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❤︎本当の私❤︎真柴みひろ
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決して言うつもりがなかった家族の秘密…私の、出生について。
言ったら、とても気持ちが楽になった。あの日以来こわばり続けていた体から、やっと力が抜けたような安堵感。
辛かった。
苦しかった。
逃げたかったのだ…私は。
「休憩しましょう」
青島さんがそう言って、私のアイマスクを取った。閉じたまぶた越しの光が眩しい…。
「ゆっくり目を開けて、明るさに少しずつ慣らして」
「はい…」
薄目を開けると壁の時計が目に入った…あ…いつの間にこんな時間?
始めたのは四時過ぎで、もう…六時になろうとしていた。
「みひろさん、水飲む?」
「いただきます」
宇丈さんが差し出してくれた水を受け取り、ゴクゴクと飲んだ。喉が渇いていたことにすら気づかなかったなんて…。
「今日はここまでにしましょう。真柴さんだいぶ疲れてると思うんで」
「はい…」
水を貰って少し頭はハッキリしたけれども、まだ少し、視界に膜がかかっているようにぼーっとしている…。
「台所、勝手に使ってもいいですか?」
「あ、はい」
青島さんはお湯を沸かし始め…コーヒーを淹れてくれた。カップ越しに伝わる温もりにホッとする…。
「アオ、コーヒー淹れるの上手いな?」
「そうか?」
「うまいよ、これ」
宇丈さんも青島さんが淹れたコーヒーを飲んでる…。さっきのカウンセリング、全部…聞かれたのよね…。
「ちょっと話しましょうか、今後の展開も含めて」
「…はい」
正直…うちの秘密が今回のカウンセリングとどう関係があるのか皆目見当がつかなかったので、青島さんが話してくれる、というのは助かった。
まだ自分的には…何か大きく変わった、という実感などはなかったから。
「真柴さんの一番の問題点が炙り出されました」
「問題点…?」
「はい」
青島さんが私と宇丈さんを交互に見る。でも…私も宇丈さんもピンと来ていない…。
「白石家の血を継いでいないのに白石家の一員でいなければいけないこと。そしてそれを知っているのがご家族だけだということ。何よりご自身が…」
青島さんが言葉を切って私をじっと見た。
「自分が白石みひろだということを受け入れてないことです」
言ったら、とても気持ちが楽になった。あの日以来こわばり続けていた体から、やっと力が抜けたような安堵感。
辛かった。
苦しかった。
逃げたかったのだ…私は。
「休憩しましょう」
青島さんがそう言って、私のアイマスクを取った。閉じたまぶた越しの光が眩しい…。
「ゆっくり目を開けて、明るさに少しずつ慣らして」
「はい…」
薄目を開けると壁の時計が目に入った…あ…いつの間にこんな時間?
始めたのは四時過ぎで、もう…六時になろうとしていた。
「みひろさん、水飲む?」
「いただきます」
宇丈さんが差し出してくれた水を受け取り、ゴクゴクと飲んだ。喉が渇いていたことにすら気づかなかったなんて…。
「今日はここまでにしましょう。真柴さんだいぶ疲れてると思うんで」
「はい…」
水を貰って少し頭はハッキリしたけれども、まだ少し、視界に膜がかかっているようにぼーっとしている…。
「台所、勝手に使ってもいいですか?」
「あ、はい」
青島さんはお湯を沸かし始め…コーヒーを淹れてくれた。カップ越しに伝わる温もりにホッとする…。
「アオ、コーヒー淹れるの上手いな?」
「そうか?」
「うまいよ、これ」
宇丈さんも青島さんが淹れたコーヒーを飲んでる…。さっきのカウンセリング、全部…聞かれたのよね…。
「ちょっと話しましょうか、今後の展開も含めて」
「…はい」
正直…うちの秘密が今回のカウンセリングとどう関係があるのか皆目見当がつかなかったので、青島さんが話してくれる、というのは助かった。
まだ自分的には…何か大きく変わった、という実感などはなかったから。
「真柴さんの一番の問題点が炙り出されました」
「問題点…?」
「はい」
青島さんが私と宇丈さんを交互に見る。でも…私も宇丈さんもピンと来ていない…。
「白石家の血を継いでいないのに白石家の一員でいなければいけないこと。そしてそれを知っているのがご家族だけだということ。何よりご自身が…」
青島さんが言葉を切って私をじっと見た。
「自分が白石みひろだということを受け入れてないことです」
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