浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

文字の大きさ
31 / 129

31話:石鹸を作ろう!トラフカラッパ

しおりを挟む
異世界生活二十二日目



洗濯ができるようになった!これは本当にうれしい。



でも、洗濯用の泡の出る実、今のままじゃ使い捨てで、とてももったいない!



そこで私は、石鹸を作ろうと思った!



……思ったけど。



「うーん、確か……油と、なんかこう……アルカリの灰汁?とかで作るんだったような……」



「油ならいつでも搾れるっすよー。瓶にもいっぱい保存されてるっすよー」



「あっ、ヤッシー、木を燃やそう!」



「唐突っすねえ」



「木灰の絞り汁が灰汁のはず!漢字的にも!」



「ミコちゃん、コメちゃんズに焼き作業をお願いね!」



「ばっちり木灰作るよ!」



「私は陶器ボウルに洗濯液を用意しておくね!」



まずは試作。少量でやってみよう。



パチパチパチ……木灰づくりも順調。



――と思いきや。



ゴオオオオオオッ!!!



ん? 音がなんか……でかい?



「も、燃えすぎじゃない!?」



あっ、コメちゃんズが海に向かって逃げてる!



「メグミ!火事だよー!!」



「ええええええええっ!?」



「みんなー!消火活動してー!」



「私も水瓶で――!」



「メグミさんは危ないので下がっていてください!」



「そうじゃ、わしらは多少の熱は平気じゃが、メグミはすぐに丸焦げじゃ!」



ガザ爺たちが水瓶を手に、火に立ち向かう。



――シャパン。



……消えない。



このままじゃ燃え広がって森まで大火事に……!



勝さん……また助けてくれたりしないかな?



「助けて、勝さん!」



光らない。うーん、召喚には何か条件があるのかも。



でも諦めちゃだめ!このままじゃ森の生態系が大ピンチ!



うーん、うーん、うーん……。



「こいつはひどいねえ、お嬢さん。困ってるようだな」



え? なんか……念話?



「助けを求める声があっては、見捨てるわけにはいかねえ。カニが廃るってもんだ」



ズンズンズン……!



海辺から、ガザ爺よりも大きなカニが歩いてくる!



【トラフカラッパ】

・カラッパ科。甲幅10cmほどの、半球状でドーム型の硬い甲羅を持つカニ。



・砂地の海底に生息し、右のハサミにある突起を缶切りのように使って巻貝を食べる。



・食用可。身は少ないが、出汁がよく出るため味噌汁や鍋物で食べられることがある。



……って、このトラフカラッパさん10メートルくらいあるんだけど!?



こんなに大きいなら鍋になんか入らないよ!いや、食べないけど!!



トラさんは海沿いから、水を勢いよく噴射!



ブッシャーーーーーーーー!!



消防車よりすごい勢いで、火がどんどん小さくなっていく!



バッシャーーーーーッ!



とどめの一撃で、完全鎮火。



「どうやら消し止められたようだねえ。じゃ、あっしはこれで――」



「待って、トラさん!ありがとう!」



「トラさん?……いい名前だ。これからはそう名乗らせてもらいます」



「トラさん、私たちと一緒に暮らさない?」



「……あっしは流れ者でね。一つ所にとどまるのは性に合わねえ。でも、お嬢さんがまた困ってたら、助けにきやしょう」



ズンズンズン――



ハサミを振りながら、トラさんは海へ帰っていった。



……もしかして、トラさんも召喚で来てくれたのかな?



うーん、やっぱりこの能力、よくわからない。



「メグミ、ごめん……」



「ミコちゃん、失敗は誰にでもあるよ。次はもっと少ない量で、浜辺でやろうね!」



「うん」



火事はあったけど、トラさんのおかげで無事に解決。

そして、木灰もしっかりできた。



よし、本題の石鹸づくりだ!



油と灰汁と洗濯液を混ぜて――



ぐるぐるぐるぐる。



ちょっとコメちゃんズに温めてもらって――



ぐるぐるぐる。



とろみがついてきたら、余ってる陶器に流し込み……



コメちゃんズ魔法で冷却!



見た目はバッチリ固形石鹸!香りもヤシの香りでいい感じ!



水に少しつけてみると――



アワワワワ!アワアワアワ!



すごい泡立ち!しかも洗った手がしっとりスベスベ!



保存もききそうだし、石鹸づくり大成功!



でもこれからは、ちゃんと危機管理をして作業しようと、しっかり反省したのでした。



さて、次は何をしようかな――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル 14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり 奥さんも少女もいなくなっていた 若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました いや~自炊をしていてよかったです

処理中です...