116 / 171
❤︎本当の私❤︎真柴みひろ
4
しおりを挟む
「受け入れて、ない…?」
「そういう自覚はありますか?」
「…分かりません…分からないです…」
言われたことに混乱した。白石を受け入れてないって…どういうこと?、
「まぁ、今は結婚して姓が変わられてますが、ご自身のアイデンティティは「白石みひろ」として培われてるんです」
「はい…」
「それがなくなって、ご自身はどう思われましたか?」
思い出す…あの頃の葛藤。私は…自分、という存在を見失っていた。
「…私は誰なんだろう?この家に私の居場所はないんじゃないだろうか?…そう思っていました」
「他には?」
「今まで自分の家、自分の家族だと信じてきたものが突然なくなって…安定した足元が急にぐらついたような…足元が掬われるような感覚でした」
あの頃の私は、情緒不安定だった。でもどうすることも出来ず…あれ以来、祖母の顔色を伺うのが、更に多くなった。
祖母に逆らえない日々。その逆に、「祖母のいうことを聞いていれば、この家に置いてもらえる」とも…思っていた。
「みひろさんがお父さんの子じゃないって言うならさ、本当のお父さんは誰なのか…知ってる?」
「はい…」
祖母が漏らしたその秘密に、私は愕然としたけれど。すぐに…母に詰め寄って聞いたのだ…。
「母が、父と付き合う前に付き合っていた方だと言っていました」
結婚を告げた時に、最後にもう一度会いたい、と言われ…母は情に流されたのだ。その前後に父とも…あったから、確信が持てないまま私はお腹の中で成長し、生まれた。
私が白石の血を引いていないかもしれない、と疑った祖母は、母の内緒で私にDNA検査を受けさせ…確信を取ったのだ。
両親は既にそのことについて話し合っていた。
私が生まれてすぐに、母は父に告解した。父は母の不義を赦し、私を白石の娘として育てると約束した、と聞いている。
でも、それを蒸し返された。二人の間で解決したはずの問題は、実は全く解決されていなかったのだ…血は、良くも悪くも裏切らない。
「お祖母さんは」
青島さんがコーヒーカップを置きながら…言う。
「真柴さんが白石の血を引いていないことに落胆したが、息子さんは真柴さんを手放す気も、奥様と離婚する気もないことを知った」
「…はい」
「だから…厳しくされたんですね、きっと」
「はい…白石の名を継がないにしても、白石の家長の長女であることは対外的に変わりませんので…」
「うん…なるほど。お祖母さんにも相当葛藤があったかもしれませんね」
「…そうですね」
「もう一度言いますが、全ての発端はここなんです」
「はい」
「ということは、真柴さんが」
「はい」
「血筋はどうあれ、「白石みひろ」を取り戻す必要があります」
「そういう自覚はありますか?」
「…分かりません…分からないです…」
言われたことに混乱した。白石を受け入れてないって…どういうこと?、
「まぁ、今は結婚して姓が変わられてますが、ご自身のアイデンティティは「白石みひろ」として培われてるんです」
「はい…」
「それがなくなって、ご自身はどう思われましたか?」
思い出す…あの頃の葛藤。私は…自分、という存在を見失っていた。
「…私は誰なんだろう?この家に私の居場所はないんじゃないだろうか?…そう思っていました」
「他には?」
「今まで自分の家、自分の家族だと信じてきたものが突然なくなって…安定した足元が急にぐらついたような…足元が掬われるような感覚でした」
あの頃の私は、情緒不安定だった。でもどうすることも出来ず…あれ以来、祖母の顔色を伺うのが、更に多くなった。
祖母に逆らえない日々。その逆に、「祖母のいうことを聞いていれば、この家に置いてもらえる」とも…思っていた。
「みひろさんがお父さんの子じゃないって言うならさ、本当のお父さんは誰なのか…知ってる?」
「はい…」
祖母が漏らしたその秘密に、私は愕然としたけれど。すぐに…母に詰め寄って聞いたのだ…。
「母が、父と付き合う前に付き合っていた方だと言っていました」
結婚を告げた時に、最後にもう一度会いたい、と言われ…母は情に流されたのだ。その前後に父とも…あったから、確信が持てないまま私はお腹の中で成長し、生まれた。
私が白石の血を引いていないかもしれない、と疑った祖母は、母の内緒で私にDNA検査を受けさせ…確信を取ったのだ。
両親は既にそのことについて話し合っていた。
私が生まれてすぐに、母は父に告解した。父は母の不義を赦し、私を白石の娘として育てると約束した、と聞いている。
でも、それを蒸し返された。二人の間で解決したはずの問題は、実は全く解決されていなかったのだ…血は、良くも悪くも裏切らない。
「お祖母さんは」
青島さんがコーヒーカップを置きながら…言う。
「真柴さんが白石の血を引いていないことに落胆したが、息子さんは真柴さんを手放す気も、奥様と離婚する気もないことを知った」
「…はい」
「だから…厳しくされたんですね、きっと」
「はい…白石の名を継がないにしても、白石の家長の長女であることは対外的に変わりませんので…」
「うん…なるほど。お祖母さんにも相当葛藤があったかもしれませんね」
「…そうですね」
「もう一度言いますが、全ての発端はここなんです」
「はい」
「ということは、真柴さんが」
「はい」
「血筋はどうあれ、「白石みひろ」を取り戻す必要があります」
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる