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第二章 雛
第十九話 奇術 19 2-6-3/3 56
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ユミの口から堰を切ったように言葉が溢れ出す。
「ねえ、何なの、鳩の縛めって? なんでこんなに自由がないの?」
キリに会いに行こうと思えば会える。ユミはこのイイバの地において唯一縛めから解き放たれた存在と言っていいだろう。しかし、法の前ではユミも平等に縛められてしまう。
「ユミさん……。」
クイもユミに大いに共感できる部分がある。
「私も同じことを考えていました。一時と言えどハリを手放し、夜な夜な泣き崩れるヤミさんを見て。どうして私達はハリと一緒に暮らせないんだ、理不尽ではないかと」
「クイ……、さん……」
ユミが今日、クイと出会った時に見せた剣幕は八つ当たりでしかなかった。考えてみれば、クイも縛められた鳩の一人なのだ。
「ここから先、私の独り言と思って聞いてください。もちろん他言して頂きたくないのですが……。ふふ、また秘密が増えてしまいますね」
クイは自虐的に笑って見せる。それでもユミはこくりと頷いた。彼女なりにクイへと同情の念が押し寄せていたのだろう。
「鳩の縛めは必要以上に我々の行動を制限している節があります。ユミさんと出会うまでは気にも留めていなかったのですが……」
縛めが無くとも人の動きは森によって制限される。しかし、その鳩の常識を覆す可能性がユミには秘められている。
気づいてからは早いものだった。
「トキさんから学んだでしょう? 鳩の縛めは鳩をはじめその他の人々を守るためのものだと。もちろんそれが嘘とまでは言いません」
クイはユミに顔を近づけ息をひそめる。
「……建前ではないのかと疑っているのです」
「建前?」
「ええ、鳩が、主に鳩の中でも偉い人が、この世界を支配するための」
クイは言ってしまったという顔を見せる。
「支配と言えば聞こえは悪いですが、それによる恩恵もあります。事実、イイバの地の治安はかなり良いと言って良いでしょう。……一部ナガレへ送られる者がいる訳ですが」
「うん。ナガレにはケンみたいなバカがいっぱいいるんだよね」
どうにもユミはケンに対する当たりが強すぎる気もするが、出会い方と別れ方が最悪だったせいだろう。しかし、その認識は説明を容易にする。
「どうです? ケンさんみたいなのがトミサにうようよいたら?」
「……やだ」
ユミは嫌悪の表情を浮かべ、口元に手を当てる。今にも吐き出してしまいそうだ。
「鳩の縛めがあるからこそユミさんはケンさんの魔の手から逃れられているのです」
「なるほど、納得」
鳩の縛めが制定される過程にはもっと複雑な事情はあるのだろうが、ユミにはこれで十分伝わったようだ。
「一方で、不自由な生活を強いられているのも事実。多くの者はそれに気づく余地も無いのですが、ユミさんと私は辿り着きつつある。人と人とが出会う機会が失われているという現状に」
「うん」
ユミの眼からはギラギラとした光を感じ取れる。怒りすら帯びているような眼差しだ。
「今すぐにとは言いません。目指してみませんか? 自由な世界を、私とともに」
クイは飛びっきりの笑顔を見せた。
「え……?」
「戸惑うのは当然でしょう。しかし、あなたにはそれだけの可能性が秘められている」
「可能性……」
今のユミにはクイの言葉を繰り返すのが精一杯だった。
「鳩として年月を重ねればその内気づくでしょう。あなたの特別な才能に」
ユミの能力を正しく理解しているのはむしろクイの方なのだろうが、それも時間の問題だ。
「でも……、トキ教官は自分のことを特別だと思うなって……」
「お……、確かに彼の言いそうなことですね……」
クイを分け隔てなく受け入れたトキである。今の内はその温もりに触れていた方が彼女のためだろう。
「すみません。自由な世界だなんて少し格好つけすぎましたね」
ユミは満足そうにうんうんと頷く。やはりこういうところは変わらない。
「ユミさん。私は鴛鴦文を集約する職務に就きたいと思っています。既に鴦を持つ者であればその可能性があるのです」
「え?」
「私がヤミさんと一時離れ、飽くまでもトミサを拠点にしようと決意したのはこのためです」
自由な世界は言い過ぎたかもしれない。しかし、ユミだけでも自由な意志で行動してもらいたい。
「キリさんが大人になれば鴛鴦文を書く可能性があります」
ユミは眼を見張る。鴛鴦文は本来、誰の手に渡るか分からないまま書く。キリが書こうものならその想いは、ユミではない誰かへ渡ってしまうかもしれない仕組みだ。それが不安なのかもしれない。
「私からユミさんへ、その文を渡してあげられるのではないかと思っています」
「そんなこと……、できるの?」
ユミは信じられないようだ。
「鴛鴦文は、鳩が開いちゃいけないって……」
「ええ、その通りです。しかし、鴛鴦文を渡す相手は鳩によって選ばれます」
ユミは眼を見開き、抱えていた大鉢を傍らに置く。そして立ち上がり、クイの正面へと向き合った。
「見えてきましたか? いや、どうしろと言う訳じゃありませんよ? しかし……、信頼できる友人ぐらいいるでしょう」
「ありがとう! クイ……さん!」
「ふふふ」
心からの笑みが漏れた。ユミを前に、ここまで素直になれるのはクイの中でも大きな変化だろう。
「ねえ、クイさん」
「何ですか? ユミさん」
出会って以来、何度目か分からないこのやり取りだが、いつにも増して2人の間には穏やかな空気が流れている。
「鴛鴦文を集約する務め、クイさんがそれに就くためには何かしなくちゃいけないの?」
「そうですね。言ってしまえば人の心を選ぶ役目ですから、ちゃんと人に寄り添える者にならなくてはならないでしょうね」
「そっか……。だったらまずは、その腹黒い性格をどうにかしなくちゃいけないね!」
クイは飛びっきりの笑顔を見せた。
――――
自宅である長屋の一室へと帰り着いたユミは、畳へとうつ伏せになる。あの後、何とか食べきったあんみつが腹にずっしりと響いている。
母はまだ帰宅していないが、夕飯までに腹を落ち着けなければまた怒られてしまう。今は紹介された仕立て屋にて、針仕事を任されているはずだ。座り仕事が多く、体への負担が少ないらしい。
当初の目的だった医術院にも既に1度受診し、滋養強壮に効くという黄褐色の散剤をもらってきた。今のところは健やかな暮らしを送れているが、今後も7日に1度程度通うこととなるそうだ。
「キリ……」
希望が見いだされたユミは胸が熱くなる。キリと歩いて眺めた森の景色、イチカで囲んだ火、そして別れ際に一瞬だけ触れた唇。
それらの記憶は鮮明に思い出されるが、幻想のキリに手は届かない。
ユミは傍にあった枕を取り顔をうずめ、足をばたばたと動かした。
やがてそれすらも虚しくなり体を起こすと、懐から何かがふぁさりと落ちた。
「何これ?」
手に取ってみると、それは4つ折りにされた小さな紙のようであった。その紙に見覚えはないし、いつの間に懐へ入っていたのかも分からない。それこそ、まるで奇術を思わせる現象だ。
怪しさしかない紙だったが、好奇心には勝てない。恐る恐るそれを開いてみると、覚書程度の極短い文が書いてあるのが眼に入った。
――森巣記憶
森を意のままに歩ける力
トミサの門の外では使うも自由――
なんとも不気味な文字の並びだ。
「もりす……、きおく……?」
聞いたことも無い言葉だ。しかし、自身の能力を理解しつつある今ではなんとなく意味が分かってしまう。
キリのことは大人になったら迎えに行く約束だ。
それでも叶うものなら、今すぐにでも会いに行きたい。そんな秘めた思いを読み取られた気分だ。やはり、奇術の様に。
「ねえ、何なの、鳩の縛めって? なんでこんなに自由がないの?」
キリに会いに行こうと思えば会える。ユミはこのイイバの地において唯一縛めから解き放たれた存在と言っていいだろう。しかし、法の前ではユミも平等に縛められてしまう。
「ユミさん……。」
クイもユミに大いに共感できる部分がある。
「私も同じことを考えていました。一時と言えどハリを手放し、夜な夜な泣き崩れるヤミさんを見て。どうして私達はハリと一緒に暮らせないんだ、理不尽ではないかと」
「クイ……、さん……」
ユミが今日、クイと出会った時に見せた剣幕は八つ当たりでしかなかった。考えてみれば、クイも縛められた鳩の一人なのだ。
「ここから先、私の独り言と思って聞いてください。もちろん他言して頂きたくないのですが……。ふふ、また秘密が増えてしまいますね」
クイは自虐的に笑って見せる。それでもユミはこくりと頷いた。彼女なりにクイへと同情の念が押し寄せていたのだろう。
「鳩の縛めは必要以上に我々の行動を制限している節があります。ユミさんと出会うまでは気にも留めていなかったのですが……」
縛めが無くとも人の動きは森によって制限される。しかし、その鳩の常識を覆す可能性がユミには秘められている。
気づいてからは早いものだった。
「トキさんから学んだでしょう? 鳩の縛めは鳩をはじめその他の人々を守るためのものだと。もちろんそれが嘘とまでは言いません」
クイはユミに顔を近づけ息をひそめる。
「……建前ではないのかと疑っているのです」
「建前?」
「ええ、鳩が、主に鳩の中でも偉い人が、この世界を支配するための」
クイは言ってしまったという顔を見せる。
「支配と言えば聞こえは悪いですが、それによる恩恵もあります。事実、イイバの地の治安はかなり良いと言って良いでしょう。……一部ナガレへ送られる者がいる訳ですが」
「うん。ナガレにはケンみたいなバカがいっぱいいるんだよね」
どうにもユミはケンに対する当たりが強すぎる気もするが、出会い方と別れ方が最悪だったせいだろう。しかし、その認識は説明を容易にする。
「どうです? ケンさんみたいなのがトミサにうようよいたら?」
「……やだ」
ユミは嫌悪の表情を浮かべ、口元に手を当てる。今にも吐き出してしまいそうだ。
「鳩の縛めがあるからこそユミさんはケンさんの魔の手から逃れられているのです」
「なるほど、納得」
鳩の縛めが制定される過程にはもっと複雑な事情はあるのだろうが、ユミにはこれで十分伝わったようだ。
「一方で、不自由な生活を強いられているのも事実。多くの者はそれに気づく余地も無いのですが、ユミさんと私は辿り着きつつある。人と人とが出会う機会が失われているという現状に」
「うん」
ユミの眼からはギラギラとした光を感じ取れる。怒りすら帯びているような眼差しだ。
「今すぐにとは言いません。目指してみませんか? 自由な世界を、私とともに」
クイは飛びっきりの笑顔を見せた。
「え……?」
「戸惑うのは当然でしょう。しかし、あなたにはそれだけの可能性が秘められている」
「可能性……」
今のユミにはクイの言葉を繰り返すのが精一杯だった。
「鳩として年月を重ねればその内気づくでしょう。あなたの特別な才能に」
ユミの能力を正しく理解しているのはむしろクイの方なのだろうが、それも時間の問題だ。
「でも……、トキ教官は自分のことを特別だと思うなって……」
「お……、確かに彼の言いそうなことですね……」
クイを分け隔てなく受け入れたトキである。今の内はその温もりに触れていた方が彼女のためだろう。
「すみません。自由な世界だなんて少し格好つけすぎましたね」
ユミは満足そうにうんうんと頷く。やはりこういうところは変わらない。
「ユミさん。私は鴛鴦文を集約する職務に就きたいと思っています。既に鴦を持つ者であればその可能性があるのです」
「え?」
「私がヤミさんと一時離れ、飽くまでもトミサを拠点にしようと決意したのはこのためです」
自由な世界は言い過ぎたかもしれない。しかし、ユミだけでも自由な意志で行動してもらいたい。
「キリさんが大人になれば鴛鴦文を書く可能性があります」
ユミは眼を見張る。鴛鴦文は本来、誰の手に渡るか分からないまま書く。キリが書こうものならその想いは、ユミではない誰かへ渡ってしまうかもしれない仕組みだ。それが不安なのかもしれない。
「私からユミさんへ、その文を渡してあげられるのではないかと思っています」
「そんなこと……、できるの?」
ユミは信じられないようだ。
「鴛鴦文は、鳩が開いちゃいけないって……」
「ええ、その通りです。しかし、鴛鴦文を渡す相手は鳩によって選ばれます」
ユミは眼を見開き、抱えていた大鉢を傍らに置く。そして立ち上がり、クイの正面へと向き合った。
「見えてきましたか? いや、どうしろと言う訳じゃありませんよ? しかし……、信頼できる友人ぐらいいるでしょう」
「ありがとう! クイ……さん!」
「ふふふ」
心からの笑みが漏れた。ユミを前に、ここまで素直になれるのはクイの中でも大きな変化だろう。
「ねえ、クイさん」
「何ですか? ユミさん」
出会って以来、何度目か分からないこのやり取りだが、いつにも増して2人の間には穏やかな空気が流れている。
「鴛鴦文を集約する務め、クイさんがそれに就くためには何かしなくちゃいけないの?」
「そうですね。言ってしまえば人の心を選ぶ役目ですから、ちゃんと人に寄り添える者にならなくてはならないでしょうね」
「そっか……。だったらまずは、その腹黒い性格をどうにかしなくちゃいけないね!」
クイは飛びっきりの笑顔を見せた。
――――
自宅である長屋の一室へと帰り着いたユミは、畳へとうつ伏せになる。あの後、何とか食べきったあんみつが腹にずっしりと響いている。
母はまだ帰宅していないが、夕飯までに腹を落ち着けなければまた怒られてしまう。今は紹介された仕立て屋にて、針仕事を任されているはずだ。座り仕事が多く、体への負担が少ないらしい。
当初の目的だった医術院にも既に1度受診し、滋養強壮に効くという黄褐色の散剤をもらってきた。今のところは健やかな暮らしを送れているが、今後も7日に1度程度通うこととなるそうだ。
「キリ……」
希望が見いだされたユミは胸が熱くなる。キリと歩いて眺めた森の景色、イチカで囲んだ火、そして別れ際に一瞬だけ触れた唇。
それらの記憶は鮮明に思い出されるが、幻想のキリに手は届かない。
ユミは傍にあった枕を取り顔をうずめ、足をばたばたと動かした。
やがてそれすらも虚しくなり体を起こすと、懐から何かがふぁさりと落ちた。
「何これ?」
手に取ってみると、それは4つ折りにされた小さな紙のようであった。その紙に見覚えはないし、いつの間に懐へ入っていたのかも分からない。それこそ、まるで奇術を思わせる現象だ。
怪しさしかない紙だったが、好奇心には勝てない。恐る恐るそれを開いてみると、覚書程度の極短い文が書いてあるのが眼に入った。
――森巣記憶
森を意のままに歩ける力
トミサの門の外では使うも自由――
なんとも不気味な文字の並びだ。
「もりす……、きおく……?」
聞いたことも無い言葉だ。しかし、自身の能力を理解しつつある今ではなんとなく意味が分かってしまう。
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