浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

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30話:洗濯をしよう! スベスベマンジュウガニ

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異世界生活二十一日目



わたしたちは遠出をして、泡の出る実を手に入れた!



これで洗濯ができる!



「オー、メグミ、おかえりなサイ!」



「待っていたぞ、メグミ!」



「カムリさんとモクさん、揃ってどうしたの?」



「見てくだサイ。メグミが留守の間に、いろんな服を作っておきマシタ!」



「これで汚れても、すぐ替えがあるぞ!」



そう言って、二匹はずらりと白い服を並べた。



お馴染みのセーラー服型やワンピース型の服だけど、二匹のセンスでひらひらなどが付け足されている。



軽くファッションショーができそうなくらい種類があるけど、みんな真っ白だ。



「ありがとう、モクさん、カムリさん。どれも大事に着るね!」



「汚れたり傷ついたりしたら、新しいのをすぐ作るから、そんなに大事にしなくてもいいぞ?」



「そうデス。いくらでも作りますヨ!」



「カムリさんとモクさんの気持ちが嬉しいから、大事に使うんだよ!」



「オー、そうデスカ。デモ、新しいのが欲しくなったら、いつでも言ってクダサイ」



「我らは服を作るために、ここに集ったのだからな!」



「うん、その時はちゃんと頼むから、お願いね!」



二匹がたくさんの服を持ってきてくれたが、今やることは――洗濯である。



絞り布に泡の出る実を入れて、水につけて――



シャバシャバ。アワアワアワ。



「わわ! すごい泡立ってる! ちょっと実を取りすぎたかな?」



「あわあわ~」



「ぶくぶく~」



コメちゃんズが泡で遊んでいる。



……いや、洗剤で遊んだら体に悪いのでは?



「コメちゃんズ、これはいい泡じゃないから、遊ばないほうが……」



「メグミ、この泡はぼくたち平気だから大丈夫だよ!」



「ああ、この泡の毒素は少ない。私たちの体には無害だろう」



ふーん……って、知らないカニさんがいるーーーーー!!



【スベスベマンジュウガニ】

・オウギガニ科。猛毒を持つカニで、食べると死に至る危険があり、絶対に食べてはいけない。

・甲幅4cmほどで、名前の通りスベスベした饅頭のような丸い体と、派手なまだら模様が特徴。

・南日本のサンゴ礁や岩礁に生息し、筋肉にフグ毒テトロドトキシンなどを含む。



カニペディアだ。えーっと、猛毒!? めちゃくちゃ平和そうな名前なのに!



「えーと、スベスベマンジュウガニさん?」



「私は通りすがりだ。少し毒素を感じたのでね。気にしないでくれ。では――」



スベスベマンジュウガニさんは、静かに去っていった。



「ま、まあ、泡が毒じゃないってわかっただけでも良かったか……」



シャバシャバ。



「おー、着古した制服の白さが戻ってきてる! だいぶ汚れてたんだなあ」



いつも干してる岩にかけて、コメちゃんズが水分を飛ばせば――綺麗な洗濯後の服が完成!



でもよく考えたら、服もたくさん増えたし……物干し竿とか欲しいかもしれない。



それに、泡の実巾着は洗濯一回使ったら終わりだから、ちょっともったいない。



カクレサワガニさんから分けてもらう回数を減らすためにも、やっぱり石鹸か何かにして再利用可能にしなくちゃ!



とりあえず、まずは物干し竿を作ろう。



「ミコちゃん、大きい枝を五本と、モクさんたちから太い糸をもらってきてくれる?」



「わかったよ! 枝はまっすぐな方がいいよね?」



「うん、そうだよ! ありがとう、ミコちゃん」



ミコちゃんは、私の適当な脳内イメージをいつも読み取ってくれていて、ほんと助かる。



しばらくすると、ヤッシーとオカちゃんたちが枝と糸を運んできた。



「メグミ、持ってきたっすよー! 今度は何作るっすかー?」



「物干し竿っていうのを作ろうとしてるの。こうやって枝を合わせて縛って、一番長い棒を立てかけて――完成!」



超原始的な物干し竿ができた。



……しかし、物を干すのにはいいかもだけど、服をかけるにはハンガーとか欲しいかもしれない。



「まかせて! ハンガーを作るよ!」



「ええ!? ミコちゃん、作れるの!?」



ミコちゃんは何やらヤッシーたちと話して、ヤシの木を伐採し始めた。



ハサミでバリバリ整形していく。ハンガーの形になっていた。



みんなの造形技術の高さは、なんなのだろうか……



そして、砂から出てきたホリくんが、パッサパサのハンガーをスベスベ加工して――完成!



コメちゃんズが運んでくる。



「メグミ、これであってるよね?」



「あ、うん。合ってるよ、ミコちゃん」



ミコちゃん……なんかすごい方向に進化してる気がする。



ともあれ、これで服は洗えるし、きれいに保管することもできるようになった――のであった。

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