【声劇台本】隻腕のゴール

でんでろ3

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女騎士カメリィ

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ゴール:カメリィ……、なのか?

カメリィ:そうだ。

ゴール:見違えたな。

カメリィ:王属軍、炎の軍勢、第三士官になった。

ゴール:それは、おめでとう。

カメリィ:余計なお世話だ。

ゴール:その第三士官様が、おトモの一人も連れずに、こんなところで、何をしている?

カメリィ:おまえを、とらえに来た。

ゴール:ほぅ?

カメリィ:まぁ、その前に……、そちらのお嬢さん。

スタート:はい?

カメリィ:少し、昔話など、いかがかな?

スタート:昔話……、ですか?

カメリィ:そう、そこのバカが、まだ、左腕があって、あなたくらい若くて、お城にツカえていた頃の話よ。

ト書き:間を開ける。

キャリーヌ:ゴール様ぁ、わたくし、キスカルの宝玉ホウギョクを手に入れましたの。

ゴール:あんまり、興味ねぇなぁ。

キャリーヌ:そうおっしゃらずに、ご覧になってみませんか?

ゴール:おい、カメリィ。なんか、珍しいもんが見られるらしいから、一緒に行こうぜ。

カメリィ:え?

キャリーヌ:その女も?

ゴール:構わないだろ?

キャリーヌ:え? ええ。もちろん。

カメリィ:ちょっと、ゴール。私は……。

ゴール:来い。

ト書き:間を開ける。

キャリーヌ:ほぅら、ゴール様、美しいでしょう?

ゴール:ああ、そうなんじゃねーの?

キャリーヌ:本当に、興味ないんですのね。ところで、その女の噂は、耳にしました?

ゴール:カメリィの?

カメリィ:キャリーヌ!

キャリーヌ:そう、カメリィが敵国に情報を流しているという……。

ゴール:興味ねーな。

キャリーヌ:興味ない?

ゴール:ああ、どうせ、嘘だから。

カメリィ:ゴール……。

キャリーヌ:なぜ、噓だと?

ゴール:さぁ? 噓の臭いがする。

キャリーヌ:……あなたという人は、本当に食えぬ男ですね……。

カメリィ:キャリーヌ?

キャリーヌ:皆が私のかわいさになびいた。皆が私の美しさにひざまずいた。

カメリィ:キャリーヌ? どうしたの?

キャリーヌ:金を積んでも、財宝を見せても、振り向かない。

カメリィ:キャリーヌ? キャリーヌ?

キャリーヌ:そして、私より、その女を信じると言う!

カメリィ:キャリ……ーヌ?

キャリーヌ:おまえは、なんなんだぁっ!

カメリィ:キャリーヌ? なんなの? その姿は?

ゴール:なにを、怒っているのかは、知らんが、答えは簡単だ。……俺は、おまえに、クソほど興味がない。

キャリーヌ:おまえを、こ・ろ・す!

カメリィ:ば、化け物?

キャリーヌ:化け物と呼ぶなぁっ!

ゴール:あーあ、おっかねーなぁ。

カメリィ:ゴール、分からないの? こいつ、いままで戦ったどんな魔物よりも、はるかに強い……。

ゴール:俺が、そんなことも、分からねぇほど、弱いと思ってんのか? 全身の毛穴がピリついて、冷や汗が止まらねぇ。

カメリィ:だったら……。

ゴール:だがな……。俺はこいつが、気に食わねぇ! だから、ぶっ飛ばす!

カメリィ:それじゃ、ただのバカでしょう!

ト書き:間を開ける。

カメリィ:そして、ゴールとキャリーヌの戦いは三日三晩続き、敷地内の城が一つ崩れ去って終わった。

スタート:はぁ。

カメリィ:ご感想は?

スタート:ゴールさんって、昔から、そういう人だったんですねぇ。

ゴール:で、おまえは、昔話をしに来たんだっけか?

カメリィ:いや、おまえを、とらえに来たんだが、もう一つ、伝えたいことがある。

ゴール:なんだ?

カメリィ:好きだ!

ゴール:トートツだな? おい。

カメリィ:おまえにとっては、唐突なんだろうが、私にとっては、長年の想いなのだ。

ゴール:今は、俺とおまえは、敵なんだ。「好きだ!」と叫ぶくらいなら、いっそ、死んでみたらどうだ?

カメリィ:望むところだ!

ゴール:かかって来い!

カメリィ:いやぁぁぁっ!

ゴール:おらぁっ!

カメリィ:剣を抜けぇっ!

ゴール:俺は、素手の方が、得意なんだよっ!

カメリィ:貴様ぁっ!

ゴール:おらぁっ!

カメリィ:いやぁぁぁっ!

スタート:やめてぇぇぇぇぇっ!

ト書き:間を開ける。

ゴール:スタートっ! スタートっ! バカっ! どうして、割って入ってきた?

カメリィ:わ、わた……、私の……、剣が……。

ゴール:冥府メイフの王と天国の神っ! 時間の逆賊ギャクゾクと運命の禁忌キンキっ!

カメリィ:ゴール! いけないっ! その呪文を使ったら、あなたの命も……!

ゴール:構わないっ! 天寿テンジュ命脈メイミャクと生命の息吹イブキっ! かのものをヨミガエらせたまえっ!

ト書き:間を開ける。

ゴール:はぁっ。はぁっ。……スタート、どうして、あんなことを、したんだ?

スタート:……だって、そんなの悲しすぎるじゃないですか。

ゴール:はぁっ。はぁっ。……どうした? カメリィ? 今なら、俺をとらえることも、殺すことも、たやすいぞ……。

カメリィ:……今は、そのが、何よりも、大切なんだね。それが、どんな言葉よりも、つらいよ。

スタート:……カメリィ……さん……は?

ゴール:行っちまった。

スタート:……そう……ですか。

ゴール:はぁっ。はぁっ。はぁっ。

スタート:……ゴール……さん。

ゴール:なんだ?

スタート:……もう……二度と……こんな……無茶は……しないで……下さいね。

ゴール:それは、こっちのセリフだ。バカ。
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