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♠︎密会♠︎弘田宇丈
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ロビーのソファに座って30分。時間通りに来ない彼女を、いつものように待つ。
さっきは驚いた。まさか、大学時代に憧れてた先輩に10年振りにここで会うとは。
三木先輩…あの当時から人目を惹いてはいたが、より洗練されたオーラが出てた。
先輩と一緒にいた、明らかに年下…二十代っぽい若い男。
最初は弟かと思ったが…射抜くような目でオレを見て、しっかり牽制してきやがった。
男同士の、腹の探り合い。
けどオレに、その気がないのがわかったんだろう…警戒が、消えた。
あんな年下もモノにしちまうなんて、やっぱ三木先輩、すげーわ。
とりとめのないことを考えていたら、背中側から、細いヒールの「コッ…コッ…」という小さな音が聞こえた。
オレの真後ろで一瞬止まる、その音。
「五分後にきて。1605号室」
聞こえるか聞こえないかくらいの声で言われる。聞き逃したら来月まで会えないから、オレの耳は彼女の声だけを抽出する。
振り返らず、部屋の番号を頭の中で反芻し、彼女の靴音が遠ざかるのを待って時間を確認する。この五分が…焦れったい。
密会の場所はいつも決まっている。都内の高級ホテル。日時は彼女の都合で決まる。
連絡は手紙でくる。メールや電話にしないのは、証拠を残さないためだ。
きっちり五分後、立ち上がりエレベーターで指定された階に向かう。
エレベーターを降りると、ゆっくりと廊下を歩き部屋を目指す。
ノックを三回…それが合図。細く開けられたドアの隙間から、彼女がオレを確認する。
オレは周りに目を配り、誰もいないことを確認して、部屋に滑り込む。
さっきは驚いた。まさか、大学時代に憧れてた先輩に10年振りにここで会うとは。
三木先輩…あの当時から人目を惹いてはいたが、より洗練されたオーラが出てた。
先輩と一緒にいた、明らかに年下…二十代っぽい若い男。
最初は弟かと思ったが…射抜くような目でオレを見て、しっかり牽制してきやがった。
男同士の、腹の探り合い。
けどオレに、その気がないのがわかったんだろう…警戒が、消えた。
あんな年下もモノにしちまうなんて、やっぱ三木先輩、すげーわ。
とりとめのないことを考えていたら、背中側から、細いヒールの「コッ…コッ…」という小さな音が聞こえた。
オレの真後ろで一瞬止まる、その音。
「五分後にきて。1605号室」
聞こえるか聞こえないかくらいの声で言われる。聞き逃したら来月まで会えないから、オレの耳は彼女の声だけを抽出する。
振り返らず、部屋の番号を頭の中で反芻し、彼女の靴音が遠ざかるのを待って時間を確認する。この五分が…焦れったい。
密会の場所はいつも決まっている。都内の高級ホテル。日時は彼女の都合で決まる。
連絡は手紙でくる。メールや電話にしないのは、証拠を残さないためだ。
きっちり五分後、立ち上がりエレベーターで指定された階に向かう。
エレベーターを降りると、ゆっくりと廊下を歩き部屋を目指す。
ノックを三回…それが合図。細く開けられたドアの隙間から、彼女がオレを確認する。
オレは周りに目を配り、誰もいないことを確認して、部屋に滑り込む。
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