なぜか軟禁されてました〜脇役はどうしたらいいですか〜

涙乃(るの)

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第一部

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石を投げながら罠を避け、順調に進んでいた。

『そろそろかな』

罠が仕掛けられていない所まで辿り着いた。

そっと一歩踏み出した。

『…』

慎重に歩を進めて行った。

姿勢を引くくして、頭を下げて、心臓部に手を当てて身構えていた。



『?』

痛みに備えて、身体中が極度の緊張状態だった。動かない方が良いのか、動くべきか悩んでいた。この一瞬の迷いが命取りになるかもしれない。けれど、予想していた矢は飛んで来なかった。

ほっとして、ふらつきながらも、少しでも早く進もうと小走りになっていた。


ここから先は、進んだことがない所。

草をかき分けて急いで進んだ。

『はぁ、はぁ』

どれくらい進んだのか、分からない。

空腹のせいか、息切れも激しくなってきた。

何故か手足の感覚がなくなってきた。

足を踏み出しているつもりなのに、

地面に触れた感覚がなかった。


足がもつれて地面に倒れそうになった。
手をつきたいのに、感覚がなくて手に力が入らなかった。

このままだと地面に激突してしまう。

『うっ』

咄嗟に目は閉じたものの、転倒して地面にうつ伏せに倒れてしまった。

頭がグラグラしてきた。

『カイン様』


視界がぼやけてきてしまい、立ち上がりたくても、手足に力も入らなくて、そのまま意識を失ってしまった。


ーコンコンー


ノックの音が聞こえる。


私、どうしたんだろう。
脱出して、走っていたら転倒したことまでは覚えているのだけど。


重い瞼を持ち上げた。

見慣れない天井が見えた。

『ここは…?』


「あ、気がついた?気分はどう?
ビックリしたよ~まさかあんな所に人が倒れてるなんて~。お嬢さんあそこは立ち入り禁止なの知らないっすか?」

『…』
無意識に呟いた言葉に返事をしてくれる方がいた。
声のする方向に顔を向けてみる。

そこには、軍服のようなものを着た若い男性がいた。前世でプレイしたゲームに出てくる騎士団の人みたい。


まさか…騎士団の方?

「あ~毒が抜け切るまではしばらくかかると思いますよ。あ、俺はキース。まだ新米だけど騎士団に所属してます。あんまり、敬語慣れなくて…お嬢さん、同じくらいにみえるしタメでもいいっすか?あ、もちろんお嬢さんも敬語はなしでいいっすよ」

なんだかかわいい。弟がいたらこういう感じなのかな。

でも見た目に騙されてはだめ。
警戒しないと。
名前ぐらいは、名乗っても大丈夫だろうか。

『助けてくれてありがとうございました。
私は、リィーンです。』

「リィーン。リィーンはあんな所で何してたの?」

『ち、ちょっと…道に迷って…』

「道に…?ふ~ん、あ、もしかしてリィーンってものすごい方向音痴とか?たまにいるよね~そういう人。
まぁ見つけるのが遅くならなくて良かったよ。あの辺りは毒草が茂ってるから、手足の麻痺を放っておくと体中に回って…」

『毒……?』

「あ、ごめん怖がらせて。
でも解毒剤を飲ませたから大丈夫だから、安心して。ここに備蓄してあるし。
ここは先輩の小屋なんだけどね~。最近見かけないからここかなと思ったんだけど…
あ、ごめんこっちの話」

私は起き上がろうと思ったけれど、力が入らなかった。

「あ、まだ動かない方がいい。さっき薬飲んだばかりだから、効くまでもう少しかかるよ。もう少ししたら多少は動けるようになるから。洗面所などあそこだから、もうしばらくしてから行くといいよ。」

私はキースの言う通り、大人しく寝ることにした。









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