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♠︎セックスセラピスト♠︎弘田宇丈
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「幼少時にあれが欲しいとか何して欲しいとかさ。子どもはそういう欲求があって当たり前なんだ。けど、親や大人がそれを無視したり、要求したことで虐待されたり罵詈雑言を浴びせられることが重なると、諦めて我を通さなくなる」
「へぇ…」
「けど彼女、虐待されて育った感じじゃないんだよな?」
「うん。でもそう言えば…」
いつだったか、常にきちんと気を張っている様子に、疲れないのか聞いたことがある。物心ついた時からこうだから、と言われたことを思い出した。
「感じてるのに声を押し殺すのは、他の可能性としては性のトラウマかもしれないな」
「性の?」
「ああ。例えば…」
アオは暫く考えこみ、言葉を選びながら言った。
「性暴力の経験がある場合、性欲や自分の体に対して強い否定を感じるケースが多々ある。自分の体に対しての罪悪感や、例え愛する人とのセックスでも感じること、それを表現することがいけないことだと強く戒めたり」
「…うん」
「そういう感じ、あるか?」
「そうだな…」
彼女の言葉を信じれば。経験はオレと旦那さんだけだ。行為の最中に怯えた様子を見せることも、パニックになることも…ない。
「そしたら、あれかなぁ…」
「あれ?」
「おまえさ、オナってるの親に見つかったことあるか?」
「やっ…それは、ない、かな…」
「オレは見つかったことあってさ、すげぇ叱られたんだよ」
「…へぇ」
「でもさ、やっぱ年頃だからさ、親の目を盗んでシコるわけだよ。バレたら叱られるし恥ずかしいから声も殺すし、すっげぇ罪悪感を持ちながらやるわけよ」
「うん」
「オレなんかは男だからまだいいけどさ。女の子の場合は…特におまえの彼女みたいにいいとこのお嬢様だったら…相当厳しく怒られるだろうし、セックスもオナニーも「いけないこと」っていう刷り込みになるよな」
「なるほど」
「まじめな子であればあるほど、すげぇ葛藤になると思う。親にダメだって言われるのに止められねぇ、やめられねぇ…だろ?人間としてダメなんじゃないかって、自己否定の塊になるよな」
「うん」
「親が支配的で高圧的な場合は、監視されることもあるし。叱られる時に辱めを受けることもあるしな。まぁ、本人に会ってカウンセリングしてみないとわかんないから、話半分な?」
「ああ」
「そういうの、ちゃんと聞いてみろよ?」
「ん…そうだな」
「まさか、会ったらヤルだけ…とかじゃねぇよな?」
「あー…」
今のところ、時間が惜しくてちゃんとした話をする気持ちの余裕…全くないんだよな…。
「へぇ…」
「けど彼女、虐待されて育った感じじゃないんだよな?」
「うん。でもそう言えば…」
いつだったか、常にきちんと気を張っている様子に、疲れないのか聞いたことがある。物心ついた時からこうだから、と言われたことを思い出した。
「感じてるのに声を押し殺すのは、他の可能性としては性のトラウマかもしれないな」
「性の?」
「ああ。例えば…」
アオは暫く考えこみ、言葉を選びながら言った。
「性暴力の経験がある場合、性欲や自分の体に対して強い否定を感じるケースが多々ある。自分の体に対しての罪悪感や、例え愛する人とのセックスでも感じること、それを表現することがいけないことだと強く戒めたり」
「…うん」
「そういう感じ、あるか?」
「そうだな…」
彼女の言葉を信じれば。経験はオレと旦那さんだけだ。行為の最中に怯えた様子を見せることも、パニックになることも…ない。
「そしたら、あれかなぁ…」
「あれ?」
「おまえさ、オナってるの親に見つかったことあるか?」
「やっ…それは、ない、かな…」
「オレは見つかったことあってさ、すげぇ叱られたんだよ」
「…へぇ」
「でもさ、やっぱ年頃だからさ、親の目を盗んでシコるわけだよ。バレたら叱られるし恥ずかしいから声も殺すし、すっげぇ罪悪感を持ちながらやるわけよ」
「うん」
「オレなんかは男だからまだいいけどさ。女の子の場合は…特におまえの彼女みたいにいいとこのお嬢様だったら…相当厳しく怒られるだろうし、セックスもオナニーも「いけないこと」っていう刷り込みになるよな」
「なるほど」
「まじめな子であればあるほど、すげぇ葛藤になると思う。親にダメだって言われるのに止められねぇ、やめられねぇ…だろ?人間としてダメなんじゃないかって、自己否定の塊になるよな」
「うん」
「親が支配的で高圧的な場合は、監視されることもあるし。叱られる時に辱めを受けることもあるしな。まぁ、本人に会ってカウンセリングしてみないとわかんないから、話半分な?」
「ああ」
「そういうの、ちゃんと聞いてみろよ?」
「ん…そうだな」
「まさか、会ったらヤルだけ…とかじゃねぇよな?」
「あー…」
今のところ、時間が惜しくてちゃんとした話をする気持ちの余裕…全くないんだよな…。
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