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第2話『ひとつの作業台』
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今夜は、いつもより来客が多かった。
星商店は静かな店だが、時おりこうして、たくさんの願いが運び込まれる夜がある。
棚に並べきれない瓶が作業台の上に積まれ、私はその一本一本を磨いていた。
「澪さん、これ、お願いしていい?」
悠真が両手で抱えた大きな瓶を差し出す。中には、淡い金色の輝きがふわふわ漂っている。
「すごく温かい色ですね」
「……うん。家族の願いみたいだ」
そう言って、彼は瓶を置くと、そのまま私の隣の椅子に腰を下ろした。
普段は向かい合って作業することが多いのに、同じ側に並んで座るのは珍しい。
「こっち側、空いてたから」
と、何でもないように笑う。
私は頷いて、磨き布を彼に半分差し出した。
瓶を支える私の指に、彼の指先がふと触れた。
ほんの一瞬のことなのに、星の光が少し強くなったように見えたのは気のせいだろうか。
「……すみません」
「いや。大丈夫」
視線を落としたまま、彼は優しく笑う。
その笑顔を見ていると、胸の奥がじんわり温まって、作業の手が遅くなってしまう。
ふたりで一本の瓶を仕上げると、棚に並べる前に少し眺めた。
「これ、長く光りそうだな」
悠真がぽつりと言う。
「……ええ。きっと」
その声の響きが、店内の星灯に溶けていった。
隣に座っているだけなのに、外の世界のざらつきが遠のいていく。
そんな夜が、またひとつ増えた。
星商店は静かな店だが、時おりこうして、たくさんの願いが運び込まれる夜がある。
棚に並べきれない瓶が作業台の上に積まれ、私はその一本一本を磨いていた。
「澪さん、これ、お願いしていい?」
悠真が両手で抱えた大きな瓶を差し出す。中には、淡い金色の輝きがふわふわ漂っている。
「すごく温かい色ですね」
「……うん。家族の願いみたいだ」
そう言って、彼は瓶を置くと、そのまま私の隣の椅子に腰を下ろした。
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と、何でもないように笑う。
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「……すみません」
「いや。大丈夫」
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その笑顔を見ていると、胸の奥がじんわり温まって、作業の手が遅くなってしまう。
ふたりで一本の瓶を仕上げると、棚に並べる前に少し眺めた。
「これ、長く光りそうだな」
悠真がぽつりと言う。
「……ええ。きっと」
その声の響きが、店内の星灯に溶けていった。
隣に座っているだけなのに、外の世界のざらつきが遠のいていく。
そんな夜が、またひとつ増えた。
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