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閑話 疑念と仲間 【カイト視点】
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あれから一か月が過ぎた。
ランクはE→C級に上がり、仲間も2人増えた。
頭は悪いが強いケンと、頭は悪いが強いネルカだ。
連日連夜迷宮を攻略し、俺たちの知名度も徐々に上がってきた。
だが……未だに疑問に思うことがある。
今から一か月前のあの日、あの青年に勧誘を断られたことだ。
黒い髪と青い瞳をした、寝不足気味の青年。
彼は俺が話しかけた瞬間、とんでもなく不機嫌そうに返事をしてきた。
俺が勧誘している最中も、親の仇かのような視線を送ってきた。
彼と仲間になるべく勧誘したが、それも断られてしまった。
その理由がよくわからないもので、『未来で追放されたから』らしい。
その後、俺は……彼に半殺しにされた。
左腕をへし折られ、獄炎で焼かれ……。
如何に頑強な竜人族の俺でも、一瞬だけ川のほとりで手を振る婆ちゃんが見えた。
竜人族特有の炎耐性と再生能力があったから何とか生きているが、それでも瀕死になったのは事実だ。
この一か月間、暇さえあればその理由を考えていた。
だが考えども、さっぱり理解できない。
俺と彼は、確実に初対面のハズだ。
現に俺は彼の名前さえも、知っていない。
いや……そもそも彼は何者なんだ?
俺のことを竜人族だと気づけたのは、彼以外にいない。
それに俺のことを心底嫌っており、殺したいほどと言っていたが……正直、何の心辺りもない。
「おいおいカイト、また悩んでンのか?」
「誰かは知りませんけれど、名前も知らない人のことを考えても仕方ありませんわよ?」
「それも……そうだね」
ケンとネルカは、素晴らしい人材だ。
頭は悪いが、鍛え上げられた拳で魔物を粉砕するケン。
頭は悪いが、鍛え上げられた剣術で魔物を切り刻むネルカ。
2人とも想像以上の逸材で、満足している。
この調子だったら、俺たちはいずれ確実に世界最強になれるだろう。
世界最難易度の迷宮だって、攻略できるかもしれない。
「だけど……欲を言うと、魔法師と回復魔法師が欲しいな」
俺たちは3人とも、前衛職だ。
その為、被弾することが日常茶飯事になっている。
毎日のように傷つき、その度にポーションで癒す。
ポーションも安くないため、俺たちはいつも金欠だ。
俺たちが傷ついても、簡単に癒してくれる回復魔法師。
遠距離から魔法を放ち、敵を殲滅する魔法師。
この両者がいれば、俺たちのパーティはさらに上を目指せる。
「とは言ってもよォ、魔法師も回復魔法師も貴重だぜェ?」
「学院を卒業するような魔法師や回復魔法師は、宮廷や魔法省、あと医者なんかに就きますわよ?」
「ギルドで冒険者をするような魔法師や回復魔法師なんか、学院を退学になった落ちこぼれとか独学で学んだ連中ばっかだぜェ?」
「……それもそうだね」
俺が求めているような高レベルな魔法師なんか、そうそう出会えないだろう。
そんなことはわかっているが……。ハァ……理想が高すぎるんだろうか。
せっかく天空都市から地上にやってきたのだから、目指すなら最強をと思っていたんだけどな……。
「……ん?」
ため息を零していると、1人の青年が目に入ってきた。
そこに立っていたのは、金髪の耳の尖った美男子。
身長は俺と同じくらいで175センチほど。
格好は魔術師然とした漆黒のローブ。
何故かはわからないが、彼のことが気になった。
何十人と冒険者がいるこのギルド内で、一瞬だけ彼しか見えなくなった。
俺の本能が、彼を仲間にしろと叫んできた。
「か、カイト?」
「どうしたんですの?」
ケンとネルカが心配そうに声をかけてくれるが、今はとにかく……あの青年に声をかけたい。
絶対に……仲間にしたい。
一か月ほど前に黒髪の青年を見た時と同じ衝動が、俺を襲っているのだから!!
「あ、あの!!」
「……?」
俺は無意識に、彼に声をかけていた。
「俺たちの仲間にならないか?」
ランクはE→C級に上がり、仲間も2人増えた。
頭は悪いが強いケンと、頭は悪いが強いネルカだ。
連日連夜迷宮を攻略し、俺たちの知名度も徐々に上がってきた。
だが……未だに疑問に思うことがある。
今から一か月前のあの日、あの青年に勧誘を断られたことだ。
黒い髪と青い瞳をした、寝不足気味の青年。
彼は俺が話しかけた瞬間、とんでもなく不機嫌そうに返事をしてきた。
俺が勧誘している最中も、親の仇かのような視線を送ってきた。
彼と仲間になるべく勧誘したが、それも断られてしまった。
その理由がよくわからないもので、『未来で追放されたから』らしい。
その後、俺は……彼に半殺しにされた。
左腕をへし折られ、獄炎で焼かれ……。
如何に頑強な竜人族の俺でも、一瞬だけ川のほとりで手を振る婆ちゃんが見えた。
竜人族特有の炎耐性と再生能力があったから何とか生きているが、それでも瀕死になったのは事実だ。
この一か月間、暇さえあればその理由を考えていた。
だが考えども、さっぱり理解できない。
俺と彼は、確実に初対面のハズだ。
現に俺は彼の名前さえも、知っていない。
いや……そもそも彼は何者なんだ?
俺のことを竜人族だと気づけたのは、彼以外にいない。
それに俺のことを心底嫌っており、殺したいほどと言っていたが……正直、何の心辺りもない。
「おいおいカイト、また悩んでンのか?」
「誰かは知りませんけれど、名前も知らない人のことを考えても仕方ありませんわよ?」
「それも……そうだね」
ケンとネルカは、素晴らしい人材だ。
頭は悪いが、鍛え上げられた拳で魔物を粉砕するケン。
頭は悪いが、鍛え上げられた剣術で魔物を切り刻むネルカ。
2人とも想像以上の逸材で、満足している。
この調子だったら、俺たちはいずれ確実に世界最強になれるだろう。
世界最難易度の迷宮だって、攻略できるかもしれない。
「だけど……欲を言うと、魔法師と回復魔法師が欲しいな」
俺たちは3人とも、前衛職だ。
その為、被弾することが日常茶飯事になっている。
毎日のように傷つき、その度にポーションで癒す。
ポーションも安くないため、俺たちはいつも金欠だ。
俺たちが傷ついても、簡単に癒してくれる回復魔法師。
遠距離から魔法を放ち、敵を殲滅する魔法師。
この両者がいれば、俺たちのパーティはさらに上を目指せる。
「とは言ってもよォ、魔法師も回復魔法師も貴重だぜェ?」
「学院を卒業するような魔法師や回復魔法師は、宮廷や魔法省、あと医者なんかに就きますわよ?」
「ギルドで冒険者をするような魔法師や回復魔法師なんか、学院を退学になった落ちこぼれとか独学で学んだ連中ばっかだぜェ?」
「……それもそうだね」
俺が求めているような高レベルな魔法師なんか、そうそう出会えないだろう。
そんなことはわかっているが……。ハァ……理想が高すぎるんだろうか。
せっかく天空都市から地上にやってきたのだから、目指すなら最強をと思っていたんだけどな……。
「……ん?」
ため息を零していると、1人の青年が目に入ってきた。
そこに立っていたのは、金髪の耳の尖った美男子。
身長は俺と同じくらいで175センチほど。
格好は魔術師然とした漆黒のローブ。
何故かはわからないが、彼のことが気になった。
何十人と冒険者がいるこのギルド内で、一瞬だけ彼しか見えなくなった。
俺の本能が、彼を仲間にしろと叫んできた。
「か、カイト?」
「どうしたんですの?」
ケンとネルカが心配そうに声をかけてくれるが、今はとにかく……あの青年に声をかけたい。
絶対に……仲間にしたい。
一か月ほど前に黒髪の青年を見た時と同じ衝動が、俺を襲っているのだから!!
「あ、あの!!」
「……?」
俺は無意識に、彼に声をかけていた。
「俺たちの仲間にならないか?」
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