28 / 29
『お伽話のように恋をする』―理想の彼と過ごす夜―
第四話 氷の城で、ただひとり(冷徹に見えて溺愛する彼)
しおりを挟む
氷でできたように白い城の大広間。
令嬢エリスは、客人たちの視線にさらされながら小さく肩を震わせていた。
隣に立つ公爵は、冷ややかな眼差しで人々を見渡し、誰も寄せつけない威厳をまとっている。
「……やっぱり、怖い人だわ」
そう囁く声が背後から聞こえる。
エリスの胸がちくりと痛んだ。
けれど次の瞬間、公爵は彼女の手をしっかりと握りしめた。
人前では決して崩れない表情のまま、指先だけが震えるほどに強く。
「君が望むなら、僕はすべてを差し出す」
「え……?」
「冷徹だと噂されてもかまわない。君のためなら、どんな姿にもなる」
囁きは彼女にだけ届く密やかな誓いだった。
その声に、エリスの瞳から不安がするりと解けていく。
「……あなたは、私だけを?」
「君だけを」
氷の城に似合わぬほど熱い言葉が、ふたりを包み込む。
冷たさの裏に隠されていたのは、誰よりも激しく深い愛。
その夜、エリスは初めて知った。
――彼の冷徹は、世界から彼女を守るための仮面だったのだと。
令嬢エリスは、客人たちの視線にさらされながら小さく肩を震わせていた。
隣に立つ公爵は、冷ややかな眼差しで人々を見渡し、誰も寄せつけない威厳をまとっている。
「……やっぱり、怖い人だわ」
そう囁く声が背後から聞こえる。
エリスの胸がちくりと痛んだ。
けれど次の瞬間、公爵は彼女の手をしっかりと握りしめた。
人前では決して崩れない表情のまま、指先だけが震えるほどに強く。
「君が望むなら、僕はすべてを差し出す」
「え……?」
「冷徹だと噂されてもかまわない。君のためなら、どんな姿にもなる」
囁きは彼女にだけ届く密やかな誓いだった。
その声に、エリスの瞳から不安がするりと解けていく。
「……あなたは、私だけを?」
「君だけを」
氷の城に似合わぬほど熱い言葉が、ふたりを包み込む。
冷たさの裏に隠されていたのは、誰よりも激しく深い愛。
その夜、エリスは初めて知った。
――彼の冷徹は、世界から彼女を守るための仮面だったのだと。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる