14 / 15
最終章〜後日談のようなもの〜
しおりを挟む
試験当日から2日後の土曜日の午前、僕らは『デバイス』を通じて月兎先生から午後に学長室に来るように連絡を受けた。
そして僕らは今、学長室の前にいる。僕らを呼び出した月兎先生と稲葉先生も一緒だ。
月兎先生が先頭に立ち、学長室の扉をノックする。
「学園長。紲名玲以下4名を連れて来ました。」
「入りな。」
「失礼します。」
僕ら4人と稲葉先生も月兎先生に続いて学長室に入る。
「取り敢えずは、おめでとうと言っておくよ。アンタたちのパーティが今回の試験で一番の高得点だった。」
僕らが入るや直ぐに学園長は本題を告げてきた。
「ありがとうございます、学園長。」
パーティを代表して僕が返事をした。
呼び出された時点で、事前にパーティ内で僕が応えると決めておいた。
「それで報酬についてだが、悪いが今すぐ渡すことは出来ないよ。こっちも準備するのに多少は時間が必要だからね。」
どうやら話を聴く限りでは、最優秀のパーティが決定した後、そのパーティメンバーと相性が良さそうと学園側が判断した装備やアイテム等を報酬にすることになっていたらしい。
(ーー人によって報酬を決めるとは、流石に予想出来ないなぁ…。でも、その人に合わせた報酬と言うことは、かなり期待出来そうだよな。)
そんなことを考えながら、報酬について僕が胸を膨らませていると学園長から予想外の発言が飛んでくる。
「あー、期待してる所に水を差すようで悪いが玲、アンタには報酬は出ないからね。」
「へっ?」
学園長から突然の報酬無し発言で、僕は驚きを隠せないでいた。
僕のパーティメンバーである3人も疑問符を浮かべている。
そんな僕らに学園長は説明を続ける。
「理由は至ってシンプルだよ。月兎先生から報告を受けたが、玲は試験中に変身の魔法を使っただろ?」
それを言われた瞬間、僕は学園長の言おうとしていることが何となく理解出来たが、一応、最後まで話を聴くことにする。
「たしかに、今回の試験内容が他の生徒たちの目に入ることはないだろうが、今のアンタの魔法属性は『結晶』ってことになってるんだから、変身魔法の使用はしないように伝えていたと思うんだが?」
「ですが、学園長。月兎先生から全力で試験に臨むように言われたので変身魔法を使ったても良いと解釈したのですが。」
学園長の言葉に僕は反論を述べた。
このような時のために、試験中にまで月兎先生に確認をしたのである。
しかし、学園長は僕の意見をバッサリと切り捨てる。
「幾ら全力で闘って良いかと言われたとしても限度があるだろ。私たちが変身魔法を使っていいと明言した訳ではないだろう?」
「確かに、そうかもしれません。」
学園長の言い分に納得し始めていた僕に学園長が言葉を続ける。
「とは言え、月兎先生が変身魔法を使っても良いように言葉を選んだのも聴いてはいるよ。」
「え?」
僕が問い詰めるような視線を後ろにいる月兎先生へと向けると、月兎先生は視線を明後日の方向へと向ける。
どうやら、学園長が言ったことは本当のようだ。
(ーーでも、なんで月兎先生はそんなことを言ったんだろう?)
そんな風に僕が疑問を抱いていると、その考えを見透かしたかのように、学園長が言葉を発する。
「まぁ、月兎先生も中々の戦闘好きだからね。アンタの能力に興味深かったんだろうさ。」
「そうなんですか?月兎先生?」
「概ね、その通りです♪」
学園長の言葉を僕が月兎先生に確認をすると、底抜けの明るさで認めた。
「そんな訳でこちら側にも非はあるから、玲以外には報酬を渡すつもりだよ。」
学園長が今回の結果になった理由を纏めた。
「まぁ、そう言うことでしたらわかりました。」
僕は学園長の言い分に納得することにした。下手に反論して、姉さんたちの報酬も無かったことにされるよりはマシだと判断したからである。
姉さんたちも僕が納得した為か、特に意見は無さそうな様子。
その様子を見た学園長が話を纏める。
「納得してくれて何よりだよ。最初にも言ったが、まだ報酬の用意は出来てないから、用意でき次第に改めて呼び出すよ。今回は、試験結果の通達だけだから、もう寮に帰ってもらって大丈夫だよ。」
「分かりました。それでは失礼しました。」
「「「失礼しました。」」」
学園長の声言葉を受けて、僕ら4人は学長室を後にし、寮に戻ることにした。
一方、紲名玲たち4人が退出した後の学長室では…。
「月兎先生、稲葉先生。今回の試験は御苦労だったね。」
学園長が2人の教師に労いの言葉をかけた。
「いえいえ♪私はかなり楽しめたので、そんな苦労とかは感じてないですよ♪それより、今年の生徒たちは中々有望そうな子か多くて、そんな担任をさせて感謝しかしてないです♪」
普段通りのテンションで月兎リトは学園長の労いに応えた。
しかし、次の瞬間には普段とは打って変わって真剣な声色で学園長である紲名桐葉に質問する。
「それより、学園長。今回の試験での紲名玲たちのパーティについてなんですが、どうして試験の直前に彼等の試験内容を変更されたのか、理由を教えていただいてもよろしいですか?」
そう、本来なら紲名玲たちも他のパーティ同様に4人1組で試験をやる予定であった。
だが、試験直前に学園長の指示で試験内容を大きく変更されたのである。
そんな月兎リトの質問に紲名桐葉は淡々とした態度で答える。
「理由は至ってシンプルだよ。今回の試験でアイツらに、これから立ち塞がる試練を乗り越える可能性があるかを確かめるためだよ。」
「試練、ですか?」
学園長の言葉に今迄、沈黙を保っていた稲葉睡蓮が聴き返した。
「ああ、そうだよ。この試練を乗り越えるなら、最低でも今回の試験課題は達成してもらわないとね。」
「それほど、過酷な試練なんですか?」
「私としては何でそんな試練が彼等に立ち塞がることが確定しているのかが気になりまーす♪」
稲葉睡蓮といつもの調子に戻った月兎リトは学園長の返答に更に質問を返す。
「その2つの質問に答えるなら、これを直接見てもらった方が早そうだね。」
学園長はそう告げると、自分が座っている机の引き出しから1通の手紙が入った封筒を取り出す。
「「失礼します。」」
月兎リトと稲葉睡蓮はその封筒を受け取ると、学園長に一言断りを入れると中にある手紙を読み始める。
手紙を読み進めていくと、稲葉睡蓮は段々と驚きが深くなっていき、それとは対照的に月兎リトは意味深な笑顔を浮かべていく。
そして2人が手紙を読み終え、封筒と共に学園長に返却した後に感想を述べる。
「確かに、これは今回の試験とは比較にならない程の困難かもしれないですね。少なくとも、あのパーティにはその手紙の主を納得させるくらいの力が必要ですね。」
「うんうん♪それにもし、この試練を乗り越えることが出来ないと、あのパーティは強制的に解散させられるから、逃げることは不可能だね♪これは面白くなりそうな予感♪」
「まぁ、そんな訳で先生たちにもアイツ等を出来る限り鍛えてやって欲しいのさ。」
そんな学園長の言葉に稲葉睡蓮は質問を投げかける。
「1つ確認したいのですが、あのパーティにそこまで肩入れする理由は何かあるのですか?」
「アタシは一応、教育者だからね。アイツ等の可能性を守ってやる義務があると思ってるのさ。もちろん、アイツ等がそれを望んでいるのが条件にはなるけどね。」
「と言うことは、玲ちゃんたちにに手紙の内容は伝えるんですか?」
そんな月兎リトの疑問に学園長は答える。
「時期が来たら、伝えるつもりだよ。幸い、この手紙の主の方から学園に出向いてくれるようだしね。その時にでも説明した方がいいだろう。今はまだ、試験が終わった余韻を味わってもいいさ。」
学園長の返答を聴いた2人は納得したように頷き口を開く。
「「了解しました。では、そのように進めます。」」
2人は一言一句同じ言葉を口にした後、学長室を出て行った。
そんな2人を見送った学園長は1人学長室にて静かに呟く。
「さて、これから起こる困難にアンタたちはどうするんだい?玲、明日花。」
これから紲名玲たちに立ち塞がる試練の結果は女神であるルアにも分からないかもしれない。
そして僕らは今、学長室の前にいる。僕らを呼び出した月兎先生と稲葉先生も一緒だ。
月兎先生が先頭に立ち、学長室の扉をノックする。
「学園長。紲名玲以下4名を連れて来ました。」
「入りな。」
「失礼します。」
僕ら4人と稲葉先生も月兎先生に続いて学長室に入る。
「取り敢えずは、おめでとうと言っておくよ。アンタたちのパーティが今回の試験で一番の高得点だった。」
僕らが入るや直ぐに学園長は本題を告げてきた。
「ありがとうございます、学園長。」
パーティを代表して僕が返事をした。
呼び出された時点で、事前にパーティ内で僕が応えると決めておいた。
「それで報酬についてだが、悪いが今すぐ渡すことは出来ないよ。こっちも準備するのに多少は時間が必要だからね。」
どうやら話を聴く限りでは、最優秀のパーティが決定した後、そのパーティメンバーと相性が良さそうと学園側が判断した装備やアイテム等を報酬にすることになっていたらしい。
(ーー人によって報酬を決めるとは、流石に予想出来ないなぁ…。でも、その人に合わせた報酬と言うことは、かなり期待出来そうだよな。)
そんなことを考えながら、報酬について僕が胸を膨らませていると学園長から予想外の発言が飛んでくる。
「あー、期待してる所に水を差すようで悪いが玲、アンタには報酬は出ないからね。」
「へっ?」
学園長から突然の報酬無し発言で、僕は驚きを隠せないでいた。
僕のパーティメンバーである3人も疑問符を浮かべている。
そんな僕らに学園長は説明を続ける。
「理由は至ってシンプルだよ。月兎先生から報告を受けたが、玲は試験中に変身の魔法を使っただろ?」
それを言われた瞬間、僕は学園長の言おうとしていることが何となく理解出来たが、一応、最後まで話を聴くことにする。
「たしかに、今回の試験内容が他の生徒たちの目に入ることはないだろうが、今のアンタの魔法属性は『結晶』ってことになってるんだから、変身魔法の使用はしないように伝えていたと思うんだが?」
「ですが、学園長。月兎先生から全力で試験に臨むように言われたので変身魔法を使ったても良いと解釈したのですが。」
学園長の言葉に僕は反論を述べた。
このような時のために、試験中にまで月兎先生に確認をしたのである。
しかし、学園長は僕の意見をバッサリと切り捨てる。
「幾ら全力で闘って良いかと言われたとしても限度があるだろ。私たちが変身魔法を使っていいと明言した訳ではないだろう?」
「確かに、そうかもしれません。」
学園長の言い分に納得し始めていた僕に学園長が言葉を続ける。
「とは言え、月兎先生が変身魔法を使っても良いように言葉を選んだのも聴いてはいるよ。」
「え?」
僕が問い詰めるような視線を後ろにいる月兎先生へと向けると、月兎先生は視線を明後日の方向へと向ける。
どうやら、学園長が言ったことは本当のようだ。
(ーーでも、なんで月兎先生はそんなことを言ったんだろう?)
そんな風に僕が疑問を抱いていると、その考えを見透かしたかのように、学園長が言葉を発する。
「まぁ、月兎先生も中々の戦闘好きだからね。アンタの能力に興味深かったんだろうさ。」
「そうなんですか?月兎先生?」
「概ね、その通りです♪」
学園長の言葉を僕が月兎先生に確認をすると、底抜けの明るさで認めた。
「そんな訳でこちら側にも非はあるから、玲以外には報酬を渡すつもりだよ。」
学園長が今回の結果になった理由を纏めた。
「まぁ、そう言うことでしたらわかりました。」
僕は学園長の言い分に納得することにした。下手に反論して、姉さんたちの報酬も無かったことにされるよりはマシだと判断したからである。
姉さんたちも僕が納得した為か、特に意見は無さそうな様子。
その様子を見た学園長が話を纏める。
「納得してくれて何よりだよ。最初にも言ったが、まだ報酬の用意は出来てないから、用意でき次第に改めて呼び出すよ。今回は、試験結果の通達だけだから、もう寮に帰ってもらって大丈夫だよ。」
「分かりました。それでは失礼しました。」
「「「失礼しました。」」」
学園長の声言葉を受けて、僕ら4人は学長室を後にし、寮に戻ることにした。
一方、紲名玲たち4人が退出した後の学長室では…。
「月兎先生、稲葉先生。今回の試験は御苦労だったね。」
学園長が2人の教師に労いの言葉をかけた。
「いえいえ♪私はかなり楽しめたので、そんな苦労とかは感じてないですよ♪それより、今年の生徒たちは中々有望そうな子か多くて、そんな担任をさせて感謝しかしてないです♪」
普段通りのテンションで月兎リトは学園長の労いに応えた。
しかし、次の瞬間には普段とは打って変わって真剣な声色で学園長である紲名桐葉に質問する。
「それより、学園長。今回の試験での紲名玲たちのパーティについてなんですが、どうして試験の直前に彼等の試験内容を変更されたのか、理由を教えていただいてもよろしいですか?」
そう、本来なら紲名玲たちも他のパーティ同様に4人1組で試験をやる予定であった。
だが、試験直前に学園長の指示で試験内容を大きく変更されたのである。
そんな月兎リトの質問に紲名桐葉は淡々とした態度で答える。
「理由は至ってシンプルだよ。今回の試験でアイツらに、これから立ち塞がる試練を乗り越える可能性があるかを確かめるためだよ。」
「試練、ですか?」
学園長の言葉に今迄、沈黙を保っていた稲葉睡蓮が聴き返した。
「ああ、そうだよ。この試練を乗り越えるなら、最低でも今回の試験課題は達成してもらわないとね。」
「それほど、過酷な試練なんですか?」
「私としては何でそんな試練が彼等に立ち塞がることが確定しているのかが気になりまーす♪」
稲葉睡蓮といつもの調子に戻った月兎リトは学園長の返答に更に質問を返す。
「その2つの質問に答えるなら、これを直接見てもらった方が早そうだね。」
学園長はそう告げると、自分が座っている机の引き出しから1通の手紙が入った封筒を取り出す。
「「失礼します。」」
月兎リトと稲葉睡蓮はその封筒を受け取ると、学園長に一言断りを入れると中にある手紙を読み始める。
手紙を読み進めていくと、稲葉睡蓮は段々と驚きが深くなっていき、それとは対照的に月兎リトは意味深な笑顔を浮かべていく。
そして2人が手紙を読み終え、封筒と共に学園長に返却した後に感想を述べる。
「確かに、これは今回の試験とは比較にならない程の困難かもしれないですね。少なくとも、あのパーティにはその手紙の主を納得させるくらいの力が必要ですね。」
「うんうん♪それにもし、この試練を乗り越えることが出来ないと、あのパーティは強制的に解散させられるから、逃げることは不可能だね♪これは面白くなりそうな予感♪」
「まぁ、そんな訳で先生たちにもアイツ等を出来る限り鍛えてやって欲しいのさ。」
そんな学園長の言葉に稲葉睡蓮は質問を投げかける。
「1つ確認したいのですが、あのパーティにそこまで肩入れする理由は何かあるのですか?」
「アタシは一応、教育者だからね。アイツ等の可能性を守ってやる義務があると思ってるのさ。もちろん、アイツ等がそれを望んでいるのが条件にはなるけどね。」
「と言うことは、玲ちゃんたちにに手紙の内容は伝えるんですか?」
そんな月兎リトの疑問に学園長は答える。
「時期が来たら、伝えるつもりだよ。幸い、この手紙の主の方から学園に出向いてくれるようだしね。その時にでも説明した方がいいだろう。今はまだ、試験が終わった余韻を味わってもいいさ。」
学園長の返答を聴いた2人は納得したように頷き口を開く。
「「了解しました。では、そのように進めます。」」
2人は一言一句同じ言葉を口にした後、学長室を出て行った。
そんな2人を見送った学園長は1人学長室にて静かに呟く。
「さて、これから起こる困難にアンタたちはどうするんだい?玲、明日花。」
これから紲名玲たちに立ち塞がる試練の結果は女神であるルアにも分からないかもしれない。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる