18 / 120
第18話 嘗ての友
しおりを挟む
翌朝早朝、ルチアーノと幹部達は表社会と隣接して現在VCFの舞台がちょっかいを出して来ている106区に到着する。
ルチアーノは息子の寝顔を見た後、寝るどころか椅子に座ることも無くボスとしての仕事を果たすため為に此処へ来たのだった。
「向こうさんも寝ながら給料貰う訳には行かないって事か。無理にマフィアと戦ってるアピールする為に少数の兵士を連れて悪戯かよ、、、」
目の上に双眼鏡のような筒状にした手を当てて、ルチアーノは遠くに陣を構えるVCFの兵士達を見ていた。
緊張している表情の者は少なく、大抵の者は事務作業でも行っているかの様に無機質な表情である。
「ボス、そんな訳の分からない事しないでちゃんとした双眼鏡使って下さいよ。何のために態々予算作って双眼鏡新しくしたんですか」
「大丈夫、俺は見ようと思えば裸眼で五キロ先まで見えるから」
「アンタ本当に人間ですかッ!?」
長年一緒に居る幹部達であってもその能力を正確に計れている訳では無い、それがルチアーノという人間の底知れ無さである。
恐らく則を利用して視力を上げいるのだろうが、則は少しコントロールするだけでも莫大な脳への負担が掛るのでこの男の様に日常使用している人間など滅多にいない。
「オ~ウェン! 今回の指揮官は?」
「VCFの大将、ライオネル・ウィンザーであるとの情報が来ています。複数の諜報員から同様の情報が届いているので可能性は高いかと」
オーウェンはちゃんと双眼鏡を覗きながら言った。
「何で大将がこんな少数の兵士連れて敵陣に来てるんだよ、、、表の首脳陣と仲悪いのか?」
アンベルトはルチアーノの真似をして光の屈折法則を制御しようとするが、直ぐに頭痛がして双眼鏡に戻りながら言った。
「それも有るであろうが、恐らく首都の空気を嫌いすすんで来ているであろう。其れにボスの古い友人であるからな、拳を交えられるこの場を楽しみにしておるのかも知れん、、、ギャァァァッ! 目がぁぁ!! 目がぁぁぁ!!」
ディオンはルチアーノの真似をして、光の屈折を制御して全ての光を瞳に集める。
そして虫眼鏡で黒い紙に火が付くのと同じ法則で瞳からジュウッ!という音がし、文字通り目玉焼きに成った。
だが誰もディオンを心配せず、自分勝手な事を呟きながら敵陣を観察する。
「・・・うわッ目が合っちゃったよ、アレ完全にコッチ見えてるじゃん。裸眼で真っ直ぐ見てるし、流石はボスに土を付けた数少ない化け物だな」
アンベルトは双眼鏡を最大倍率にして敵の大将であるライオネル・ウィンザーを見た。
かなり大きなサイズのCVFの隊服をはち切れんばかりの筋肉でピチピチにし、アクアマリンの様な色の瞳で自分の方向を真っ直ぐに見てる。
当然双眼鏡など使っていない。
「ん、何か手振ってないか?」
ライオネルは急に地面に屈んだと思ったら、突然立ち上がって手を振り始めた。
其れがどんな意味を含んだ行動なのか分からずアンベルトは困惑して双眼鏡を覗き続ける。
「ボス、敵の大将が突然手を振り始めました。多分俺に振ってます、、、どういう意味ですかね? 攻めてこいという意味ですか??」
「ああ、手を振ってる? 其れはね、バイバイって意味」
「はぁ?」
アンベルトはボスの発言の意味がよく分からず、数キロ先に居る敵の大将を観察し続ける。
するとライオネルが半身に成ってピッチングポーズを取り、足を上げて大きく振りかぶった。
(何をするつもりだ?)
そう思った瞬間、目の前に超音速で飛んできた拳大の石が出現したのだった。
「うおッ!?」
アンベルトが数キロ先の敵が放った投石が自分の顔面を打ち砕く為に接近していると気が付いた時にはもう手遅れ、石は既に目と鼻の先まで接近していたのだ。
回避が間に合わない事を理解し、自分の生涯は此処で終わりだと悟ったアンベルトの身体から力が抜ける。
しかし彼の身体は僅かな痛みも無く、ただ腰が抜けて地面に腰を打ち付けただけであった。
「やっぱりお前悪運だけは有るな~アンベルト。俺にその報告をしてなかったら、お前死んでたぞ?」
アンベルトの顔面を砕くために接近していた石は、左方から飛び出してきた手平に包み込まれ空中停止している。
其れはルチアーノの手、済んでの所で石をキャッチして助けてくれた様であった。
掴んだ石を宙に投げては掴んでを繰り返しながら、腰が抜けて地面に倒れているアンベルトをニヤついた顔で見下している。
数キロ先から投石という無骨過ぎる手段で、其れも充分人間を殺傷できる威力で攻撃を打ち込まれた事にその場の幹部全員が息を呑む。
分かってはいた事だが、自分達とルチアーノ達の世代の間に有る差に愕然とした。
「アッ、、、ありがとうございます、、、済みません、少し気が抜けてました」
アンベルトは敵との距離があったので油断した自分の甘さを謝罪した。
しかしルチアーノはアンベルトの謝罪など興味が無いといった様子で、自分の手平の中に収まった石を眺め始める。
「別に謝罪する必要もないよ。警戒してても、気が抜けてても、、、どっちでも向こうが本気で殺す気だったら関係無く死んでたから」
その言葉にアンベルトは若干ムッとしたが、其れが悪口では無く客観的視点で導き出された真実であると嫌でも分かって口を噤む。
ただ石を身体の筋肉を使って投げ付けただけでこの速度なのだ、向こうが則の力も利用して殺しに来ていたらルチアーノの助けも間に合わなかった。
恐らくこれは攻撃ではなく、ルチアーノの気を引くための悪戯だったのだろう。
(俺達は殺す価値も無い雑魚って事か、、、ッ!!)
アンベルトは自分を殺す気も無い、ただの悪戯で死を覚悟したという事実に大きくプライドを傷つけられた。
しかしこの屈辱を返す方法が今の彼には思い付かなかい。
「じゃあ俺呼ばれたらから行ってくるわ、多分向こうも手出ししてこないから俺らも手を出すなよ。VCFと喧嘩しても無駄に疲弊するだけで得られる物なんて何も無いんだからな」
アンベルトが発散のしようが無いストレスで奥歯を噛み締めた時、ルチアーノがようやく顔を石から上げて言った。
そして屈伸や背伸びなどの準備体操を始める。
「呼ばれた、ですか? 私には何も聞こえませんでしたが、、、」
突然行動を開始したルチアーノにオーウェンが言った。
「ああ、石の表面に掘られてた。ほれッ」
ルチアーノは自分が持っていた石をオーウェンに投げ渡す。
その石をキャッチしたオーウェンを他の幹部が囲んで、石に目線を向けると確かに文字が掘られている。
「人払いをしてから一人で来い、、、ですか」
「しかし良くもこれ程上手く石に文字を彫った物であるな~。恐らく指に則を集めて書いておるのだろう、素晴らしいコントロールである」
「ボスまさか、馬鹿正直に一人で行くつもりですか? 罠の可能性だって有るんですから此処は慎重に判断しないと、、、現に俺はついさっき殺され掛けたんですから」
オーウェンとディオンは石に彫られた文字を興味深相に眺め、アンベルトは敵の誘いを不審がってルチアーノを止めようとした。
しかし当のルチアーノは準備体操を続け、その言葉を一笑に伏す。
「結構じゃねえか、複数人で襲い掛かって自分から弱体化してくれるんならな。頭数が強さに比例するのはお前らの次元までだ、俺達レベルに成ると下手な味方は敵より厄介なんだよ」
そう言ったルチアーノは長座体前屈を終えて立ち上がり、軽く首を回しながら骨を鳴らした。
どうやら準備体操は終わったようである。
「じゃあちょっと行ってくるわ。お前達は警戒しながら、兵士が俺達から半径2キロ以内に入らない様に注意しといてくれ。お前らも入ってくるなよ、余波だけでミンチになってちまうぞッ」
そう言ってルチアーノは地面を蹴って宙に飛び上がり、敵の大将が待つ場所へと消えていった。
残された三人はこの世界のトップ層の桁違いな力を見せ付けられて、自分達がまだまだヒヨッコである事を痛感しながら空を見上げた。
自分達が数キロ先まで投石出来る様になる、又は数キロ先までジャンプ一つで到達出来る様に成る為には何年掛るのだろうかと考えてナーバスになる。
「・・・ボスとVCFの大将って、多分この世界最高のカードだよな。見てみたく無いか?」
「確かにこれ以上のカードは思い浮かばないであるな、、、今回の機会を逃せば次見れる保証も無し、そして警戒の任務は二人居れば充分であろうな~」
アンベルトとディオンの二人はルチアーノとライオネルの戦いに強い興味を示めす。
しかし警戒の任務は三人全員に与えられた任務であって、更に『お前らも入ってくるなよ』と念まで押されていた。
此処は当然ブレーキの役割であるオーウェンが止めに入る。
「待てお前達、ボスからの命令は絶対だ。例えどんな任務であったとしても最後までやり通すのが我々部下の役目ッ、、、」
「じゃあお前一人で残れよ。俺は此れから起こる戦いを両目に焼き付け、今後に生かして師匠達に追い付く事の方が重要であると考えるね!」
「我が輩もアンベルトに同意。上からの命令に素直に働く事のみが部下の役目ではない、真に有用な部下とはボスの想像の外側の行いをして期待を超える者の事なのだよ」
オーウェンの言葉を遮って、アンベルトとディオンが自分勝手な屁理屈を捲し立てた。
その言葉にオーウェンは呆れる様な表情を見せたが、このままでは自分を置いて二人が見に行きそうなので妥協案を出す。
「分かったッ! ジャンケンだ!! 三人でジャンケンして勝った一人が見に行こう。其れで文句は無いな!!」
「三人って、結局お前も入ってるじゃねえか」
「私が勝つ事で、お前達が罪を被るのを身を挺して守ろうとしているのだよ。感謝して欲しい位だね」
オーウェンは屁理屈に屁理屈で対抗した。
二人は可能性が三分の一に成った事に対して不満気であったが、このままグダグダ話をしていれば戦いが始まってしまうので渋々受け入れる。
そして則の利用による究極の後出しジャンケンの結果、一人の勝者が現われてルチアーノ対ライオネルの戦いへ向う。
だがこのジャンケンが後にファミリーの未来を大きく左右する事と成るとは、未だこの時誰も知らないのであった、、、
ルチアーノは息子の寝顔を見た後、寝るどころか椅子に座ることも無くボスとしての仕事を果たすため為に此処へ来たのだった。
「向こうさんも寝ながら給料貰う訳には行かないって事か。無理にマフィアと戦ってるアピールする為に少数の兵士を連れて悪戯かよ、、、」
目の上に双眼鏡のような筒状にした手を当てて、ルチアーノは遠くに陣を構えるVCFの兵士達を見ていた。
緊張している表情の者は少なく、大抵の者は事務作業でも行っているかの様に無機質な表情である。
「ボス、そんな訳の分からない事しないでちゃんとした双眼鏡使って下さいよ。何のために態々予算作って双眼鏡新しくしたんですか」
「大丈夫、俺は見ようと思えば裸眼で五キロ先まで見えるから」
「アンタ本当に人間ですかッ!?」
長年一緒に居る幹部達であってもその能力を正確に計れている訳では無い、それがルチアーノという人間の底知れ無さである。
恐らく則を利用して視力を上げいるのだろうが、則は少しコントロールするだけでも莫大な脳への負担が掛るのでこの男の様に日常使用している人間など滅多にいない。
「オ~ウェン! 今回の指揮官は?」
「VCFの大将、ライオネル・ウィンザーであるとの情報が来ています。複数の諜報員から同様の情報が届いているので可能性は高いかと」
オーウェンはちゃんと双眼鏡を覗きながら言った。
「何で大将がこんな少数の兵士連れて敵陣に来てるんだよ、、、表の首脳陣と仲悪いのか?」
アンベルトはルチアーノの真似をして光の屈折法則を制御しようとするが、直ぐに頭痛がして双眼鏡に戻りながら言った。
「それも有るであろうが、恐らく首都の空気を嫌いすすんで来ているであろう。其れにボスの古い友人であるからな、拳を交えられるこの場を楽しみにしておるのかも知れん、、、ギャァァァッ! 目がぁぁ!! 目がぁぁぁ!!」
ディオンはルチアーノの真似をして、光の屈折を制御して全ての光を瞳に集める。
そして虫眼鏡で黒い紙に火が付くのと同じ法則で瞳からジュウッ!という音がし、文字通り目玉焼きに成った。
だが誰もディオンを心配せず、自分勝手な事を呟きながら敵陣を観察する。
「・・・うわッ目が合っちゃったよ、アレ完全にコッチ見えてるじゃん。裸眼で真っ直ぐ見てるし、流石はボスに土を付けた数少ない化け物だな」
アンベルトは双眼鏡を最大倍率にして敵の大将であるライオネル・ウィンザーを見た。
かなり大きなサイズのCVFの隊服をはち切れんばかりの筋肉でピチピチにし、アクアマリンの様な色の瞳で自分の方向を真っ直ぐに見てる。
当然双眼鏡など使っていない。
「ん、何か手振ってないか?」
ライオネルは急に地面に屈んだと思ったら、突然立ち上がって手を振り始めた。
其れがどんな意味を含んだ行動なのか分からずアンベルトは困惑して双眼鏡を覗き続ける。
「ボス、敵の大将が突然手を振り始めました。多分俺に振ってます、、、どういう意味ですかね? 攻めてこいという意味ですか??」
「ああ、手を振ってる? 其れはね、バイバイって意味」
「はぁ?」
アンベルトはボスの発言の意味がよく分からず、数キロ先に居る敵の大将を観察し続ける。
するとライオネルが半身に成ってピッチングポーズを取り、足を上げて大きく振りかぶった。
(何をするつもりだ?)
そう思った瞬間、目の前に超音速で飛んできた拳大の石が出現したのだった。
「うおッ!?」
アンベルトが数キロ先の敵が放った投石が自分の顔面を打ち砕く為に接近していると気が付いた時にはもう手遅れ、石は既に目と鼻の先まで接近していたのだ。
回避が間に合わない事を理解し、自分の生涯は此処で終わりだと悟ったアンベルトの身体から力が抜ける。
しかし彼の身体は僅かな痛みも無く、ただ腰が抜けて地面に腰を打ち付けただけであった。
「やっぱりお前悪運だけは有るな~アンベルト。俺にその報告をしてなかったら、お前死んでたぞ?」
アンベルトの顔面を砕くために接近していた石は、左方から飛び出してきた手平に包み込まれ空中停止している。
其れはルチアーノの手、済んでの所で石をキャッチして助けてくれた様であった。
掴んだ石を宙に投げては掴んでを繰り返しながら、腰が抜けて地面に倒れているアンベルトをニヤついた顔で見下している。
数キロ先から投石という無骨過ぎる手段で、其れも充分人間を殺傷できる威力で攻撃を打ち込まれた事にその場の幹部全員が息を呑む。
分かってはいた事だが、自分達とルチアーノ達の世代の間に有る差に愕然とした。
「アッ、、、ありがとうございます、、、済みません、少し気が抜けてました」
アンベルトは敵との距離があったので油断した自分の甘さを謝罪した。
しかしルチアーノはアンベルトの謝罪など興味が無いといった様子で、自分の手平の中に収まった石を眺め始める。
「別に謝罪する必要もないよ。警戒してても、気が抜けてても、、、どっちでも向こうが本気で殺す気だったら関係無く死んでたから」
その言葉にアンベルトは若干ムッとしたが、其れが悪口では無く客観的視点で導き出された真実であると嫌でも分かって口を噤む。
ただ石を身体の筋肉を使って投げ付けただけでこの速度なのだ、向こうが則の力も利用して殺しに来ていたらルチアーノの助けも間に合わなかった。
恐らくこれは攻撃ではなく、ルチアーノの気を引くための悪戯だったのだろう。
(俺達は殺す価値も無い雑魚って事か、、、ッ!!)
アンベルトは自分を殺す気も無い、ただの悪戯で死を覚悟したという事実に大きくプライドを傷つけられた。
しかしこの屈辱を返す方法が今の彼には思い付かなかい。
「じゃあ俺呼ばれたらから行ってくるわ、多分向こうも手出ししてこないから俺らも手を出すなよ。VCFと喧嘩しても無駄に疲弊するだけで得られる物なんて何も無いんだからな」
アンベルトが発散のしようが無いストレスで奥歯を噛み締めた時、ルチアーノがようやく顔を石から上げて言った。
そして屈伸や背伸びなどの準備体操を始める。
「呼ばれた、ですか? 私には何も聞こえませんでしたが、、、」
突然行動を開始したルチアーノにオーウェンが言った。
「ああ、石の表面に掘られてた。ほれッ」
ルチアーノは自分が持っていた石をオーウェンに投げ渡す。
その石をキャッチしたオーウェンを他の幹部が囲んで、石に目線を向けると確かに文字が掘られている。
「人払いをしてから一人で来い、、、ですか」
「しかし良くもこれ程上手く石に文字を彫った物であるな~。恐らく指に則を集めて書いておるのだろう、素晴らしいコントロールである」
「ボスまさか、馬鹿正直に一人で行くつもりですか? 罠の可能性だって有るんですから此処は慎重に判断しないと、、、現に俺はついさっき殺され掛けたんですから」
オーウェンとディオンは石に彫られた文字を興味深相に眺め、アンベルトは敵の誘いを不審がってルチアーノを止めようとした。
しかし当のルチアーノは準備体操を続け、その言葉を一笑に伏す。
「結構じゃねえか、複数人で襲い掛かって自分から弱体化してくれるんならな。頭数が強さに比例するのはお前らの次元までだ、俺達レベルに成ると下手な味方は敵より厄介なんだよ」
そう言ったルチアーノは長座体前屈を終えて立ち上がり、軽く首を回しながら骨を鳴らした。
どうやら準備体操は終わったようである。
「じゃあちょっと行ってくるわ。お前達は警戒しながら、兵士が俺達から半径2キロ以内に入らない様に注意しといてくれ。お前らも入ってくるなよ、余波だけでミンチになってちまうぞッ」
そう言ってルチアーノは地面を蹴って宙に飛び上がり、敵の大将が待つ場所へと消えていった。
残された三人はこの世界のトップ層の桁違いな力を見せ付けられて、自分達がまだまだヒヨッコである事を痛感しながら空を見上げた。
自分達が数キロ先まで投石出来る様になる、又は数キロ先までジャンプ一つで到達出来る様に成る為には何年掛るのだろうかと考えてナーバスになる。
「・・・ボスとVCFの大将って、多分この世界最高のカードだよな。見てみたく無いか?」
「確かにこれ以上のカードは思い浮かばないであるな、、、今回の機会を逃せば次見れる保証も無し、そして警戒の任務は二人居れば充分であろうな~」
アンベルトとディオンの二人はルチアーノとライオネルの戦いに強い興味を示めす。
しかし警戒の任務は三人全員に与えられた任務であって、更に『お前らも入ってくるなよ』と念まで押されていた。
此処は当然ブレーキの役割であるオーウェンが止めに入る。
「待てお前達、ボスからの命令は絶対だ。例えどんな任務であったとしても最後までやり通すのが我々部下の役目ッ、、、」
「じゃあお前一人で残れよ。俺は此れから起こる戦いを両目に焼き付け、今後に生かして師匠達に追い付く事の方が重要であると考えるね!」
「我が輩もアンベルトに同意。上からの命令に素直に働く事のみが部下の役目ではない、真に有用な部下とはボスの想像の外側の行いをして期待を超える者の事なのだよ」
オーウェンの言葉を遮って、アンベルトとディオンが自分勝手な屁理屈を捲し立てた。
その言葉にオーウェンは呆れる様な表情を見せたが、このままでは自分を置いて二人が見に行きそうなので妥協案を出す。
「分かったッ! ジャンケンだ!! 三人でジャンケンして勝った一人が見に行こう。其れで文句は無いな!!」
「三人って、結局お前も入ってるじゃねえか」
「私が勝つ事で、お前達が罪を被るのを身を挺して守ろうとしているのだよ。感謝して欲しい位だね」
オーウェンは屁理屈に屁理屈で対抗した。
二人は可能性が三分の一に成った事に対して不満気であったが、このままグダグダ話をしていれば戦いが始まってしまうので渋々受け入れる。
そして則の利用による究極の後出しジャンケンの結果、一人の勝者が現われてルチアーノ対ライオネルの戦いへ向う。
だがこのジャンケンが後にファミリーの未来を大きく左右する事と成るとは、未だこの時誰も知らないのであった、、、
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる