Love affair〜ラブ アフェア〜

橘 薫

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❤︎年末❤︎真柴みひろ

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 部屋を出てチェックアウトし、タクシーに乗った。運転手に行き先を告げて、シート深く身を沈める。

 今日の宇丈さん…すごかった…。先月会えなかった分を埋め合わせるように、激しくて、優しくて、甘くて…蕩けた。
 思い出すと、また身体の中心がぎゅん、と疼いた。

 家に着くと、玄関に義母の靴があった。しまった…いつもの、抜き打ち訪問だ。
 時々、何の知らせもなくやってきて、生活をチェックされる。

 リビングに通じるドアをあけると、義母が主人と談笑していた。
「お義母様、いらっしゃいませ」
「あら、おかえりなさい、みひろさん」
「おかえり、みひろ。遅かったな?」
「お知らせいただければ家に居りましたのに…遅くなりまして申し訳ありません」
 義母の…刺すような視線が気になる。主人は何も気づいていないけれども…。

「今日はどちらにいらしてたの?」
「いつものエステとデイユースです。偶然友人に会って、お茶をいただいてきました」
「そう…」
 義母の目が、疑わしげに私を見る。
「お化粧、崩れてるわよ?」

 いけない…。シャワーもできず、化粧崩れも直せないまま、慌てて出て来たから…。
 でも、そんなことはおくびにも出さず、にこやかに返事する。

「友人がダイエット中で、階段しか使わないんです。それにつきあったので汗を掻きました。デパートの中、暖房が強いので」
「そう…まぁ、あなたも運動になって良かったわね」
「はい」
「みひろ、お茶を淹れてくれないか?」
「はい、ただ今」

 寝室にコートとバッグを置いて、すぐキッチンに戻り、義母が好きな中国茶を淹れた。
 良い香りにほっと一息つきつつも、心を律する。
 宇丈さんのことは忘れて。良き妻、良き嫁として振る舞わなければ。

 お茶を出してしばらく歓談し、夕飯を一緒に、と義母を誘ったら、帰ると言い出した。
「車で送ってくるから、夕飯作っておいてくれるか?」
「はい」
「八時までには帰ってくる」
「分かりました」

 義母と主人が出ていくと、安心したのか膝がガクガクと震えた。
 良かった…何とかごまかせた…。

 主人はとてもいい人。私のことを詮索しないし、お稽古にもエステにも行かせてくれる。
 愛せないけれども…すごくいい人で、本当に良かったと思ってる。
 でも、義母は…。

 決して悪い人ではないけれども、怖い…。祖母に似た厳しさと、鋭い観察力。
 いつか…宇丈さんとのことが暴かれてしまうのではないかと、不安になる…。
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