なぜか軟禁されてました〜脇役はどうしたらいいですか〜

涙乃(るの)

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第一部

23

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ーバチバチッー

火の爆ぜる音がする。

夜は寒いからとキースが暖炉に火を入れてくれた。

この小屋には、2つ部屋があるようで、
ベッドはこの部屋にしかないみたい。
キースは隣の部屋の椅子で休むと言っていた。


この小屋は、騎士団の所有物らしい。普段は、キースの先輩が使っているそうだ。
キースは、その先輩と連絡が取れなくなって、捜しているそうだ。

人嫌いの先輩だから、キースは最初はただ避けてられているのかと思っていたそうだ。
でも、そろそろ1ヶ月経つし、連絡事項もある為に捜しているのだそうだ。



キースの先輩。

先輩、というからには年上の男性。

キース1人なら、なんとかごまかせそうな気がする。
でも、もしもその先輩が帰ってきて、詮索されて、尋問されたりしたら…怪しまれるかもしれない。


キースはカイン様のことを、知っているだろうか。

考えていると、睡魔が襲ってきた。

今日は色々なことがあり、本当に疲れてしまった。

また明日考えよう。
私は、そのまま深い眠りについた。


『んんー』

ものすごく、よく寝た気がする。

手足の感覚は、まだ少し違和感がある。

それでも、昨日よりは動けるようになったと思う。充分に睡眠もとったし、頭もスッキリしている。


私は起き上がると、ゆっくりと歩いて、洗面所で顔を洗った。洗顔した後、またベッドまで戻り、ゆっくりと腰をおろした。

ーコンコンー

ちょうどそこへキースが訪れた。

「リィーン。入るね」

『おはよう。キース』

キースは薬などを持ってきてくれたようだった。


「おはようリィーン。このパンしかなくてごめん。はい、今朝の解毒剤も。」

『キース、ありがとう』

解毒剤とパンを受け取った。

「俺は、先輩を捜しにちょっと出かけるけど、夕方までには戻るから。リィーンそれまで1人で大丈夫?」

『うん。だいぶ体も動くし、平気』

「そっか。この辺りは誰も来ないと思うけど、俺が外へ出たら鍵はかけてね。」


『うん。大丈夫だよ。
先輩見つかるといいね。』

「だね~。この辺りにいると思うんだけどね~。」

昨日と同じくキースと一緒にパンを食べた。誰かと一緒に食べるとこんなにも美味しく感じるものなのね。
カイン様に続いてキースにもお世話になってばかりだ。

キースは、パンを食べ終えると早速出かけるようだった。

キースの見送りをしようと、一緒に扉へと向かうことにした。

『キース、気をつけて』

私は扉の所で、出かけるキースを見送る。

「あ、なんか照れるっすね。こんなの。」

『え?』

「いや、俺、女の子にこんな風に見送られるの憧れてて。行ってくるっす。」

キースは少し照れているようだった。

『ふふ』

私はそんなキースを見て、思わず笑いがこぼれた。

ードサッー

離れた所から、何かが落ちたような音がした。



私達は、同時に音のした方向を向いた。

そこには、顔はよく見えないけれど、キースと同じ制服姿の方がいた。

「あ、先輩!ちょ、俺めちゃくちゃ捜したんすよ。どこにいたんです?」

キースが話しかけながら、近づいて行こうとすると、なぜか男性は走り去ったようだった。

「あ、先輩!ちょっと!」

「リィーンごめん。ちょっと行ってくる。鍵は閉めててね」

『あ、うん行ってらっしゃい』

走り去るキースを見送った。

距離のせいで、先輩の顔はよく見えなかった。





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