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17話 魔王、遂に王宮に入る!
しおりを挟むシュベルらは正面門の陰に張り付いた。
アカが中の様子を見た。
「あっ!」
とアカは小声で言い、シュベルに言った。
「ヨースケ様、魔獣です。デカいやつが
ウジャウジャいます。
トロール、オーガ―が十数体。
ギガースが5~6体います」
「ハッ!正面は巨人族でお出迎えかよ、
大した歓迎ぶりだな」
そういうとシュベルは
3人に向かい、言った。
「今からみんなに支援魔法を付与する。
全員、手を繋 いでくれ」
4人は輪になり、手を繋いだ。
流石に、パメラも照れることはなかった。
シュベルは魔力を解放した。
(身体強化・プロテクト・魔法防御・
攻撃回避・スピードマックス・
フライ・広角視野)
考えられる全ての強化魔法を3人に
付与した。
4人の回りが薄い紫の光に包まれた。
「よし。終わったぞ。どうだ?」
「体がメチャ軽いぞ!ヨースケ!」
「力が漲ります」
とアカが言う
「周囲も良く見えます」
リリアは初めての広角に驚いた
ようだった。
「よし、強行突破だ!王宮まで突っ切るぞ!」
「行こうッ!!」
4人は真っすぐ走り出した。
「うぉおおおおおおお!!!!!」
ビッシューン!!!
リリアが早い!!電光石火とはこのことだ
ガッシューンッ!!!ドシャッ!!
手始めにトロールを数体、刻んだ
「ウォオオリャァーーーーッ!!」
アカが空中から、ギガースの脳天に向け
槍を真っすぐに突き刺す!!
「うぉおおお!!!」
パメラが数本の弓を同時に放つ、
それがさらに数十本となりオーガ―を
突き刺す!!
「テメーら動きが鈍いんだよっ!!」
ドゥンドゥンドゥーーーンッ!!
シュベルが続けざまに爆炎弾を
ギガースに打つ!
通りの横手から魔人兵が出てくる。
ガシュッズバッジャッキーンッ!!
リリアの剣の閃光が走る!!
「ウォオオリャァッッ!!」
アカが無双状態でトロールを
なぎ倒して行く
シュパーーーンッ!!ズドドーーーン!!
パメラの弓矢が大きな火柱となり、
ギガースのコメカミに命中する!
ドドドドッドーンッ!!!
後ろからやってきた魔人兵の集団を
シュベルが爆裂で吹っ飛ばす!
「王宮への道が開いたぞ!!!
ヨースケッ!!」
空中に上がっていた、パメラが
シュベルに言った
「あぁっ!!リリア―ー!!アカ――!!
抜けれるかーー!?」
シュベルはやや後方で魔人兵とトロールを
処理していた2人に叫んだ!
「ハイィイイッッ!!」
「行けますっ!!」
「早く王宮に入れ!!!
入ったらデカいのぶっ放す!!」
ビッシューンッ!!
間隙を突き、リリアが王宮入口に来た
アカは空中に上がった。
シュベルの横にいたパメラが援護しながら
叫んだ!
「ヨースケ!!!今だっ!!!」
「食らえ―――――――ッ!!!!!」
シュベルが焼夷砲爆裂弾を追ってくる
魔人兵と巨人達に打ち込んだ!
ズズズゴォオォオードゥーンッ!!!!
王宮前には火山口のような陥没ができた
魔人兵と巨人達は跡形もなく消えていた。
「よし、後ろから来られないように、
結界を張る」
シュベルは大きな陥没ごと結界を張った。
4人は王宮の中へと入った。
(これからはさっきみたいな
デカい魔法は使えねー・・建物が崩れたら
リリアとパメラが下敷きになる・・・)
シュベルは、ショートソードを抜いた。
アカが念話で話してきた。
「シュベル様、剣・・使えますか?」
「いや、使ったことねーー」
「大丈夫ですか?慣れてないのに?」
「ショートソードだ、なんとかなるだろ・・
それに、ここではデカい魔法は、
ぶっ放せねー。
リリアとパメラがいるからな」
「恐らくここにいるのは、かなりの
魔人兵ですよ」
「油断しねーよ。魔法と剣を使いながら行く」
「承知しました。気を付けてください」
念話を切った。
「パメラは上に上がって後方から援護してくれ
アカは前に、オレとリリアはアカの後ろの
両サイドだ。強ぇー奴が来るぞ。
なるべくバラけるな」
すると奥から、通常の2倍の大きさは
あろうかと思える魔人兵が4~50人現れた。
「来たな、精鋭部隊!!行くぞ!!」
「ォォオオオオ!!!リャァーー!!!」
パメラが分散矢でけん制した。
ビッシューンッ!!
リリアが最速で切り込む。アカは
槍を打ち込む。
シュベルは慣れないショートソードと、
黒炎砲弾で戦う。
しかし、精鋭部隊は剣で受け止め返す、
一人で3人の相手をするのが、精一杯だった。
リリアも一撃で倒すとまでは行かず、
数体倒すのに手こずっている。
戦いは乱戦の状態になってきた。
パメラは戦いの向こう側で、こちらに
向かってくる魔人兵達を弓で仕留めていった。
戦いが長引いた。
3人でなんとか27~8体を片づけ
パメラは10体ほど射止めた。
さらに激しい戦いが続き、
魔人兵が2~3体になった、その時。
上から援護していたパメラの背後に
魔人兵が近づいてきた。
パメラが異変を感じ振り向いたとき。
ブシュッ!!!
パメラの右腹から背中に、剣が突き抜けた。
「パ・・・・パメラァーーッ!!!!」
シュベルが気が付き、叫んだ!!
パメラは刺されながらも相手の頭を掴み、
ショートソードを抜き、魔人兵の首を切り裂いた。
そして、腹に刺さった剣を抜いた途端、意識を失った。
上からパメラがスローモーションのように下に
落ちていった。
「パメラさんッ!!!!」
リリアが叫んだ。
シュベルはパメラの下あたりで戦っていた、アカに
叫んだ!
「アカ―――ッ!!パメラを受け止めろ―っ!!」
アカも異常に気付いた。
戦っている相手に槍を突っ込み、
槍を手離してパメラの落下地点へと走った。
アカはなんとか滑り込んで
パメラを受け止めたが
その勢いで柱に右肩を強打した。
ゴキっ!!!
「ウグッ!!」
シュベルとリリアは残りの敵兵を
片づけて、パメラに駆け寄った。
息はあった。
「パメラ・・パメラッ!!起きろ!!」
「パメラさん・・パメラさん!!」
リリアが泣き出し、すぐに回復魔法
をかけた。
「アカ、お前は大丈夫か?」
「はい、肩をやったみたいですが、
なんとか・・」
「しゅ・・出血がひどいッ!!
回復でも止まりませんっ!!」
「パメラ!!パメラ!!起きろ!!」
パメラがうっすらと目を開けた。
「ヨ・・ヨースケ・・す・・すまない」
「そんなことどうでもいい!!
お前が死んじゃダメなんだ!
気をしっかり持て!」
「リ・・リリア・・」
「ハイっ」
リリアは涙で顔がグシャグシャになってた
「お・・お前は・・さいこ・うの相棒
だった・・」
「いやです!!いやです!!ぞんなごと
言わないでぐださいーーっ!!」
リリアは泣きながら回復魔法をかけ続けた。
「血を・・血を止めるぞ!!」
シュベルは傷口に向かって手をかざした。
「ど・・どうするんですか!?」
リリアが慌てた。
「魔法で傷口を焼くっ!血は止まるっ!」
といった。そして
「パメラ!ちょっと熱いが我慢しろ!」
シュベルは最小の力で慎重に傷口を焼いた。
「ウゥゥググググッ!」
「スマン、我慢してくれっ!」
ジュウゥウウと音がした。
出血は止まった。だが同時にヤケドも
負った。
(いかん!血は止まったけどこのままじゃ
パメラは死ぬ!どうする!!
どうすればいいっ!!
瞬間移動で逃げるか!)
と頭をよぎったとき、パメラがシュベルの
手を握った。
「リ・・リリアを頼む・・
リリア・・を・・勇者・・・・に・・」
というと、気を失った。
「パメラさん!!!いやっ!!
イヤァーーーッ!」
リリアが叫んだ。
「大丈夫だリリア、気を失ったんだ」
シュベルはパメラを抱きかかえ、
顔を見つめた。
(クソッ!またかよ!!
オレはなにやってんだ!
ここで逃げたら、パメラに顔向けできない。
何年もリリアに付き合ってきたんだ。
パメラの願いなんだ!)
なんとも言えない腹立たしさが
シュベルを襲った。
以前、瀕死の状態にしてしまった、
ミリアの事が頭をよぎった。
(ん?ミリア??そうだっ!!)
「おい、アカ、飛べるか?」
「は・・はい・・なんとか・・」
と言ったあと小声で
「リリア殿の前で飛べるなんて
言っていいんですか?」
「もう、いいんだ。アカ。
今はそれどころじゃない」
「飛べる・・・って??」
リリアが不思議そうな顔で
シュベルを見た。
「リリア、事情は後で話す。
今はパメラを救うことが最優先だ」
「は・・はい・・」
とリリアは涙でグシャグシャになった
顔を向けた。
「アカ、結界を解く。お前はパメラを乗せて
ニコレのとこに行くんだ!村だ!」
「え?で・・でも、そうなると二人に・・」
「大丈夫だ!オレがリリアを守る。
そしてガルドも倒す!信用しろ!」
そして続けた。
「お前は全速力で村に向かうんだ!
魔界竜になっているから、
以前の数倍の速度が出るはずだ!
パメラを絶対死なせるな!」
「承知しました!」
そうすると、アカはパメラを抱きかかえ、
王宮の出口へと向かっていった。
シュベルとリリアも一緒に向かった。
出口につくと、シュベルは結界を解いた。
王宮の外に出たアカは、魔界竜と変身した。
「り・・・竜・・!?」
リリアが驚いた。
魔界竜は、シュベルを振り向き
名残惜しい素振りを見せ、飛んでいった。
2人は後姿を見送っていた。
シュベルは再び結界を張った。
後続の敵が来る様子は無かった。
シュベルとリリアは近くの部屋にはいり、
自分たちの回復を行った。
2人とも無言だった。
一通りの事を終え、束の間の
休息になった。
次こそガルドとの戦いになるだろう。
とシュベルは思った。
リリアは指輪を触っていた。
シュベルが渡したステータスリングだった。
シュベルは意を決した。
「リリア・・・・」
「はい・・・」
「これから全てを話す。
オレの全てを聞いてくれるか?」
リリアはシュベルを見つめた。
そして泣きそうな顔で、コクンと頷いた。
シュベルの長い物語が語られた。
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