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話し合い3
しおりを挟む客間でアクラム様をお待ちします。
私の心は決まりました。現実に向き合わずにきた結果がこれかとおもうと恥ずかしさや虚しさもあります。
しかし、これからの自分の生き方を考えたとき、私とアクラム様は…
その時ドアをノックする音が聞こえました。
「どうぞ」
私が声を掛けたらメアリーが入ってきました。
「お嬢様、アクラム様をお連れいたしました」
私の鼓動は張り裂けんばかりになっています。
つい先日までは、彼に恋い焦がれて鳴っていた鼓動は今はもはや別物になっています。
入ってきたアクラム様は私を見た途端、その大きな目をさらに大きくされました。
「な!どういうことだ!!マレーネ!!!なぜ!なぜ
髪を切ったんだ!!!!」
激しく大きな声で叫ぶアクラム様は私の姿に驚いたのでしょう。
「ええ、髪を切りました」
足早に私に近づいてきたかと思うと、私の肩をつかみました
「…いたっ!」
「なぜなんだ!婚姻を結んだ女が髪を切ることがどういうことかわかっているのか!!!」
「…わかっててやったのです…!!離してください!」
「おい!何をしているんだ!!」
そこに入ってきたのは兄でした。
アクラム様をわたしから引き離すと私の前に立ってくれました。
肩がジンジンと痛みます。
アクラム様の力で掴まれたのです。きっと赤くなっていることでしょう。
「うるさい!どけっ!…マレーネなぜ髪を切ったんだ!!」
先ほどから同じことを繰り返すアクラム様。
今まで私は何を見ていたのでしょうか…
彼の表情はすでに正気ではないように感じました。
「アクラム…マレーネはここ数日お前とのことを考えて決心したんだ。」
「なんだと…?」
バサっと机に投げ出された書類。それをアクラム様は少し目にし、ハッとされました。
「私の調査書…だと!」
「そうだ、お前はマレーネに対して二度も三度も嘘をつき、すでに信用を無くしている。その筋のものに調査を頼んだのだ」
「…お前が余計なことをしたのか!!」
兄にかみつくアクラム様…
こんな人と私は一緒にいたのですね…いえ、いませんでしたが。
「…いいえ!私が頼んだのです!!!」
私は大きな声でアクラム様に言いました。
「マレーネが…だと?」
「はい…!あ、あなた…アクラム様のことが分からなくなりました。私のことが好きと言いながらブリュンヒルド様と関係を持ったり…」
「なっ!それは学生時代だけだと…!」
「いいえ!いいえ!!この調査書に書いてありました。あなたは今でも彼女と肉体関係を持っていると、そして以前彼女にはあなたとの子供がいたと…死産でしたが確かにいたと当時の産婆の証言が書いてありました!!」
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