Love affair〜ラブ アフェア〜

橘 薫

文字の大きさ
118 / 171
♠︎理解♠︎弘田宇丈

1

しおりを挟む
 アオのカウンセリングが一段落した。
 オレは、何もせず座って見ていただけだが、どっと疲れが出た。
 人の内面に入って導くって、こんなに大変なんだ…オレにはまず、無理。

 落ち着いたら腹が減ってることに気がついた。アオもみひろさんも、腹減ってるはずだ。
「みひろさん、夕飯、BBQするんだっけ?オレやろうか?」
「あ、いえ…お客様にしていただくわけにはいきませんので」
 みひろさんが慌てたように立ち上がろうとしてふらつく…支えて座らせた。

「座ってなよ、オレやるから。結構得意なんだ、BBQは」
「真柴さん、オレと宇丈でやりますから。こういうのを受けた後って、案外体力消耗してますから休んでてください」
 アオもみひろさんに言ってくれた。

 みひろさんはちょっと躊躇っていたが、おとなしくソファに座り直した。
 とは言え、人の家のことはわからない。結局みひろさんに聞きながらで、彼女はあまり休めなかったかもしれない。

 中庭に食材や食器、飲み物を運び、炭を起こして火をつける。
 雨は小降りだし、風はそれほどない。可動式の屋根が付いてるから、このくらいの雨なら充分避けられる。天気が良ければ全オープンにできるのに…残念だな。

 みひろさんには一通り、道具やら食材やらを出してもらったら中庭に置いてある椅子に座って休んでもらった。顔色…少し、冴えない…かな?

「疲れてない?大丈夫?」
「大丈夫です」
 みひろさんが微笑んでくれるけど、その目に覇気がない。長年言えなかったことを言う、って、すげぇパワー使うもんなぁ…。

「アオ、お疲れ」
「ん」
 冷えた缶ビールを渡す。
「真柴さんは?飲めるの?」
 あ…どうなんだろ?飲める、って話は聞いたことないな…。

「みひろさん、ビール飲める?」
「あ、はい。いただきます」
 みひろさんの分をグラスに注いで渡す。オレらは缶から直接でいいけど、みひろさんは女性だしな…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

還暦妻と若い彼 継承される情熱

MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。 しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。 母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。 同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...