'寄宿学校シリーズ──5つの恋短編集

だって、これも愛なの。

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星の涙に願う夜

第十三章 「告白の夜」

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 湖畔の小道に、夜風がやさしく吹き抜けていた。
 水面には星が無数に揺らめき、まるで空と湖が一体となったかのようだった。

 リリアが先に駆けていき、波打ち際で振り返る。
 「カイル、早く!」
 ランタンを掲げた彼女の笑顔は、星々よりも明るく見えた。

 胸の奥が熱くなる。
 ──今日こそ言う。

 ゆっくりと彼女に歩み寄り、並んで湖を見つめる。
 その瞬間、流れ星がひとつ、静かに水面へと落ちた。

 「星の涙だ!」
 リリアは両手を胸に組み、瞳を閉じた。
 「お願いごと、何にしようかな……」

 彼女の横顔を見つめながら、カイルは深く息を吸った。
 鼓動が早鐘を打ち、手のひらが汗ばんでいる。
 けれど、もう逃げるわけにはいかなかった。

 「……リリア」
 「ん?」
 瞳がまっすぐこちらを向いた瞬間、喉が詰まる。
 だが今回は逸らさなかった。

 「俺は……お前が特別だ」

 リリアの瞳がわずかに揺れる。
 言葉は途切れ途切れでも、胸の奥から溢れる想いを止めずに続けた。

 「誰にでも笑ってるのを見ると、落ち着かない。
 俺に笑ってほしいと……思ってしまう。
 ……お前が好きだ」

 最後の一言が、夜気に溶けて広がった。
 リリアはしばらく黙っていたが、やがてふわりと微笑んだ。

 「カイル……」
 「……っ」
 「ありがとう」

 胸が大きく震えた。
 驚く彼に、リリアは続ける。

 「わたしも、カイルが好き。無口で不器用だけど、わたしのことをちゃんと見ててくれるから」

 彼女の言葉に、堪えていたものが一気に崩れる。
 カイルは初めて、心から安堵の息を漏らした。

 湖面に落ちた星の涙が、二人の影をやさしく照らしていた。
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