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22話 魔王のターン
しおりを挟むピッピ―ピッピ―ピッピ―
うっせーなー目覚まし・・
レイグリッドの嫌がらせか?
け・・消さないと
ボタンを押した。音が消えた。
よし、オッケー
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・なんだとぉおおおおおっ!!!
オレは飛び起きた。
こ・・・ここは・・・
お・・オレのアパートじゃん!!
オレ・・次の世界にいったんじゃぁ・・
え?えええええ・?????
帰ってきたぁ???
きょ・・・今日、な・・何曜日だ?
け・・携帯!あった!
20××年5月3日・・・
ゴールデンウィークじゃん。。。。
休みだ・・もっかい寝よ・・・
って、ちがーーーーーーうっ!!!
おおお・・オレは夢をみてたのか??
80年分の?
まま・・マジかぁ・・・超リアルだったなぁ・・
そうだ・・ゴールデンウィーク前で
忙しかったんだったぁ・・・
それで、帰ってきてーバタンキューになった
てわけか・・・?
り・・リリア!!そうだ!
異世界でメッチャ美人のリリアと出会ったんだ!
そして・・そうだ!バインバインのパメラ!
レイグリッド。リベラ、ザリアス、アカ
オレは魔王だったはずだ!
リリアとパメラとアカでガルドを倒しにいったはず。
夢じゃなくて、マジで帰ってきたのかぁ???
それとも夢??
だ・・誰か教えてくれーーっ!!
オレが向うにいた証拠!!
な・・なんかないか?
そ・・そうだ!
オレ、ケガして・・ニコレに治してもっらたはず
傷跡が残ってた!!
たた・・確か・・左足に・・
オレは、そーっとパジャマの左足をめくってみた
!!!!!!!!!傷だ!!傷跡だ!!
ま・・マジかぁ・・・・・
オレは異世界に居たことを確信した。
しかし・・な・・なんだこの違和感わ・・
なんか・・向うの世界が長かったせいか・・
こっちが異世界みたいだ・・・
居心地が悪い・・
ここは、学生時代から住んでたアパートなのに。
はぁーーー・・・
もう、みんなに会えないのかぁ・・?
魔界のみんなにも、リリアにも。
パメラ・・あ、ニコレもいた。
・・なんか・・・寂しいな・・・
この世界に帰ったところで、リリアにも会えないし
せっかく人間に戻ったのに。皮肉なもんだ・・
オレはまたベッドに倒れこんだ
ふっ・・魔法なんてもう使えないよな・・
ん?試してみるか・・
そうだな、一番無難な・・
オレは手のひらを上に向けて、ライトをしてみた
・・・・・・何も起こらない・・・・・
当たり前かぁ・・・
ただの人になった・・ということね。
はぁーーなんかつまんねーなーーー・・・・
オレはこの世界に戻りたいと
願ってたわけじゃないのに。
向うの異世界の生活を結構楽しんでいたのになー
魔王だったけど・・・。
あーーリリアに逢いたい・・・・
まぁ、向うの世界でも、同じように、逢いたいって
思ってたんだろうなぁ・・今頃。
こんなだったら、リリアを魔人にしとけばよかった。
でもなぁ、結局オレがこっちに
帰ってきたら意味ねーよなぁ。
楽しかったなぁ・・・危険な目にも遭ったけど
リリアとの冒険は楽しかったなぁ・・
あれ?なんだ?なんでオレ泣いてんだ??
そっかぁ・・リリアが恋しいんだ・・・
オレは枕に顔を埋め、近所に迷惑が掛からないよう
心の限り叫んだ。
・・チッキショォォォォーーーッ!!!!・・・
オレは、ボーっとしたまま、起き上がり、
近所のコンビニへと行った。
なんでもあるよなぁ・・いろんなものが・・
あ、ケーキだ・・
オレはコンビニケーキの前で足が止まった
リリア、パメラ、お前たちが喜びそうな
ケーキがいっぱいあるぞ・・・
と思っていると、涙が溢れてきた。
店員がコンビニケーキの前で涙を流している
30過ぎの変なオッサンを見て、不審な顔した。
ヤッベ・・警察に通報されるわ・・帰ろ・・。
オレは適当に食い物と飲み物を買って
コンビニを出た。
あぁ・・オレ、社会復帰できる自信ねーわ。
80年は長すぎた・・・
オレは、ほぼ引きこもり状態で、GWを過ごした。
GWも終わり、仕方なく会社に行った。
やる気がでなかった。
こんなことより、世界の平和を考えろよ・・・
とか思ってしまった。
会社から帰ると、グッタリと疲れた。
あーーー・・マジ、魔力ねぇーーー・・
こんなこと誰にも相談できねーし・・
孤独だなぁ・・
会社やめよっかなーー・・・
やめて引きこもって、廃人になる
魔人じゃなく、廃人ってか?・・・・
笑えねぇ・・・・
このような状態で、仕事もできるわけもなく
オレは夏のボーナスを貰って会社をやめた。
ちゃんとボーナス貰うって・・この辺り
適応してんじゃん・・・情けねーわ・・
会社を辞めてから、毎日ゴロゴロしていた。
魔界での刺激的な毎日を思い出し
完全に腐っていた。
まさしく異世界ロス状態だった
夏のある日。
オレはダラダラとエアコンの効いた部屋で
コーヒーを飲みながらテレビを見ていた。
テレビもつまんねーなーー
ワイドショーなんか、最悪だ・・。
昼間の放送は、申しあわせたように
どこもワイドショーだった。
その時、テレビに日本通の外人特集という
放送がされた
へーー外人さんって、結構、日本が好きなんだな・・
テレビの司会者が大げさにけたたましく
紹介をしていた
『今日の、日本通の外国人の方は、この方です!』
パチパチパチパチ・・と拍手が鳴った。
画面をボーっと眺めてたオレは
飲んでたコーヒーを噴出した。
ブゥ―――――――ッ!!!
「リ・・リリアだッ!!!」
『今日は遥々、フランスからお越しの
今、日本でスゴイ人気のモデル
リリアーヌ・ヴィルドーさんです!!』
オレはテレビを抱きかかえるように持った
「リ・・リリア・・リリアッ!!!」
涙があふれてきた
え?ま・・・まてよ?ほ・・本当にリリアなのか?
テレビに出ているリリアは、
少し大人っぽくなっていた
髪の毛の色・・
プラチナじゃない、普通のブロンドだ
しかし、目は、目はあの時と同じブルーだ!
ま・・・間違いない・・声を声を出してくれ!!
『リリアーヌさん、今回の来日は何回目ですか?』
『はい、4回目になりますね』
やっぱりリリアだ!!!リリアの声だ!!
つーか、日本語うめぇーじゃねーか!!
こ・・こうしちゃいられねぇー!!!
逢いに・・逢いに行かなくちゃ!!
まずはシャワーを浴びて・・放送局に!!!
オレは慌ててバスルームに行った
シャワーに入ろうとした瞬間、
鏡に自分の姿が写った・・
・・・その時、オレは全てあきらめた・・
「だ・・誰だぁ??これ・・?
シュベルじゃねーー・・」
鏡に映ったオレの姿は、あの溌剌とした
17~18歳の面影はなく、
ただのクタビれたオッサンだった。
ふっ・・・こんなので・・逢いに行っても・・
わからねーーだろうなぁ・・
それに、異世界でのリリアとは違うかも・・
ひょっとして、この世界に居た時に
オレが何かで彼女を見て
異世界で作り上げた
偶像かもしれねーじゃねーか・・
それに、日本は4回目って言ってたしな・・
異世界になんか行ってねーだろ・・
まあ、行ったところで、不審者で捕まるか
追い返されるだけだろうな・・
モデルっていってたし・・
オレとは住む世界が違う。
ふっ・・まるで魔族と人間だな・・・
オレはリリアを魔界に連れて行かなかった・・
あの時、一度はあきらめるって決めたんだ・・
今更、未練タラタラかよ・・情けねぇ・・
オレはそのままベッドに戻り、テレビを消した。
それから一切、テレビは見ないようになった。
それからは、定職にもつくことなく
バイトをしていた。
オレは長い旅にでようと思ってた。
貯金はあったが、使わずにバイトで生活費を稼ぎ
少しづつ、また溜めていった。
1年が過ぎた・・
そこそこの金も貯まり、予定の旅に出る
ことにした。
行先は決めなかった。
ただ、放浪したかった。
昔、リリアらとした旅のように。
オレにしたら、この今居る世界が
異世界だ・・・
なんせ、オレは向うに80年も
いたんだからな。
こっちだったら人生終わってるってーの!
異世界に来たんなら、冒険しなくちゃな。
この世界なら命のやり取りもないし
魔法もいらねーし。
気楽に異世界の放浪ができるわ。
オレはこの世界で自分の居場所を探そう。
リリアの事は心残りだが
確かめる術がねーし・・
リリアの事を忘れるためにも
旅に出るしかないんだ。
あの時、魔界の別世界に旅立った時と
同じようにな。
オレはもう魔王じゃないんだ
長生きはできねぇ。
限られた時間を精一杯生きよう!
オレは前を向くことにした。
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