舞踏会はお洒落比べ ─ 高飛車令嬢と参謀の恋

だって、これも愛なの。

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第3章 一番になるための計画

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「いいですか、ラウレンス。わたくしは絶対に舞踏会の中央に立つのです!」
イザベラは扇子を勢いよく畳み、まるで戦場に赴く兵士のような面持ちで言い放った。

「……まるで戦略会議のようだな」
ラウレンスは眉をひそめ、書類机の端に腕を組んで寄りかかる。
彼が呼び出されたのは、イザベラの“作戦会議”とやら。
本来なら王政の軍略を論じる場に立つ参謀が、今や一人の令嬢の恋のために頭を悩ませている。

「お洒落比べに勝つには、まず衣装です。最高の生地に、最高の装飾を──」
「重すぎれば歩けまい」
「うっ……」

図星を刺され、イザベラはむっと唇を噛む。
「では舞い方! 完璧なステップを身につけて……!」
「足元ばかりに気を取られれば、視線を逸らす。観客は自信を感じ取れぬ」
「ぐっ……!」

次々と突き返され、イザベラの頬は赤くなる。
しかし悔しさに滲んだその瞳を、ラウレンスは不思議な気持ちで見つめていた。

(泣きそうなのに、決して引かない……)
冷静沈着を信条とする自分にはない熱。
彼女の必死さに、なぜか胸がざわつく。

「……ならばどうすればよいのですか!」
とうとう声を上げたイザベラに、ラウレンスは深く息をついた。

「魅せ方だ」
「魅せ方?」
「お前の長所は、決して諦めないその気迫だろう。
 衣装も舞も、それを際立たせるものにすればいい」

イザベラはぽかんと彼を見つめた。
「……あなた、わたくしの味方を?」

「ただの戦略だ」
そっけなく答えるが、耳の先は赤く染まっている。

「ふふ、参謀殿に振り回されるのも悪くありませんわね」
イザベラは勝ち誇ったように微笑んだ。

ラウレンスは目を逸らしながらも、心の奥で気づいていた。
(……振り回されているのは、むしろ私の方だ)
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