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♠︎相談♠︎弘田宇丈
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「…わかりました」
しばらくの沈黙の後に、みひろさんが小さな声で言った。
「お友達のカウンセリング、受けます…」
「ほんとに?」
「はい」
「一応先に言っとくけど、アオはセックスセラピストなんだ」
「は…?」
「そういう仕事があるんだよ、セックスで悩んでる人とか、楽しめない人を解放する仕事」
「はい…」
「悩みとか何でも言っていいし、過去に何が起きたかも言って大丈夫」
「はい」
「守秘義務があるから、誰からどんな相談を受けたかは絶対外部に漏れないから…安心して?」
「…はい」
セックスセラピスト、と聞いたときにみひろさんの顔が曇ったのを、オレは見逃さなかった。まぁ、普通に考えたら警戒するよな…。
「構わなければオレも同席するし。もし顔見られたくないとかなら、その辺アオに相談して、みひろさんに一番いいようにしたいからさ」
「はい、ありがとうございます」
「…大丈夫?」
「大丈夫、です」
みひろさんの柔らかな身体を抱きしめた。
アオのカウンセリングを受けて、トラウマを癒す突破口になれば…オレとみひろさんの関係も、何か…変化が起こるかもしれない。
「ひとつ、聞いてもいいですか?」
「うん、何?」
「私…」
みひろさんが言いよどみ、ためらう。言葉を注意深く探しながら…自分の言葉で伝えようとしてくれる。
「宇丈さんが愛してくれるの、大好きです。いつも、それに応えたいと思ってます…」
「うん、わかるよ?」
「でも…まだ、足りないんですね…?」
「あ…」
そうじゃない、そういうわけじゃない…。
ただ、本当のみひろさんを出して欲しいだけなんだよ…。
「足りないとか、そういうことじゃないんだ、ただ…オレのわがままかもしれないけど、もっと本当の自分を出して欲しい、って思ってる」
「…はい」
「みひろさんがオレとの時間を大切にしてくれてるのも、オレと愛し合う時間が大好きなのもわかってる」
「はい…」
「なんていうか…色々、要求して欲しいし、どこが気持ちいいとか気持ち良くないとかさ」
「はい」
「セックスって…二人で気持ちよくなるものだからさ」
「宇丈さん…気持ち良くないんですか…?」
「や、違う違う!そうじゃない!みひろさんは最高だよ?」
「…」
「みひろさんの身体も心も、最高に気持ちいい。でもオレ…多分、欲が深いんだよ」
「欲、ですか?」
「うん」
膝の上の愛おしい女(ひと)に、オレの思いは通じるだろうか…。
彼女の瞳の奥の情熱。それを表に出して欲しい。情熱のままに、欲のままに…快楽に忠実に、善がり、要求し、どこまでも心に忠実に…。誰のことも気にせず、気兼ねせず…オレを欲して欲しい。
そうは思っても、彼女自身が自覚していなければ…出すことは難しいかもしれない…。
しばらくの沈黙の後に、みひろさんが小さな声で言った。
「お友達のカウンセリング、受けます…」
「ほんとに?」
「はい」
「一応先に言っとくけど、アオはセックスセラピストなんだ」
「は…?」
「そういう仕事があるんだよ、セックスで悩んでる人とか、楽しめない人を解放する仕事」
「はい…」
「悩みとか何でも言っていいし、過去に何が起きたかも言って大丈夫」
「はい」
「守秘義務があるから、誰からどんな相談を受けたかは絶対外部に漏れないから…安心して?」
「…はい」
セックスセラピスト、と聞いたときにみひろさんの顔が曇ったのを、オレは見逃さなかった。まぁ、普通に考えたら警戒するよな…。
「構わなければオレも同席するし。もし顔見られたくないとかなら、その辺アオに相談して、みひろさんに一番いいようにしたいからさ」
「はい、ありがとうございます」
「…大丈夫?」
「大丈夫、です」
みひろさんの柔らかな身体を抱きしめた。
アオのカウンセリングを受けて、トラウマを癒す突破口になれば…オレとみひろさんの関係も、何か…変化が起こるかもしれない。
「ひとつ、聞いてもいいですか?」
「うん、何?」
「私…」
みひろさんが言いよどみ、ためらう。言葉を注意深く探しながら…自分の言葉で伝えようとしてくれる。
「宇丈さんが愛してくれるの、大好きです。いつも、それに応えたいと思ってます…」
「うん、わかるよ?」
「でも…まだ、足りないんですね…?」
「あ…」
そうじゃない、そういうわけじゃない…。
ただ、本当のみひろさんを出して欲しいだけなんだよ…。
「足りないとか、そういうことじゃないんだ、ただ…オレのわがままかもしれないけど、もっと本当の自分を出して欲しい、って思ってる」
「…はい」
「みひろさんがオレとの時間を大切にしてくれてるのも、オレと愛し合う時間が大好きなのもわかってる」
「はい…」
「なんていうか…色々、要求して欲しいし、どこが気持ちいいとか気持ち良くないとかさ」
「はい」
「セックスって…二人で気持ちよくなるものだからさ」
「宇丈さん…気持ち良くないんですか…?」
「や、違う違う!そうじゃない!みひろさんは最高だよ?」
「…」
「みひろさんの身体も心も、最高に気持ちいい。でもオレ…多分、欲が深いんだよ」
「欲、ですか?」
「うん」
膝の上の愛おしい女(ひと)に、オレの思いは通じるだろうか…。
彼女の瞳の奥の情熱。それを表に出して欲しい。情熱のままに、欲のままに…快楽に忠実に、善がり、要求し、どこまでも心に忠実に…。誰のことも気にせず、気兼ねせず…オレを欲して欲しい。
そうは思っても、彼女自身が自覚していなければ…出すことは難しいかもしれない…。
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