なぜか軟禁されてました〜脇役はどうしたらいいですか〜

涙乃(るの)

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第一部

15

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「…」
『…』

私だけでなくなぜかカイン様も赤面していた。

き、気まずい。どうしよう。
私から何か言うべきかな。
思い悩んでいると、沈黙を破ったのはカイン様だった。

「その…今日ここへ寄ったのは、リィーンにお願いがあったからなんだ。」

『お願いですか?私にできることですか?』

何だろう。
私、ここから出られないから何もできないのに。

「あ、あぁ。リィーンに、頼みたい。」

カイン様は思い出したように、腰に下げた袋から何かを取り出した。

「これを」

それは小さな包みだった。

手を差し出されたので、私は無意識に受け取ってしまった。

『これは?』

「開けてみてくれ」

『開けていいんですか?』

「あぁ」

私は、さっそく包みを開封した。

『これは…?』

包みの中身は、手のひらサイズの小さな瓶だった。

「美容液だ。」

『は?』

私は、カイン様から不似合いな言葉が聞こえてきたので、無意識に心の声が出てしまった。

カイン様を窺うと、怒った様子もないので安心する。

「実は、知り合いに使用感を頼まれてな。まだ試作品らしくて。
私は、こういうことに疎いもので、良ければ代わりにリィーンが使用した感想を教えてくれないか?」

予想外の頼み事だった。
美容液。
こちらにもあるんだ。初めて見た。
いわゆる試供品なのかな。


『あの、その使用感とは、何か記録をした方が良いのでしょうか?』

「いや、そんな難しいことではない。リィーンが使った感想を私に教えてくれたらいい。」

『期限は、いつまででしょうか?』

「そうだな…特に考えてなかったが…」

『お知り合いの方は、なんと言われてたのでしょうか?』

「あ、知り合いは…その…。コホン。
使用感は、すぐには分からないだろうから、定期的に訪れようと思うが…そうだな。とりあえず明日また来ようと思うが、いいだろうか?」

『えっ、明日ですか?さすがに1日では効果は分からないと思うのですが…』

「迷惑だろうか…?」

『いえ、迷惑だなんてそんな。わ、分かりましたお待ちしてます』

「そうか。ならまた明日。では失礼しよう。あ、ここでいい。」

カイン様は嬉しそうに帰って行った。

結局、期限はごまかされた感じがするけれど、感想を伝えるだけなら私にも出来そうで安心した。

手渡された小瓶を見つめる。
青い半透明な綺麗な瓶だった。
眺めるだけで嬉しい気分になる。

さっそく手のひらに、中身を出してみた。

透明な液体がでてきて、ほんのりいい香りがした。顔に塗ってみると、乾燥した肌に吸い付いていくようで、とても気持ちがよかった。

ほんの少し、幸せを感じた。





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