2 / 11
【出会い】6歳
第2話
しおりを挟む
「以上が世界創成期の主な内容となります。」
周りの10名ぐらいの子供たちが期待を持って
光り輝く羨望の眼差しで神父様を見ている。
次の話に期待しているのだろうか?
僕はこういう話は苦手だ・・・
どちらかというならこんな小難しい話より、
楽しい遊びを教えてくれた方がよっぽど嬉しい。
「この事件は精霊戦争と伝えられ
現代ではある程度の全体像の把握は済んでおりますが
まだまだ詳細な内容は謎に包まれ、今でも王国の考古学者達が日々解析に勤しんでいます。」
考古学者諸君・・・これからも頑張ってくれたまえ
僕では力になれなさそうだ。
もうすぐ太陽が天の球と重なろうとしている。
お昼が近くなり、興味の無い話が僕を夢の世界へ誘ってくる。
「明日は精霊について少しお話しますが、
これより更に詳しい事は、もっと皆が大きくなって
正式に学園に通うようになってからの内容になりますので
今の話の流れを忘れずにいてくださいね?」
まだ・・・あるのか・・・
いつにも増して退屈な授業が僕の意識を刈り取ろうとしてくる。
なんて恐ろしい精神攻撃なんだ、
闇魔法も真っ青だよ
補足の様な説明を神父様が言っているが正直頭に入らない。
もうここまでの様だ。
甘んじて教会清掃の刑を受けよう・・・
猛烈な睡魔に負けまさに机に突っ伏そうとしたとき、
「それでは今日はここまでです。
皆はおうちのお手伝いを頑張ってね?」
終わったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
今日は無事に試練を乗り越えることが出来た。
流石に昨日、教会清掃の刑を受けたばかりにもう一度は辛かった。
僕と同じ思いだった子がほとんどだったのか、
皆元気良く教会から駆け出していった。
ここ ディウ村は王国から遠く離れた村の一つである。
昔は近辺に3つ程、他に村があったが、人口減少等により合併していき
村名は中心にあった村の名前をそのまま引っ張ってきた。
おかげでこの地方の数ある村の中では比較的、村民は住んでいる方であった。
この物語の主人公、ユウト・クラウィデアはそんな辺境地に住む子供の一人だ。
彼の父は過去に武勲を立て続け、一代で辺境伯まで上った猛者であった。
そんな彼の領地強化の施策に”子学大謹”という制度がある。
単純に”子供は学び、大人は勤労を行え”といったものだが、
自身の領地拡大と民からの税金の活用によって行えた施策ではあるが
これが覿面し、王国中に広がって貴族たちの無駄な出費を減らしたというのは
余談である。
「ただいま~」
これまでの鬱憤を晴らすかのように、溌剌とした声で住居にしては
やけに立派な自宅で叫んだ。
奥からメイドのメイが飛んできて身支度を整え、自身の主の息子に出迎えの言葉を掛けた。
かすかに鼻腔をくすぐる良い香りがする。
昼食だろうか?
今日の昼食はなんだろうな~
香りからある程度の推察はできるが、それでもまだ目に見ぬ
自分の昼食に期待を膨らませながら屋敷に入っていった。
そういえば今日は父上と母上が帰ってくる日か・・・
ユウトの両親は一か月程前から領地拡大目的での周辺地区偵察という名のデートを
敢行していた。
二人ともが国という箱の中においてはかなりの実力者という事と
年に何回かは行っている一種の行事という事で
領民のほとんどは心配などしては居なかったが
一部の有力者にはやはり杞憂事項の一つであった。
まぁずっと籠もりきりで
散歩したい気持ちは分からんでもないけどなぁ
昼食を食べながらふとそんな事を口に出してみるが
内心はやはり両親の帰宅に少なからず心を弾ませていた。
午後は家が雇った講師とともに毎日の剣術の修行をこなしていたが
両親が今日帰ってくるという事でいつもより早めに終了した。
少し嬉しかったのはここだけの話・・・
夜の帳が降り始めた頃
従者達とともに帰宅を待っていたユウトの耳に
せっせと駆けてくる馬の足音が入ってきた。
音が大きくなるにつれ、ユウトの表情が周囲の景色に反するように明るくなり
年相応の顔色が惜しげもなく周囲に披露され、
周りも釣られてか歓声が上がり始めた。
「今戻った!」
自身が乗っていた馬車を降り
清々しくも重みを帯びた声色で
自身を待ち望んでいた者達に向かって放たれた一言は、
周囲を一旦静寂に誘ったが、またすぐに喧噪を極めていき
集団に向かって歩く様はまさに威風堂々であった。
集団の先頭にてユウトの姿を見つけた先程の発言者
父 レブアディーオは自身の子に近寄ると頭を乱雑に撫で
自身の懐に抱きよせるとそのまま自宅という名の屋敷まで、笑みを帯びたまま
歩を進めたのだった。
その後ろ姿をレブアディーオの伴侶は馬車から含み笑いを伴って
見守っていた。
その夜は件の屋敷からはさぞ豪快で朗らかな
笑いが聞こえたそうな。
周りの10名ぐらいの子供たちが期待を持って
光り輝く羨望の眼差しで神父様を見ている。
次の話に期待しているのだろうか?
僕はこういう話は苦手だ・・・
どちらかというならこんな小難しい話より、
楽しい遊びを教えてくれた方がよっぽど嬉しい。
「この事件は精霊戦争と伝えられ
現代ではある程度の全体像の把握は済んでおりますが
まだまだ詳細な内容は謎に包まれ、今でも王国の考古学者達が日々解析に勤しんでいます。」
考古学者諸君・・・これからも頑張ってくれたまえ
僕では力になれなさそうだ。
もうすぐ太陽が天の球と重なろうとしている。
お昼が近くなり、興味の無い話が僕を夢の世界へ誘ってくる。
「明日は精霊について少しお話しますが、
これより更に詳しい事は、もっと皆が大きくなって
正式に学園に通うようになってからの内容になりますので
今の話の流れを忘れずにいてくださいね?」
まだ・・・あるのか・・・
いつにも増して退屈な授業が僕の意識を刈り取ろうとしてくる。
なんて恐ろしい精神攻撃なんだ、
闇魔法も真っ青だよ
補足の様な説明を神父様が言っているが正直頭に入らない。
もうここまでの様だ。
甘んじて教会清掃の刑を受けよう・・・
猛烈な睡魔に負けまさに机に突っ伏そうとしたとき、
「それでは今日はここまでです。
皆はおうちのお手伝いを頑張ってね?」
終わったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
今日は無事に試練を乗り越えることが出来た。
流石に昨日、教会清掃の刑を受けたばかりにもう一度は辛かった。
僕と同じ思いだった子がほとんどだったのか、
皆元気良く教会から駆け出していった。
ここ ディウ村は王国から遠く離れた村の一つである。
昔は近辺に3つ程、他に村があったが、人口減少等により合併していき
村名は中心にあった村の名前をそのまま引っ張ってきた。
おかげでこの地方の数ある村の中では比較的、村民は住んでいる方であった。
この物語の主人公、ユウト・クラウィデアはそんな辺境地に住む子供の一人だ。
彼の父は過去に武勲を立て続け、一代で辺境伯まで上った猛者であった。
そんな彼の領地強化の施策に”子学大謹”という制度がある。
単純に”子供は学び、大人は勤労を行え”といったものだが、
自身の領地拡大と民からの税金の活用によって行えた施策ではあるが
これが覿面し、王国中に広がって貴族たちの無駄な出費を減らしたというのは
余談である。
「ただいま~」
これまでの鬱憤を晴らすかのように、溌剌とした声で住居にしては
やけに立派な自宅で叫んだ。
奥からメイドのメイが飛んできて身支度を整え、自身の主の息子に出迎えの言葉を掛けた。
かすかに鼻腔をくすぐる良い香りがする。
昼食だろうか?
今日の昼食はなんだろうな~
香りからある程度の推察はできるが、それでもまだ目に見ぬ
自分の昼食に期待を膨らませながら屋敷に入っていった。
そういえば今日は父上と母上が帰ってくる日か・・・
ユウトの両親は一か月程前から領地拡大目的での周辺地区偵察という名のデートを
敢行していた。
二人ともが国という箱の中においてはかなりの実力者という事と
年に何回かは行っている一種の行事という事で
領民のほとんどは心配などしては居なかったが
一部の有力者にはやはり杞憂事項の一つであった。
まぁずっと籠もりきりで
散歩したい気持ちは分からんでもないけどなぁ
昼食を食べながらふとそんな事を口に出してみるが
内心はやはり両親の帰宅に少なからず心を弾ませていた。
午後は家が雇った講師とともに毎日の剣術の修行をこなしていたが
両親が今日帰ってくるという事でいつもより早めに終了した。
少し嬉しかったのはここだけの話・・・
夜の帳が降り始めた頃
従者達とともに帰宅を待っていたユウトの耳に
せっせと駆けてくる馬の足音が入ってきた。
音が大きくなるにつれ、ユウトの表情が周囲の景色に反するように明るくなり
年相応の顔色が惜しげもなく周囲に披露され、
周りも釣られてか歓声が上がり始めた。
「今戻った!」
自身が乗っていた馬車を降り
清々しくも重みを帯びた声色で
自身を待ち望んでいた者達に向かって放たれた一言は、
周囲を一旦静寂に誘ったが、またすぐに喧噪を極めていき
集団に向かって歩く様はまさに威風堂々であった。
集団の先頭にてユウトの姿を見つけた先程の発言者
父 レブアディーオは自身の子に近寄ると頭を乱雑に撫で
自身の懐に抱きよせるとそのまま自宅という名の屋敷まで、笑みを帯びたまま
歩を進めたのだった。
その後ろ姿をレブアディーオの伴侶は馬車から含み笑いを伴って
見守っていた。
その夜は件の屋敷からはさぞ豪快で朗らかな
笑いが聞こえたそうな。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
スーパーのビニール袋で竜を保護した
チー牛Y
ファンタジー
竜は、災害指定生物。
見つけ次第、討伐――のはずだった。
だが俺の前に現れたのは、
震える子竜と、役立たず扱いされたスキル――
「スーパーのビニール袋」。
剣でも炎でもない。
シャカシャカ鳴る、ただの袋。
なのにその袋は、なぜか竜を落ち着かせる。
討伐か、保護か。
世界の常識と、ひとりの男の常識が衝突する。
これは――
ビニール袋から始まる、異世界保護ファンタジー。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる