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「旦那様、エリー様をお連れしました。」
「なっ」
旦那様の返事を待たずにマクスは扉を開ける。
大丈夫。大丈夫。ドクドクと高鳴る鼓動を必死に宥めて入室する。
非道な扱いを受けたことは許せない。
でも怖い
恐怖と怒りと混在する感情で
泣きそうになりながらも、
旦那様と対峙する
勿論挨拶などはせずに。
「マクス、どういうことだ?書類含めて全て渡したはずだが。そうか、金銭か。
足りなかったようだな、いくらだ希望は」
黙っていたならば、旦那様は…
その容姿を見た女性を全て虜にしてしまうのではないかともいえる美貌の持ち主
性格や行動はありえないけれど
「お、お金なんていりません!!
ご自分がされたことをなんとも思っていないのですか
もう、このようなひどいことを、他の誰にもしないでください!」
少しでも罪の重さを感じていたならば
呪いのせいで自分の意思とは関係ない様子だったなら
少しは…
けれども旦那様からは罪悪感など微塵も感じられなかった
ありえない…
私は震えそうになる声で、必死に訴えを続ける
「なんだと?
お前に俺の苦しみが分かるか、突然襲ってくる苦痛、ずっと眠れないこの苦しみが」
「だからと言ってこんなことが許されるはずありません!」
「うるさい!全てはあいつが悪いんだ」
「…メリッサ様のことでしょうか?」
旦那様は一瞬驚きの表情を浮かべるとマクスを一瞥した
「あぁ、」
「メリッサ様は…いったい旦那様になんとおっしゃったのですか?
どうかもうあのようなことはおやめください。
先程も女性を見かけましたが…
」
私が話し終える前にマクスが旦那様に詰め寄った
「旦那様!今度はどなたを攫ってきたのですか」
「は?誰も連れてきていない。
100番目の効果で呪いが解けるのを待ってる」
「旦那様!エリー様の前でよくもそんな酷い言動を!はて?ではいったい」
「え……でも…私、女性を見かけました」
先程もこの部屋に来る時、庭とそう、隣りの部屋付近でも」
「もしかして!君は視えるのだな?」
旦那様が近づいて問いかけてくるので、咄嗟に後退りながら答える。
「え?そんな…もしかして…ゆ、幽霊とかおっしゃるのですか?
そんな、私には…
メ…メリッサ様のお墓はお庭に?」
私はふと気になったことを尋ねる
「いや、墓はない。メリッサは…
正確には姿を消したのだ」
「え?どういうことでしょうか」
マクスは自害したと言っていたけれど
「私の前でいなくなった。消滅するように、呪いの言葉をかけて。
それ以来ずっと苦しんでる。
何度も王城に出向いたが、メリッサの
ことには関与しない、自害したも同然だと言われた。」
旦那様は突然私の両肩を掴み勢いよく揺すりながら叫び出した
「そうか、君には視えるのだな!
メリッサに頼む、呪いを解くように言ってくれ!」
一バコーンッ!一
清々しいほどに盛大な音が響き渡った
「旦那様、エリー様に乱暴はお止めください!」
「痛っ!マクス、お前何をする!クビにするぞ」
あろうことか、マクスは履いていた室内履きを手にとり、旦那様に一撃をお見舞いしていた。
涼しい顔をして、室内履きを履きなおしている
「私をクビになっさったら、この邸に使用人は誰もいなくなりますよ。
それに私もメリッサ様のことについて初耳ですが。
旦那様はご自分の都合のいいように捻じ曲げて考えておられるご様子…
さすがに私も、もう愛想がつきました
先代方に顔むけ出来ません…」
「うるさいわっ、まぁいい、とにかく隣りの部屋にもしかしたらメリッサがいるかもしれない。一緒に行くぞ」
マクスは旦那様の後には続かずに私へと声をかける
「エリー様、どうなさいますか?」
「マクス、お前、主人の命令が聞けないのか?」
「主とおっしゃるらば、少しは行動を改めて下さい!
エリー様どうされます?」
マクスは旦那様には強い口調だけれど、私に対しては優しく尋ねてくれる。
きっと無理に協力する必要はないと思ってくれているのね。
でも…
「わ、か、りました。一緒に行きましょう、マクス」
「かしこまりました。エリー様」
「おい、お前ら、何だかおかしくないか主は私だぞ」
ブツブツ言う旦那様のことは気にせず、私達は隣の部屋へと向かった
「なっ」
旦那様の返事を待たずにマクスは扉を開ける。
大丈夫。大丈夫。ドクドクと高鳴る鼓動を必死に宥めて入室する。
非道な扱いを受けたことは許せない。
でも怖い
恐怖と怒りと混在する感情で
泣きそうになりながらも、
旦那様と対峙する
勿論挨拶などはせずに。
「マクス、どういうことだ?書類含めて全て渡したはずだが。そうか、金銭か。
足りなかったようだな、いくらだ希望は」
黙っていたならば、旦那様は…
その容姿を見た女性を全て虜にしてしまうのではないかともいえる美貌の持ち主
性格や行動はありえないけれど
「お、お金なんていりません!!
ご自分がされたことをなんとも思っていないのですか
もう、このようなひどいことを、他の誰にもしないでください!」
少しでも罪の重さを感じていたならば
呪いのせいで自分の意思とは関係ない様子だったなら
少しは…
けれども旦那様からは罪悪感など微塵も感じられなかった
ありえない…
私は震えそうになる声で、必死に訴えを続ける
「なんだと?
お前に俺の苦しみが分かるか、突然襲ってくる苦痛、ずっと眠れないこの苦しみが」
「だからと言ってこんなことが許されるはずありません!」
「うるさい!全てはあいつが悪いんだ」
「…メリッサ様のことでしょうか?」
旦那様は一瞬驚きの表情を浮かべるとマクスを一瞥した
「あぁ、」
「メリッサ様は…いったい旦那様になんとおっしゃったのですか?
どうかもうあのようなことはおやめください。
先程も女性を見かけましたが…
」
私が話し終える前にマクスが旦那様に詰め寄った
「旦那様!今度はどなたを攫ってきたのですか」
「は?誰も連れてきていない。
100番目の効果で呪いが解けるのを待ってる」
「旦那様!エリー様の前でよくもそんな酷い言動を!はて?ではいったい」
「え……でも…私、女性を見かけました」
先程もこの部屋に来る時、庭とそう、隣りの部屋付近でも」
「もしかして!君は視えるのだな?」
旦那様が近づいて問いかけてくるので、咄嗟に後退りながら答える。
「え?そんな…もしかして…ゆ、幽霊とかおっしゃるのですか?
そんな、私には…
メ…メリッサ様のお墓はお庭に?」
私はふと気になったことを尋ねる
「いや、墓はない。メリッサは…
正確には姿を消したのだ」
「え?どういうことでしょうか」
マクスは自害したと言っていたけれど
「私の前でいなくなった。消滅するように、呪いの言葉をかけて。
それ以来ずっと苦しんでる。
何度も王城に出向いたが、メリッサの
ことには関与しない、自害したも同然だと言われた。」
旦那様は突然私の両肩を掴み勢いよく揺すりながら叫び出した
「そうか、君には視えるのだな!
メリッサに頼む、呪いを解くように言ってくれ!」
一バコーンッ!一
清々しいほどに盛大な音が響き渡った
「旦那様、エリー様に乱暴はお止めください!」
「痛っ!マクス、お前何をする!クビにするぞ」
あろうことか、マクスは履いていた室内履きを手にとり、旦那様に一撃をお見舞いしていた。
涼しい顔をして、室内履きを履きなおしている
「私をクビになっさったら、この邸に使用人は誰もいなくなりますよ。
それに私もメリッサ様のことについて初耳ですが。
旦那様はご自分の都合のいいように捻じ曲げて考えておられるご様子…
さすがに私も、もう愛想がつきました
先代方に顔むけ出来ません…」
「うるさいわっ、まぁいい、とにかく隣りの部屋にもしかしたらメリッサがいるかもしれない。一緒に行くぞ」
マクスは旦那様の後には続かずに私へと声をかける
「エリー様、どうなさいますか?」
「マクス、お前、主人の命令が聞けないのか?」
「主とおっしゃるらば、少しは行動を改めて下さい!
エリー様どうされます?」
マクスは旦那様には強い口調だけれど、私に対しては優しく尋ねてくれる。
きっと無理に協力する必要はないと思ってくれているのね。
でも…
「わ、か、りました。一緒に行きましょう、マクス」
「かしこまりました。エリー様」
「おい、お前ら、何だかおかしくないか主は私だぞ」
ブツブツ言う旦那様のことは気にせず、私達は隣の部屋へと向かった
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