99 / 171
♠︎呪♠︎弘田宇丈
2
しおりを挟む
「…どうぞ、お口に合えばよろしいのですが」
「すげっ…美味そう」
テーブルに並べられた昼食は、どれもみひろさんの心がこもった手作りだった。
刺身、季節の野菜の天ぷら、雑穀米、味噌汁。数種類の、野菜を中心にした箸休め。食べ合わせや彩りを考えて作ってくれたのがわかった。
「お魚は地のものを取り寄せましたので」
「えっ…わざわざ?」
「はい、おいしいものを召し上がっていただきたくて」
「…ありがとう」
「いいえ」
エプロンを外したみひろさんが席に着くのを待って、「いただきます」と手を合わせた。
ひとつひとつがうまい…コンビニ食が常食のオレには、沁みる美味さだった。
「お肉がなくて申し訳ありません。青島さんがいらしたら、夕飯は庭でバーベキューにしましょう」
「庭でバーベキュー?できんの?」
「はい、多少雨が降っても大丈夫な造りになっています。土砂降りでなければ、中庭でできますので」
「へぇ…」
飯をおかわりしたときに、ふと気がついた。
「みひろさん…、食欲、ない…?」
「あ…」
みひろさんの箸はほとんど進んでいなかった。
「気になさらないでください…」
「ん…」
そうは言っても、みひろさんが食欲がない原因が思い当たるだけに…やるせなかった。
「すげっ…美味そう」
テーブルに並べられた昼食は、どれもみひろさんの心がこもった手作りだった。
刺身、季節の野菜の天ぷら、雑穀米、味噌汁。数種類の、野菜を中心にした箸休め。食べ合わせや彩りを考えて作ってくれたのがわかった。
「お魚は地のものを取り寄せましたので」
「えっ…わざわざ?」
「はい、おいしいものを召し上がっていただきたくて」
「…ありがとう」
「いいえ」
エプロンを外したみひろさんが席に着くのを待って、「いただきます」と手を合わせた。
ひとつひとつがうまい…コンビニ食が常食のオレには、沁みる美味さだった。
「お肉がなくて申し訳ありません。青島さんがいらしたら、夕飯は庭でバーベキューにしましょう」
「庭でバーベキュー?できんの?」
「はい、多少雨が降っても大丈夫な造りになっています。土砂降りでなければ、中庭でできますので」
「へぇ…」
飯をおかわりしたときに、ふと気がついた。
「みひろさん…、食欲、ない…?」
「あ…」
みひろさんの箸はほとんど進んでいなかった。
「気になさらないでください…」
「ん…」
そうは言っても、みひろさんが食欲がない原因が思い当たるだけに…やるせなかった。
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる