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暴かれた秘密と薔薇色の瞳
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子どもたちの保護はラスタに任せ、私はノア殿下の護衛に専念していた。
夜の街を駆け抜ける中、まだ心臓がうるさい。
(わ、私、推しに……壁ドンしてしまった……!!)
(しかもキスしてるように見せるために顔めちゃくちゃ近づけてたし……!近距離であの顔面偏差値とか……鼻血出る……!!)
そんな恥ずかしさを押し殺しながら、真っ赤な顔でノア殿下の手を引き、馬車に乗せる。
馬車の扉が閉まり、外の喧騒が遠ざかる。
やっと、息ができた気がした。
ノア殿下は、静かに金髪のウィッグを外す。
さらりと零れた地毛の金髪が、月明かりを受けて淡く光る。
その瞬間、私は完全に固まった。
(いや、素で……美しすぎません……?)
殿下が微笑む。
「そんなに見ないでくれるかい? 少し、恥ずかしいよ。」
「す、すみませんっ!」
慌てて視線を逸らす。……無理。推しと二人きりとか、心臓もたない。
ノア殿下は、頬杖をつきながら私をじっと見て言った。
「それにしても、君があんなに大胆だったとはね。」
「そ、それは不可抗力というかっ……生きるための戦略でしてっ……! 本当にすみませんでしたぁぁ!!」
くすっと、笑う音。
「そんなに謝らなくていいよ。婚約者の君が積極的で、僕は嬉しい。」
「……えっ?」
「殿下、それは……ご冗談を。僕はカリスですよ。婚約者は姉上――カリーナでしょう?」
笑ってごまかそうとした瞬間、彼の目が細められた。
――紅い瞳が、冗談の色を消していた。
「ねぇ、いつまでも僕に嘘が通じると思ってる?」
「……!」
「僕はね、嘘が一番嫌いなんだ。」
声は穏やかなのに、胸の奥を掴まれるような迫力がある。
息を呑んで動けない私に、彼は続けた。
「たとえ君が男装令嬢でも、父上にも、誰にも言うつもりはないよ。
僕の女装のことだって、君は誰にも言わないだろう?」
「そ、それはもちろんです!」
(推しの女装とか国家機密レベルですもん!!バラすわけがない!!)
殿下は柔らかく微笑む。
「なら、これは“二人だけの秘密”というのはどうかな?」
「二人だけの……?」
「君が“カリス”として生きていること。
僕が“ノアーチェ”として動いていること。
どちらも、この世界で僕たちだけが知っている秘密だ。」
紅い瞳が、まっすぐに私を射抜く。
逃げ場のないほど真剣な眼差しに、喉が詰まる。
「君の秘密も、僕は守ると誓う。
だから――君の口から、本当のことを聞かせてほしい。」
言葉が、夜気よりも静かに落ちる。
信じたい。
信じてはいけない。
頭ではわかっているのに、心が勝手に頷きそうになる。
この人にだけは、知ってほしいと思ってしまった。
たとえ、それが死を呼ぶ真実でも――。
「……殿下のおっしゃる通りです。」
喉が震えながらも、私は口を開いた。
「“カリス”は存在しません。私は……カリーナです。
死なないために、男装をしているのです。」
ノア殿下の瞳が、わずかに揺れた。
「男装をしないと、死ぬのか?」
「いえ……“カリーナ”という存在が、死ぬのを避けたいのです。」
「……なるほど。」
殿下はゆっくりと息を吐いた。
「君の抱えているものは、随分と大変そうだね。
でも、打ち明けてくれて――嬉しい。」
その声は、まるで包み込むように優しかった。
馬車の中、たったふたり。
車輪の音だけが静かに響いている。
その瞬間、私は悟った。
この人に、もう嘘はつけない。
そして、きっと――この想いも、もう止められない。
夜の街を駆け抜ける中、まだ心臓がうるさい。
(わ、私、推しに……壁ドンしてしまった……!!)
(しかもキスしてるように見せるために顔めちゃくちゃ近づけてたし……!近距離であの顔面偏差値とか……鼻血出る……!!)
そんな恥ずかしさを押し殺しながら、真っ赤な顔でノア殿下の手を引き、馬車に乗せる。
馬車の扉が閉まり、外の喧騒が遠ざかる。
やっと、息ができた気がした。
ノア殿下は、静かに金髪のウィッグを外す。
さらりと零れた地毛の金髪が、月明かりを受けて淡く光る。
その瞬間、私は完全に固まった。
(いや、素で……美しすぎません……?)
殿下が微笑む。
「そんなに見ないでくれるかい? 少し、恥ずかしいよ。」
「す、すみませんっ!」
慌てて視線を逸らす。……無理。推しと二人きりとか、心臓もたない。
ノア殿下は、頬杖をつきながら私をじっと見て言った。
「それにしても、君があんなに大胆だったとはね。」
「そ、それは不可抗力というかっ……生きるための戦略でしてっ……! 本当にすみませんでしたぁぁ!!」
くすっと、笑う音。
「そんなに謝らなくていいよ。婚約者の君が積極的で、僕は嬉しい。」
「……えっ?」
「殿下、それは……ご冗談を。僕はカリスですよ。婚約者は姉上――カリーナでしょう?」
笑ってごまかそうとした瞬間、彼の目が細められた。
――紅い瞳が、冗談の色を消していた。
「ねぇ、いつまでも僕に嘘が通じると思ってる?」
「……!」
「僕はね、嘘が一番嫌いなんだ。」
声は穏やかなのに、胸の奥を掴まれるような迫力がある。
息を呑んで動けない私に、彼は続けた。
「たとえ君が男装令嬢でも、父上にも、誰にも言うつもりはないよ。
僕の女装のことだって、君は誰にも言わないだろう?」
「そ、それはもちろんです!」
(推しの女装とか国家機密レベルですもん!!バラすわけがない!!)
殿下は柔らかく微笑む。
「なら、これは“二人だけの秘密”というのはどうかな?」
「二人だけの……?」
「君が“カリス”として生きていること。
僕が“ノアーチェ”として動いていること。
どちらも、この世界で僕たちだけが知っている秘密だ。」
紅い瞳が、まっすぐに私を射抜く。
逃げ場のないほど真剣な眼差しに、喉が詰まる。
「君の秘密も、僕は守ると誓う。
だから――君の口から、本当のことを聞かせてほしい。」
言葉が、夜気よりも静かに落ちる。
信じたい。
信じてはいけない。
頭ではわかっているのに、心が勝手に頷きそうになる。
この人にだけは、知ってほしいと思ってしまった。
たとえ、それが死を呼ぶ真実でも――。
「……殿下のおっしゃる通りです。」
喉が震えながらも、私は口を開いた。
「“カリス”は存在しません。私は……カリーナです。
死なないために、男装をしているのです。」
ノア殿下の瞳が、わずかに揺れた。
「男装をしないと、死ぬのか?」
「いえ……“カリーナ”という存在が、死ぬのを避けたいのです。」
「……なるほど。」
殿下はゆっくりと息を吐いた。
「君の抱えているものは、随分と大変そうだね。
でも、打ち明けてくれて――嬉しい。」
その声は、まるで包み込むように優しかった。
馬車の中、たったふたり。
車輪の音だけが静かに響いている。
その瞬間、私は悟った。
この人に、もう嘘はつけない。
そして、きっと――この想いも、もう止められない。
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