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20話 魔王、最後の別れ
しおりを挟むオレは目が覚めた。
木造で組まれた建物の中にいるようだった
起きようとしたが、体が重くて起きれない。
オレ・・どうしたんだっけ
ガルドを倒して・・青空があって・・
人の声が聞こえた
そこからオレの記憶はない。
突然誰かが入ってきた
「あぁーー!!起きてるーー!!」
その声は・・あ、ニコレだ!
ニコレがオレの顔を真上から見た。
「魔王、起きたね!ウフフ!良かった!」
「ニ・・ニコレ・・ここは?どこだ?」
「ん??村だよ?私の村!」
あーーダークエルフの村に運ばれたのかーー。
「ミリアがね、勇者と一緒に運んできたの!」
「え?リリアも?ここにいるのか?」
「うん!ニコレがね、ちゃんと足を治したよ?」
「そっかぁ、ありがとな。ニコレ」
ニコレはニコーッと笑って
「うん!」といった。
するとミリアが入ってきた
「シュ・・シュベル様!!お気づきになられましたか!」
「あぁ・・今な。ミリアが運んでくれたんだってな
サンキューな」
「そんな・・グズッ・・心配しました・・ウッゥウ」
「泣くなよー・・生きてんだからー」
オレは気になってたことを聞いた。
「レイグリッドや、ザリアス、リベラは?無事か?」
「はい!ケガはされましたけど、そこまでヒドクは無かったです」
「そっかぁー良かったー。間に合ったんだな・・」
「はい!魔人化も全て解放されました」
「そうかぁ・・で、オレは何日ぐらい寝てたんだ?」
「5日ぐらいですか・・」
「え??そんなに??」
「はい。お怪我もされてましたし・・」
「ニコレがね、ニコレが治したんだよ!」
ニコレがまた、ズズズイっと顔を出してきた。
「わ・・わかった・・。ありがとな。ニコレ」
「うん!」
ニコレはまたニコーッと笑った。
しかし、パメラによく似てるよなー・・・
はっ!!パメラだ!!
「お・・おい!ミリア!パメラは?パメラはどうした??」
というと・・
「我がどうしたって??」
とパメラが入ってきた。
後ろにリリアもいた。
パメラ!!リリアも!
「ヨースケさん!良かった!!グスッグスッ・・」
「リ・・リリアも泣くなよぉ、オレは生きてんだぜー?」
「でもでも・・じんばいじだんでずがらーー!!!」
わぁーーっとリリアが泣き出した。
おいおい・・何も全て濁点で言わなくても・・
つーか、ハーレム状態だな。ハハハ
これでオレが元気だったら、ヒャッハーとか
言えるのに・・
今はダメだ―しんどいわ。
「アカはどうした?アイツ、ケガしてたろ?」
「それもね!!ニコレがね!治したっ!!」
またニコレがズズズイっと顔を出してきた
「あ・・わっかったわかったー・・
ありがとな、ニコレ」
「うん!」
またニコレがニッコリ笑った
どうやら、こいつ褒めてほしいんだな。
なるほど。。。
「なぁ、ちょっとだけ起こしてくれ。わるい」
「は・・はい!」
ミリアとパメラが体を少し起こしてくれた
ちょっと起きると、回りが良く見えるな。
やっぱ。
「ミリア、レイグリッドらを呼んでくれ」
「はい。少々お待ちを」
ミリアが出ていった。
「私もいくーー」っとニコレも出て行った。
マジであの二人、仲がいいな。
俺は改めて、パメラに向き直った。
「パメラ」
「なんだ?」
「色々、騙していてすまなかった。
まだちゃんと謝ってなかったから」
パメラは呆れたように、フッと一息ついた。
「うん。アカから事情は聞いた。
しっかし、ヨースケもよくやるなぁ?
魔王のくせに勇者のパーティに入るなど
前代未聞だぞ!?ハッハハハ!」
「あ・・はぁ・・返す言葉もない・・」
そしてオレはリリアに言った
「リリアも・・トドメを刺すように
言ってたのに、す・・スマン・・」
リリアはニッコリとほほ笑んだ。
「私は・・ヨースケさんが無事なら、
それでいいんです。
あの状況じゃ、私は役に立てなかったですし
パメラさんも生きていてくれましたし
私にとっては、最高の結果です!」
「そういってくれると助かる」
「失礼します」
レイグリッドが入ってきた。
リベラとアカもいた。
「お・・おぅ。リリア、パメラ。
わりぃ、ちょっと外してもらっていいか?」
「はい」
「わかった」
2人が出て行った。
これから魔界の話をしないといけない。
関係ない二人に聞かせるわけにはいかない。
「シュベル様、お加減はいかがですか?」
「あぁ。レイグリッド、疲れてるけど大丈夫だ
ファデラではやられたな?」
俺はレイグリッドを見上げた。
「はい、見事に裏をかかれましたな。ハッハハ」
レイグリッドは、愉快そうに笑った。
「オレもまだまだってことかぁ・・」
溜息が出た。
「そんなことないですわよぉ・・シュベル様のお陰で
ここゴルガ大陸も無傷でしたし」
リベラが慰めるような事をいう。
「で、レイグリッド、今の状況は?」
「はい。異転先にはザリアス殿とアヤメと
クロを行かせました。
向うで指揮を執っています」
「じゃぁ、ここに残っているのは?」
「私達と、あとミリアです」
アカが応えた。
「おぉ、アカ!ケガは大丈夫そうだな?」
「お蔭さまで、大事に至りませんでした」
相変わらず、マジメな受け答え。。。
「よくパメラを無事運んでくれた。ありがとな」
「そんな・・シュベル様を置いて飛び立つのは
もう、ゴメンです。
あんな思いは、もう二度としたくありません!」
アカは気持ちのやり場がないように言った。
「そういうな。あれはあの時の最良の方法
だったんだから」
アカは相当、自分を責めてるな
アイツのせいじゃないのに
「じゃぁ、オレを含めて5人か」
「シュベル様の御体の加減を見て、
異転しようと思っています。
それまでは我々がシュベル様の
御傍におります」
「そうか。わかったレイグリッド。
この村に世話になってんだ。
今のウチに出来るだけ
村の力になってやってくれ」
「承知いたしました」
それから二日後、ようやくオレは
歩けるようになった。
この村へ運ばれてから、
ずーーっと頭から離れない
ことがある。
オレのもう一つの懸念。
リリアとの別れだ。
別れたくない。でも、口が裂けても言えない。
オレは魔王だ。魔界の人間だ。
リリアとは違う。
オレのエゴでリリアを魔人にすることは
許されない。
リリアは勇者だ。この世界の英雄だ。
リリアにはもっと明るい未来があるはずだ。
オレは歩けるようになったので、
レイグリッドに、異転の出立は3日後と告げた。
オレ達はどの場所からでも異転できる。
この村から出立することにした。
この残された三日間を、リリアとずっと一緒に
過ごすことにした。
思い残す事がないように・・・・。
異転の当日がきた。
ダークエルフの村に皆が揃った。
マルセルや二コレ
各族長達、パメラもそしてリリアも。
次にここに来るのは早くても300年後だろう。
ダークエルフは長命だから、またパメラ達とは
会えるかもな。
でも・・リリアとはもう会えないだろう。
「みんなー!世話になったな!
これからちょっくら他の世界に
行ってくるわ!」
オォーー!!
なんだそりゃ?おー!って
オレたちは異転を始めた
レイグリッドが異転渦に消えた
リベラも続いた。
アカとミリアも消えた。
オレの番だ。
リリアが駆け寄ってきた。
泣きながらオレにしがみつく
「リリア、もう行かなきゃ・・」
「い・・いやでず~~っ!!」
また濁点かよ・・・
「もう、何回も話たろ?
オレは絶対リリアを忘れない!約束する!」
「だっで――!!よーずげ・・女好ぎっで、
ぎいだもーん!!」
クソッ!誰だ!!余計な事ぉーーーっ!!
あ・・リベラだな??あのアマァ~~ッ!!!
「い・・いやぁ・・それは・・ま・・まぁ
そ・・そうだな・・」
「ほらーーーーーーっ!!!」
「い・・いや、だからリリアは特別だって!
ホント、マジこれ魔王に誓う!!」
ま・・まいったなぁー・・・
し・・仕方ない・・・
「パメラ!」
「わかった!」
パメラがリリアをオレから引き離した。
「いやっ!いやっ!いやーーーーーーっ!」
パメラがオレを見て頷いた。
「それじゃ、みんな!リリア!行ってくる!」
オレは異転渦に消えていった。
そして、消えるまでリリアの顔を見ていた。
「いーーやーーーーぁぁぁぁぁ・・」
というリリアの叫びを聞きながら。
これが魔王か・・・・
魔王の宿命なんだ・・・・
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