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公爵令嬢様は発明好き
遅れて参加しまーす
しおりを挟むお茶会当日。
空はスッキリと晴れ、少し髪を揺らすくらいの風がなびく。
ここは王宮の一画にある、お茶会のステージ。
婚約者候補である2人の侯爵令嬢が座っていた。
「なんであなたがいるのよ!!」
ダンっと激しく立ち上がるレイチェル
「候補者として呼ばれたからでございます」
作り笑顔をするソナタ。
「あーら!べつに来なくてもいいんじゃない?私が婚約者なのだから!」
ふんぞり返るレイチェル。
ソナタは、はぁっと嘆息した。
早くきて!アリシア!!
心の中でそう願っていた。
アリシアはまだ来ない。準備に遅れるとは事前にきいていたものの、レイチェルの相手をするのは疲れてしまう。
「やぁ、遅くなってすまない」
2人の令嬢は声をした方に振り向く。
そして、急いでカーテシーをする。
そこにいたのは、金の髪をなびかせたこの国の王太子であるセリオス・ウル・モンテーニュが立っていた。
「王太子殿下、本日はご招待くださり有難うございます。」
ソナタは感謝を伝える。
「いや、僕もお2人とお話をしないとなと思っていたからね」
その空気を割って入るレイチェル。
「王太子殿下!私だけでもよかったではありませんか?私なら貴方様の興味のある話題をいくつも取り揃えられますわ!」
「ん?僕は2人と言ったんだよ?それをなぜ貴女が決めるのかな?」
スッと目を細める。場を凍りつかせる視線をレイチェルに刺す。
「も、申し訳ございません!」
レイチェルがおし黙る。
その表情はギリっと歯を食いしばっている。
どこからも見えないが。
「王太子殿下…」
「ん、なんだい?」
「今日は私の友人も誘いましたがよかったでしょうか?招待状にはそのように書かれておりましたので…」
「ああ、いいよ。その友人は?」
「有難うございます。申し訳ありません。少し遅れているようで…」
「そうか、なら先に始めても……」
「おーっほっほっほ!お待たせいたしましたわ!アリシア・ムスタ・レイランド。友人のソナタ嬢のお誘いにより、このお茶会出席させていただきますわ!」
突然現れたアリシアとその横に立つ、美貌の男性に目を奪われる。
「コホン!こちらはレイモンド・ティアソン、ですわ。本日は私のために出席くださいましたの。さ、ご挨拶して」
一歩彼が前に出る。
「お初にお目にかかりますレイモンド・ティアソンと申します。本日、ご厚意によりアリシア様と一緒に出席させていただけること心より感謝申し上げます」
彼が一礼をする。
その動作を見たレイチェルはトマトのように真っ赤に熟れていた。
ニヤリと笑ったのはアリシア。
顔が青いのはセリオス。
目を白黒させているのがソナタ。
さぁ、お茶会の始まり…?
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