お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩

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目覚め

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「僕は アクラム。 君の名は?」

「 私 は... 」








暖かい木漏れ日が差す庭園での懐かしい出来事...
鳴々... 目覚めたくないわ...
ぼんやりと意識が浮上してきて、体が目覚める準備をします。
最初は意識が、ついで耳が。

耳が音をとらえた時、私の周囲が騒がしいことに気付きました。


「お前は何でこの屋敷に来たんだ!」

「だから、 妻に... マレーネに確かめたいことがあったんだ!」

「お前…!マレーネを…妹を大事にしないなら今すぐ離縁しろ!エーミルからきいたぞ、侯爵家では"お飾りの侯爵夫人"と
呼ばれていると」

「なっ! 」

初めて知ったのかもしれません。
アクラム様に知られたくなかったことです。
使用人達が噂をしているのを私が聞いて
しまったのです。





うっすらと目を開けるとそこは、ゲストルームでした。

私が目覚めたことに気付いたメアリーがベッドに近付いてきました。



「お嬢様! 目を覚まされたのですね。すぐお薬湯をお持ち致します」


そういって彼女は普段見せないあわてた様子で部屋を出ていきました。


兄とアクラム様が私に近付いてきました。

「「大丈夫か!マレーネ」」


二人が同時に同じ言葉を言ったので、思わず笑ってしまいました。



「クス... はい 大丈夫です。 お騒がせしました」


アクラム様が口を開きかけた時
それにかぶさるように兄が私に言いました。


「 何も心配することはない。この屋敷は好きに使いなさい。元々 この別荘はお前の為に建てたものだから」

「 なっ...!」

アクラム様も私も目を見開いてしまいました。

「お兄様、 私の為というのは?」
「メアリーやヨセフと気軽に会えるようにと思ってな。たまの息抜きに薬草などいじってたら良いだろうと思っていた。」

「有難うございます。」
兄は私に優しい眼差しを向けてくれています。
私は兄の心遣いに感謝したいです。

「まて! ライナルト、お前私の許可なく」

ギロリとお兄様がアクラム様をにらみます。

「フンッ 妹に会うのになぜお前の許可がいるのだ。それに…私はお前が私の屋敷に許可なく入ってきたことを怒っている。どうするつもりだ。」

お互いがにらみあっていて正直私はどうしたら良いかわかりませんでした。


コンコンコン


扉をたたく音がして、メアリーが薬湯を持ってきてくれました。


「お嬢様、おまたせ致しました」

「メアリー 有難う」

メアリーは未だににらみ合う二人に

「お2人共レディーの部屋から出てくださいまし!何ですか、 お嬢様は病み上がりです。
殿方の怒鳴り声などきかせないでください。」











項垂れた2人はヨセフにうながされ部屋を出ていきました。
その光景を見て、私は懐かしさで胸がキュンとなりました。
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