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❤︎一夜明けて…❤︎真柴みひろ
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次に目が覚めたのは昼過ぎだった。宇丈さん、よく寝てる…。
彼を起こさないようにそっとベッドから抜け出し、音を立てないように服を着た。
外は相変わらずの曇天で、梅雨寒い。お湯を沸かしてお茶を入れ、一息つく。宇丈さんはまだ熟睡しているのか、起きる気配がなかった。
祖母の書斎の鍵を取り出した。入ることをためらわれる…でも、きっともう、大丈夫。
親族の写真が飾られているリビングで宇丈さんと愛し合い、祖母が使っていた寝室で一緒に眠ることが出来た。
今…一人で祖母の書斎に入らなければ。そして…祖母の気配としっかり向き合い、私はもう自立したと。祖母の支配下には居ないのだと…見せなければ。
書斎には祖母が大切にしたものがたくさん残されている。
祖父との思い出。祖母の両親…曾祖父母のものもまだ残されているはず。
曾祖母から譲られたという大きなカメオのブローチ…あまりにも綺麗で思わず触れてしまったのを見つかり、叱られたのは幼稚園の頃だったかしら…。
思い出しながら鍵穴に鍵を差し込む。かちり、と音がしてスムースに開いた。
ここは原さんもよほどのことがない限り出入りしない。年に二回、掃除をお願いしているけれど埃が…それに、空気も淀んでいる。
重たいカーテンと窓を開け、換気した。重厚なデスクと、重厚な本棚にぎっしりと古書が詰まっている。コレクションボックスには祖父が集めていた腕時計が行儀良く並んでいる。
デスクの引き出しの鍵を開けた。引き出しの中には万年筆、インク、手紙の束に、数冊のノート。何気なしに取り出したそのノートを開いた。
一ページ目に書かれていた文字に、心臓が飛び出そうになった。
「みひろへ」
お祖母様…私宛のものがあるなんて、聞いたことがない。
震える手でページを繰る。何が書かれているの…?お祖母様…私に、何を伝えたかったの…?
彼を起こさないようにそっとベッドから抜け出し、音を立てないように服を着た。
外は相変わらずの曇天で、梅雨寒い。お湯を沸かしてお茶を入れ、一息つく。宇丈さんはまだ熟睡しているのか、起きる気配がなかった。
祖母の書斎の鍵を取り出した。入ることをためらわれる…でも、きっともう、大丈夫。
親族の写真が飾られているリビングで宇丈さんと愛し合い、祖母が使っていた寝室で一緒に眠ることが出来た。
今…一人で祖母の書斎に入らなければ。そして…祖母の気配としっかり向き合い、私はもう自立したと。祖母の支配下には居ないのだと…見せなければ。
書斎には祖母が大切にしたものがたくさん残されている。
祖父との思い出。祖母の両親…曾祖父母のものもまだ残されているはず。
曾祖母から譲られたという大きなカメオのブローチ…あまりにも綺麗で思わず触れてしまったのを見つかり、叱られたのは幼稚園の頃だったかしら…。
思い出しながら鍵穴に鍵を差し込む。かちり、と音がしてスムースに開いた。
ここは原さんもよほどのことがない限り出入りしない。年に二回、掃除をお願いしているけれど埃が…それに、空気も淀んでいる。
重たいカーテンと窓を開け、換気した。重厚なデスクと、重厚な本棚にぎっしりと古書が詰まっている。コレクションボックスには祖父が集めていた腕時計が行儀良く並んでいる。
デスクの引き出しの鍵を開けた。引き出しの中には万年筆、インク、手紙の束に、数冊のノート。何気なしに取り出したそのノートを開いた。
一ページ目に書かれていた文字に、心臓が飛び出そうになった。
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