心を、記憶の中に惹きつけ、動かせないようにする能力を持っているんだっけ?」
不良生徒ではあるが、ちゃんと授業で習った神獣に関する知識を覚えている辺り、賢い不良なのだろう・・
そして、どうやら、本当にそのようだった・・・
タカト、カホ、マーベルは、先ほどのギルデロイのように、その場から動けなくなっていた・・・
それぞれの心の奥に眠る、深~い深~い記憶を、三つ目の神獣に操られ、脳内が記憶によって支配されてしまった・・・
このままでは3人とも食われてしまう!
だが、すぐにギルデロイが、サッ!と行動に出た。
マーベルの前を通り過ぎたかと思うと、タカトも無視して、カホの後ろに周り、彼女の首に剣を突きつける!
タカト「カホ!」
ギルデロイに捕らえられたカホ・・・
彼女の白く細い首には、今にも銀色の刃が突き刺さりそうだ・・・
ギルデロイ「僕の家族を殺したお前ら2人を植物ごときに殺させてたまるか!俺自身の手で殺してやる!」
と叫ぶギルデロイ・・・
彼の目には、怒り、憎悪、絶望、それら全ての感情が詰まった涙が溢れ出ていた。
やはり、ギルデロイの家族は、ゼギウス府に住んでおり、あの時の神々の襲来により亡くなっていたのだ・・・
タカト「や、やめろ!今はそんなことしている時じゃないだろ!」
ギルデロイ「黙れ!お前がそれを語るか!」
ギルデロイは、全く聞く耳を持たない・・・
マーベル「ギルデロイ!タカトの言う通りだよ!今は、ここで恨みを果たすべき状況じゃない!この森は
【死の森】なんだ!いつ怪獣や怪物が来るかわかんないんだぞ!」
ギルデロイ「黙れ!俺はもう命など惜しくない!こいつらを殺すことで、ゼギウス府で亡くなった全ての人の恨みを晴らす・・・これを果たせば、俺は、もうこの世に未練などない!」
狂ったようにわめくギルデロイは、もはや憎しみと恨みにとりつかれた怪物・・・
カホ「私たち、友達になったんじゃないの??」
ギルデロイに捕まっているカホの目には涙が溢れていた・・・・
ギルデロイ「うるさい!お前らが友人などを語るな!反吐が出る!」
そう言って、カホの首に剣を突き刺そうとするギルデロイ!
タカト「カホ!!」
だが、剣先がカホの首の後数センチの所まで来ても、それ以上刃が白い肌に近づくことはなかった・・・
どうやら、ギルデロイの手が震えていて、まともに動いていないらしい・・・やはり、まだ人を殺すことに躊躇があるのか?
マーベルは、急いで思考を巡らせる・・・
頭の血が登って、聞く耳を持たない人間に理性を取り戻させるにはどうしたらよいか・・・
今のギルデロイには、冷静な思考力はない・・・興奮状態だ・・・
まずは、こちらが落ち着かなくては・・・説き伏せる人間が慌てていたら、向こうもますます異常になるだけだ・・・
マーベル「わかったよ・・・好きにしたらいい・・・殺したいなら、殺せばいいさ。」
マーベルは落ち着いた声で、そんなことを言った・・・
カホ「!!」
ギルデロイ「!!」
カホの首に剣を近づけているギルデロイの顔に、驚きの色が浮かぶ。
タカト「お、おい!何言ってんだ!」
マーベル「最終的にその子を殺すかどうかは、君の判断だ、ギルデロイ・・・・なぜならその子の生死の支配権を、現在、握っているのは君なんだからな・・・・」
当然のことを静かに言うマーベル・・・
マーベル「君に任せるよ、ギルデロイ・・・・」
そこから、ギルデロイの顔には、恐れがにじみ出てきた・・・
カホの目をつぶり怯えた青ざめた顔を見て、ギルデロイは、剣をもう一度振り下ろすことはできなかった・・
マーベル「わかるだろう・・・死を前にしたら、人は無力であること・・・あの町で・・ゼギウスで亡くなった人々も、みんな今のカホのような怯えた顔を死ながら、突然、人生をこわされたんだ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
マーベル「ゼギウスで亡くなった僕らの家族も同じように、何か言い訳をする間もなく、一瞬で命を踏みにじられた・・・・最後にとてつもない恐怖を味わって・・・・・・
簡単に日常が踏みにじられる恐怖を・・・
例え、自分の憎むべき仇だったとしても、同じような恐怖を死ぬ前に味合わせて、殺すなんて残酷なこと・・・・君にはできないはずだ。」
ギルデロイの目から、涙が溢れ出す・・・
マーベル「そうだ・・・君は今の今まで、ただ感情の勢いに乗っていただけなんだ・・・悪魔がとりついていただけだ・・・
ギルデロイ・・・もう辞めよう・・・恨みと憎しみだけで生きていくのは・・・・
ここで、終わりにしよう・・・悲しみの連鎖を・・・」
躊躇し、汗をかいているギルデロイに、マーベルは優しくさとすようにそう言った・・・
マーベル「この2人は、そんな地獄から逃げてきたんだ・・・イケニエの呪縛から、自分の人生を取り戻すために・・・・君も同じ立場になればきっとわかるはずだ!
きっと、分かり合えるはずだよ・・・だって、お互いに大切なものを失ったんだんだから・・・・・」
ギルデロイは、目をキッと光らせ、また怒りを沸かせていた!
ギルデロイ「たった1人の妹が!幼い時に別れたたった1人の妹が、あのゼギウスにいたんだ!・・・・・
許せる訳・・・・」
だが、その時、ギルデロイの記憶の中で、まだ幼い時、革命軍へと旅立つ際に、ゼギウスに残していった妹の顔が思い浮かぶ・・・
「もう、やめて・・・・お兄ちゃん・・・」
は!・・・・・・
「どんなにこの世界が憎くても・・・恨み、辛みだけ生きてちゃ、ダメだ・・・って父さんも母さんも言ってたでしょ・・・・」
・・・・・・・
ギルデロイの目から、涙が溢れる・・・
ギルデロイ「そうだったね・・・カレン・・・・」
茂みが、大きくガサゴソと揺れている・・・・瞳から恨み、辛みがなくなり、呆然と立ち尽くすギルデロイ・・・
そんな彼の後ろに突如、草むらから、頭がデカく、三つの目を持った恐ろしい巨大怪獣が現れた・・・
マーベル「逃げろ、ギルデロイ!」
ギルデロイ「え?」
ギルデロイは、深い深い昔の記憶を思い出していた直後のせいか、全く自分の危機に気付いていないようだった・・・
うわあああああああ!
三つ目の怪獣は木々をなぎ倒しながら、巨大な右手でギルデロイを捕まえ、持ち上げた・・・
やっと、恨み、辛みから解放されたというのに・・・彼には非常な運命が待っていた。
ギルデロイ「た、助けてくれええええええ!!」
悲痛な叫びを上げながら、助けを求めるギルデロイ・・・・
だが、タカト、カホ、マーベルの3人は恐怖のあまりに身体が動かなかった・・・・
「僕がピンチの時は、君らが助けてくれればいい・・・」
というギルデロイの言葉を思い出すタカトとカホ・・・・
だが、2人は結局、行動できなかった・・・・・・・・ギルデロイが憎いわけでない・・・
あまりに恐ろしすぎる、この巨大な怪物に圧倒されて何も考えることができないのだ・・・
ガブリ!!
ギルデロイは、怪獣に胴体を引きちぎられ、食われた・・・
地面に滴り落ちる彼の血と肉・・・
最後に、かすかに聞こえた彼の断末魔の中、「僕らは友達だろ?」という悲痛な叫びがあった・・・
果たしてやれなかった・・・
その絶望感だけがタカトとカホを襲う・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃・・・・・
「あ、あれは・・・神獣じゃねえか・・・・」
先程、タカトとカホを、この森の中でボコボコにした不良男子生徒集団のリーダーである【グロッバ】
という人相の悪い少年は
ギルデロイが捕食される場面をしっかりと見ていた・・・
「こ、この森には、怪獣や怪物しかいないはずなのに、なぜ神獣が・・・・」
神獣とは、神が恐ろしい怪物や怪獣に姿を変えたものだ・・・
一見、見分けがつかないように思えるが、その怪物が発するオーラや雰囲気で、神獣かそうでないかは
はっきりとわかる。
それに神獣ならば、常に白い霧のような煙を身体中にまとっている・・・それも神々しいほどの・・・
普通の怪物はそのような霧はまとっていない・・・・
【グロッバ】が今見ている、あの三つ目の怪獣も白い霧のような煙をまとっているから、恐らく
神獣だ。
グロッバ「まずいぞ・・・確かあの三つ目の神獣って・・・人間の心の中に眠る深層心理だっけ?記憶だっけ?そういうものをコントロールする力を持っているはず・・・・そして人の心を、記憶の中に惹きつけ、動かせないようにする能力を持っているんだっけ?」
不良生徒ではあるが、ちゃんと授業で習った神獣に関する知識を覚えている辺り、賢い不良なのだろう・・
そして、どうやら、本当にそのようだった・・・
タカト、カホ、マーベルは、先ほどのギルデロイのように、その場から動けなくなっていた・・・
それぞれの心の奥に眠る、深~い深~い記憶を、三つ目の神獣に操られ、脳内が記憶によって支配されてしまった・・・
このままでは3人とも食われてしまう!
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