令嬢様のおなーりー!

悠木矢彩

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公爵令嬢様は発明好き

厚顔無恥

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「私のモノになりなさい、これは命令よ」

「いえ…あの…私はアリシア様…公爵家と契約を交わしている身ですのでそれを裏切るわけには参りません」


「ティアソンなんて貴族いないじゃないの!どうせあの女が遊びで囲っているのでしょう?」

「仮にそうだとしても貴方様のモノになる道理がありませんが?」

「まぁ!!私が遊んであげると言っているのよ?光栄に思いなさい。いえ思わなければならないわ。もうすぐ私は王太子妃になるのだから!!あの公爵令嬢よりずっと身分の高いね!」


「そうだとしても、男を囲うなど貴方様の御名に傷が付きますが?」



「貴族社会では愛人を囲うことなどもはや常識よ!私はセリオスの妃として王族に入るわ!セリオスも美しいから私のモノになるのよ!」



「いえ、あのお断りします」

「貴方に断る権利はなくってよ!その醜いオッドアイの貴方を囲ってあげるというのだから感謝して欲しいくらいだわ!!」








薄暗くなった部屋の壁に先ほどのレイチェルとレイモンドのやりとりが映しだされる。

カールトン侯爵は泡を吹き
レイランド公爵は難しい顔をしており
セリオス殿下は顔を歪めていた。





「さて、続きはありますがこの辺で充分でしょう?殿下?レイモンドの証言はいかがでしたか?」



「うむ…この様子と同じことを言っていた。これは間違いないであろう」


セリオス殿下は腕を組み、はぁと一息ついた。


「カールトン侯爵、残念ながら裁判にはならぬ。このままこれを王に提出する。追って沙汰を待て!」


「殿下!大変申し訳ございません!!しかし!一度の過ちを許してはもらえないでしょうか!!!娘は世間知らずでしてこのようなことを言ってしまったんだと思います。」


全員が思っただろう。
それで通るはずもないことを。

追い討ちをかけるようにアリシアがいう。


「無知は罪です。世間知らずだからと許される範囲を超えているのでは?」



「そうだな…これは庇いきれないものだ、侯爵。殿下の言われた通り沙汰を待ったほうがいい」


「ぐぬぬ!忌々しい!!己のとこの小娘がオッドアイなどという不吉なものを連れてくるからだ!!!」


そう言ってレイモンドを見る。



「親子共々馬鹿なのですね?」



アリシアがいう


「このレイチェル様の態度は“世間知らず”などという言葉で片付けられるものですか?社交界でも名を轟かせているではありませんか。」


ぐうの音もでない

「世間知らずで言えば、アリシアお嬢の方が世間知らずですよ」

にっこりと極上の笑顔で追い討ちをかける。

「おだまり!レイモンド!!」



「コホン、と、とりあえず…決定は変えない。この場は解散だ。」



セリオスの言葉でこの場は解散になった。
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