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公爵令嬢様は発明好き
言った言わないは水掛け論…でも
しおりを挟む迫るレイチェル、その様子を余裕で見守るアリシア。
「さすが、軍部に身を置くお父上をお持ちね!だけど!!」
高らかに手をあげる。その手の中にはボタンらしきものがある。それを躊躇いもなく押すアリシア。
カチッ!
「ぎゃあああ!!」
およそ令嬢と思えぬ声を出すレイチェル。
四方から絨毯がめくれ上がり、彼女を覆う。
さながら巨大な巾着袋の出来上がりである。
袋状になった絨毯の中でもがくレイチェル。絨毯は分厚く彼女の短刀ぐらいでは切り裂けない。
「おーほっほっほ!!!大成功よ!!!」
勝ち誇った顔でアリシアはいう。
「お嬢!!!」
駆け寄るレイモンド。
「ふふん!大成功よ!レイモンド!!」
「大成功じゃないでしょ!失敗したらどうするんですか!!!」
「成功したから良かったじゃない。まさかあそこまでしてくると思わなかったけど、大丈夫だったのだから」
自分たちの少し上で巨大巾着の中にいるレイチェル。
彼女は未だにもがいている。
「なんだこれは!!レイチェルはどうした!!」
ドアが開く。
そこにはカールトン侯爵とレイランド公爵と王太子のセリオスが居た。
「おーっほっほっほ!ようこそ!カールトン侯爵様!ちょうど貴女の娘様をラッピングしたところでございますわ!」
呆然とするカールトン侯爵。頭痛がするのかこめかみを抑えるレイランド公爵と引きつった笑顔の王太子殿下。
いち早く意識が戻ってきた侯爵。
「なっっ!レイチェルを返せ!!いくら公爵家の娘といえども容赦はせぬぞ!!」
怒り心頭のカールトン氏。しかしその脅しには屈しないのがアリシアである。
「おーっほっほっほ!彼女は私ではなく公爵家を侮辱いたしました。正式に抗議させていただきますわ!それに国の宝である王太子殿下に対して無礼な発言。不敬罪に処されてもおかしくありません。裁判を要求いたします」
「なんだと!!」
セリウスの顔が険しくなる。
公爵もカールトン侯爵を睨む。
途端に青くなるカールトン侯爵。
「しょ、証拠はあるのか!!娘がそのようなことを言ったという」
言った言わないなら万が一でも誤魔化せると思っているのか、焦りながらも侯爵は証拠を要求する。
しかし、アリシアの方が一枚上手であった。
「証拠ならございますわよ!!」
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