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序章〜この世界のはじまり〜
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(ーーどうしてこうなった)
小説やアニメでたまに使われているのを聞くことはあったが、まさか自分が使うような出来事に遭遇するとは思いもしなかった。
今の状況を自分が理解するためにも説明してみよう。
僕こと紲名玲(きずな あきら)は今、床の上で仰向けになっている。そして、目の前には綺麗なセミロングの銀髪を持つ女性が自分の上で馬乗状態で整った顔を驚きの色に染めている。説明終了。
なるほど、現状だけを説明しても、全く理解できないな。などと考えていることで混乱の極みから少しずつだが落ち着きを取り戻しつつある自分に対して目の前の女性が放った一言で混乱の極みに逆戻りすることとなった。
「えっ…?なんで男の人がいるんですか?」
確かに本来ここに男がいるはずないのだから彼女の疑問はもっともである。しかし、彼女の発言を受けて僕は自分の魔法が強制的に解除されていることを理解し、驚愕した。
魔法…そう、この世界は魔法が存在するように改変されたのだ。そして、結論から言ってしまうと、そのように世界を改変したのが僕の双子の姉である紲名明日花(きずな あすか)である。
ちょっと長くなるが、この魔法が存在する世界の成り立ちから今の状況に至るまでを説明させてもらう。
今から、およそ4カ月前…暦の上では秋の終わりが近づいて来た頃。僕と姉は成績には自信があり、学校では真面目で社交性のある優等生を演じてきたおかげで、志望校への合格も確実と言っていいほどだった。そのため、他の学生たちより余裕のある高校3年生の生活を送っていた。
ただ、学校の教師や他の生徒たちには秘密にしていることがある。それは、2人ともアニメやゲーム、漫画などが大好きな所謂隠れオタクだということである。特に、姉はアニメや漫画の女性のキャラが好きの中々、僕には理解しにくい趣味である。
そのためか、男性に対しては身内を除いて、ほとんど興味を持たず、学校生活における振る舞いからはそのことが想像もつかない。そのせいで、見た目の良さもあるためか男子生徒たちからの告白も何度かされているが、全てその場で断るという伝説を作った。そのような、少し一般的とは言えないかもしれないが、いたって普通の高校生活を過ごしていた。
しかし、そんな日常を大きく変える事件が起きてしまった。
ある日の放課後、僕は姉がクラスメイトと共に教室から出て行くのを目撃したが、その際の姉たちの雰囲気から嫌な予感がしたために、僕は姉たちには気付かれないように後をついていった。
後を追うと、体育館裏という学校内で人目に付きにくい場所としての代名詞の場所に移動した。そこで、姉とクラスメイトが口論を始めた。正直、居心地が悪いと感じつつも会話の内容を盗み聴きすると、どうやらクラスメイトである女子生徒は姉に対して、テストの成績や女子生徒が片思いしていたらしい男子生徒からの告白を姉が断ったことについて文句を言っているようだ。
一方、姉の方は女子生徒に対して特に反論することなく話を聴くことに徹していた。おそらく、何を言っても女子生徒にとっては神経を逆撫ですることになりかねないと判断したのだろう。しかし、女子生徒にとってはそんな姉の何も言わない様子すらも気に食わなかったのか感情に激しさが増していく。そして、感情の激しさがいよいよ頂点に達したのか、女子生徒の鞄から何か紙の束みたいなものを取り出し姉に見せた。
その瞬間、姉の表情が驚きに染まった。どうやら、女子生徒が取り出した紙束の正体は、最近姉が新たな趣味の1つとして作り始めたオリジナルの小説の原稿のようだ。
(ーー今時、小説を手書きなのか…)
どうやら、女子生徒が今回、姉を体育館裏に呼び出すという今までになかった現状のキッカケになったのが姉の小説のようだ。
(ーーというか、我が姉ながらハマっているとはいえ学校に自作の原稿を持ってくるなよ。まぁ、そういう所も姉さんらしいっちゃ、らしいけど…)
確かに、受験生として一生懸命勉強しているだろう女子生徒にとって趣味として小説を書いて学校にまで持ってきている姉にテストの点数で負けるという事実は納得することができないだろう。
(ーーまぁ、実際に負けているけど…)
一方で、姉の方はというと大分取り乱した様子で女子生徒から小説の原稿を取り返そう話しかけている。そのような状況を見ながら、僕はこのことを先生たちに報告しに行くべきか如何かで悩んでいた。この場を上手く治める方法が他に思い浮かばないのは事実だが、下手に大事にすると女子生徒と姉が受験に何らかの不利益を被る可能性があるかもと考えたからである。
しかし、現実は僕に充分な考える時間を与えてはくれなかった。女子生徒が、姉の原稿を取り返そうとしている姿に対して何を思ったのか、おもむろに姉の目の前で原稿を引き裂こうとし始めた。
これを見て、僕は意を決して物陰から飛び出しながら女子生徒の行動を止めるために声を掛けてようとした。それと同時に、姉が女子生徒に手を伸ばしながら声をあげようとしていた。
「やめーー」
僕と姉のどちらの声だったのか、或いは同時に叫んだのか、わからないがその瞬間に、俺の視界は突然白い光に覆われるとともに、意識が遠のいて行くのを感じたーーー。
小説やアニメでたまに使われているのを聞くことはあったが、まさか自分が使うような出来事に遭遇するとは思いもしなかった。
今の状況を自分が理解するためにも説明してみよう。
僕こと紲名玲(きずな あきら)は今、床の上で仰向けになっている。そして、目の前には綺麗なセミロングの銀髪を持つ女性が自分の上で馬乗状態で整った顔を驚きの色に染めている。説明終了。
なるほど、現状だけを説明しても、全く理解できないな。などと考えていることで混乱の極みから少しずつだが落ち着きを取り戻しつつある自分に対して目の前の女性が放った一言で混乱の極みに逆戻りすることとなった。
「えっ…?なんで男の人がいるんですか?」
確かに本来ここに男がいるはずないのだから彼女の疑問はもっともである。しかし、彼女の発言を受けて僕は自分の魔法が強制的に解除されていることを理解し、驚愕した。
魔法…そう、この世界は魔法が存在するように改変されたのだ。そして、結論から言ってしまうと、そのように世界を改変したのが僕の双子の姉である紲名明日花(きずな あすか)である。
ちょっと長くなるが、この魔法が存在する世界の成り立ちから今の状況に至るまでを説明させてもらう。
今から、およそ4カ月前…暦の上では秋の終わりが近づいて来た頃。僕と姉は成績には自信があり、学校では真面目で社交性のある優等生を演じてきたおかげで、志望校への合格も確実と言っていいほどだった。そのため、他の学生たちより余裕のある高校3年生の生活を送っていた。
ただ、学校の教師や他の生徒たちには秘密にしていることがある。それは、2人ともアニメやゲーム、漫画などが大好きな所謂隠れオタクだということである。特に、姉はアニメや漫画の女性のキャラが好きの中々、僕には理解しにくい趣味である。
そのためか、男性に対しては身内を除いて、ほとんど興味を持たず、学校生活における振る舞いからはそのことが想像もつかない。そのせいで、見た目の良さもあるためか男子生徒たちからの告白も何度かされているが、全てその場で断るという伝説を作った。そのような、少し一般的とは言えないかもしれないが、いたって普通の高校生活を過ごしていた。
しかし、そんな日常を大きく変える事件が起きてしまった。
ある日の放課後、僕は姉がクラスメイトと共に教室から出て行くのを目撃したが、その際の姉たちの雰囲気から嫌な予感がしたために、僕は姉たちには気付かれないように後をついていった。
後を追うと、体育館裏という学校内で人目に付きにくい場所としての代名詞の場所に移動した。そこで、姉とクラスメイトが口論を始めた。正直、居心地が悪いと感じつつも会話の内容を盗み聴きすると、どうやらクラスメイトである女子生徒は姉に対して、テストの成績や女子生徒が片思いしていたらしい男子生徒からの告白を姉が断ったことについて文句を言っているようだ。
一方、姉の方は女子生徒に対して特に反論することなく話を聴くことに徹していた。おそらく、何を言っても女子生徒にとっては神経を逆撫ですることになりかねないと判断したのだろう。しかし、女子生徒にとってはそんな姉の何も言わない様子すらも気に食わなかったのか感情に激しさが増していく。そして、感情の激しさがいよいよ頂点に達したのか、女子生徒の鞄から何か紙の束みたいなものを取り出し姉に見せた。
その瞬間、姉の表情が驚きに染まった。どうやら、女子生徒が取り出した紙束の正体は、最近姉が新たな趣味の1つとして作り始めたオリジナルの小説の原稿のようだ。
(ーー今時、小説を手書きなのか…)
どうやら、女子生徒が今回、姉を体育館裏に呼び出すという今までになかった現状のキッカケになったのが姉の小説のようだ。
(ーーというか、我が姉ながらハマっているとはいえ学校に自作の原稿を持ってくるなよ。まぁ、そういう所も姉さんらしいっちゃ、らしいけど…)
確かに、受験生として一生懸命勉強しているだろう女子生徒にとって趣味として小説を書いて学校にまで持ってきている姉にテストの点数で負けるという事実は納得することができないだろう。
(ーーまぁ、実際に負けているけど…)
一方で、姉の方はというと大分取り乱した様子で女子生徒から小説の原稿を取り返そう話しかけている。そのような状況を見ながら、僕はこのことを先生たちに報告しに行くべきか如何かで悩んでいた。この場を上手く治める方法が他に思い浮かばないのは事実だが、下手に大事にすると女子生徒と姉が受験に何らかの不利益を被る可能性があるかもと考えたからである。
しかし、現実は僕に充分な考える時間を与えてはくれなかった。女子生徒が、姉の原稿を取り返そうとしている姿に対して何を思ったのか、おもむろに姉の目の前で原稿を引き裂こうとし始めた。
これを見て、僕は意を決して物陰から飛び出しながら女子生徒の行動を止めるために声を掛けてようとした。それと同時に、姉が女子生徒に手を伸ばしながら声をあげようとしていた。
「やめーー」
僕と姉のどちらの声だったのか、或いは同時に叫んだのか、わからないがその瞬間に、俺の視界は突然白い光に覆われるとともに、意識が遠のいて行くのを感じたーーー。
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