舞踏会はお洒落比べ ─ 高飛車令嬢と参謀の恋

だって、これも愛なの。

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番外編 参謀の胸中

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イザベラ・ローゼンハルトという令嬢は、面倒な存在だ──。
ラウレンスは、最初そう思っていた。

「わたくしは必ず舞踏会の中央に立ちますわ!」
気迫に満ちた宣言。
誰もが笑い飛ばすだろうその言葉を、彼女は真剣そのものの瞳で告げてきた。

(叶わぬ恋を追いかけて……それでも足掻くか)

愚かだと思った。
だが、同時に目を離せなかった。

計画を立てれば、彼女は素直に耳を傾ける。
意見を突き返せば、真っ赤な頬で食ってかかる。
諦めを知らぬその姿は、冷静沈着を信条とする自分には眩しすぎた。

(なぜ、私はこんなにも振り回されている……?)

舞踏会の夜。
舞台中央に立ったイザベラは、群衆の視線を一身に浴びていた。
誇らしげな笑み。堂々たる立ち姿。

……美しい。

そう思った瞬間、胸に走ったのは鋭い痛み。
(だが、その視線の先にいるのは……まだあの騎士殿なのだろう)

冷静を装いながら、拳を握る。
嫉妬など無縁と思っていた心が、容赦なく揺さぶられる。

──翌朝。
「わたくしが一番になりたかったのは……あなたに、一番だと思ってほしかったから!」

涙に滲む青い瞳を見たとき、理性は崩れた。
冷静であることよりも、参謀であることよりも、ただ一人の男として。

「……君はもう、一番だ」

その言葉がどれほど彼女を喜ばせるかなど、考えるまでもなかった。
抱きしめた瞬間、ようやく気づく。

──振り回されていたのは、最初から自分の心の方だった。
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