Love affair〜ラブ アフェア〜

橘 薫

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❤︎相談❤︎真柴みひろ

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 彼から言われたのは、別れ話ではなくてホッとした。でも…要求が、難しい…。

 彼が求める、普通の反応がわからない。罪悪感と自己嫌悪で声を殺してることは…認める。
 その他の複雑な感情がある。宇丈さんに嫌われたくない、いやらしい女だと思われたくない…。
 本能のまま感じたい体と、それを許さない心のアンバランス。どちらも優先できずに持て余してるのを見破られてる…。

「みひろさんさ、色んなこと我慢しすぎてないか?」
「…」
「何があった?」
「…え?」
「過去になんかあったから…心から楽しめないんだろ?」
「それは…そんなことは…」

 思い当たるのは、祖母からされた折檻。その後の、祖母からずっと監視されていた感覚、そして今は…義母から監視されている、感覚。

 私が私であろうとすると。心に、体に正直であろうとすると…厳しかった祖母から、折檻の時に言われた叱責を思い出す。

 いやらしい。
 まだ子どものくせに興味を持って。
 男を漁って身を滅ぼしたいのか。
 家の名を汚すな。
 そして…母に向けられた、ひどい言葉の数々…。

「オレに話しにくいなら、アオ…そいつ、青島匡って言うんだけど。そいつに話してみるの、どうかなと思って」
「はい…」
「嫌なら無理にとは言わないけど、考えてくれないか?」

 会ったこともない男性に、あのことを話さないといけないなんて。
 宇丈さんの親友だからこそ…難しい。
 でも…宇丈さんは、私が全てを晒すことを望んでいる。
 この二年近く…彼が私のことでたくさん努力して、我慢して、導こうと、癒そうと…頑張ってくれたからこそ。応えたい…その思いに。
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