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第一部
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しおりを挟む私は勢いよく玄関を飛び出した。
思い立ったらすぐに行動したかった。
とりあえず石を集めてきた。
前回の失敗を振り返り、考察してみる。
罠の回避は成功していた。
だけど、その後に矢が飛んできて、
後ろから…
周囲に対する警戒が足りなかったのだと思う。
矢を避けることは無理だと思う。
今はただでさえ体力もないし、瞬発力もない。
頭と心臓に当たらなければ、例え多少怪我をしても、逃げ切れるのではないだろうか。
やるしかない。待っていても誰も助けには来ない。
あんなに待ち望んでいたマリア嬢も来る気配すらない。
私が前世の記憶を思い出したり、カイン様と知り合った事で、少しづつゲームの展開が歪んできているのかもしれない。
多少の痛みは我慢できる、と思う。
悠長なことは言っていられない。
護身術は知らないけど、後ろから捕まったら、相手の足を思い切り踏んで、とにかく暴れよう。
前回は心構えがなかったから恐怖しかなかった。
今度は、大丈夫。
カイン様は、騎士団に勤められている。
門からこちらの方向に進まれていた。
この先に行けばきっと、
誰かいるかもしれない。
誰かに声をかけて、騎士団の場所を聞く。
押しかけてご迷惑かもしれないけど、
治安を守るお仕事と言われていたし、
そこまで行けば保護して…
あっ!
でも、私、何故か軟禁されてるんだった。
見つかれば保護どころか、捕まるかもしれない。
カイン様なら信用できると思う。
事情を話せば…。
ううん、事情を話せばカイン様を巻き込むことになる。カイン様にご迷惑がかかるのは避けたい。
軟禁の部分は伏せておこう。
連れ戻される心配のないくらいに、どこか遠くで、住み込みで働けないかを相談してみよう。
その前に何か食べる物も、恥を捨ててお願いしよう。
まずは騎士団の場所を確認して、知り合いのカイン様を探しているということにしよう。
カイン様、お忙しくて来れないだけだよね。どうかご無事でありますように。
私は頭の中を整理して、意を決して門から出た。
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