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第36話 一つの決着
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「べぶうッ、、、!!」
攻撃を巧みに躱しながら狂言を吐き散らし、狙っているのか無自覚なのかは分からないがベアトリーチェの逆鱗の上で反復横跳びしていたチャムラップが血を流しながら突然吹飛んだ。
胸部に謎の衝撃を感じた時には既に、深々と切れ込みが胸部に入っていたのである。
「先ずは一体ッ!!」
その攻撃はルチアーノが放ったものであり、ベアトリーチェに注意を奪われていたチャムラップに不意打ちのお返しをしたのだ。
見事にチャムラップの胸部に命中し、血を流しながら倒れている。
「何処を見ているッ! 貴様の相手はこの私だァァァッ」
「分かってるよ、直ぐお前もあの世に送ってやる!」
ルチアーノの姿を再び目で認めたベアトリーチェは、再び般若の如き剣幕を露わにしてルチアーノに斬りかかる。
そしてルチアーノも正面から迎え撃ち、斬撃を飛ばして応戦した。
一瞬の内に四度の剣閃が衝突したが、ギイィンッ!!という一つの衝突音となって地面を揺らす。
「あの世に送られるのは貴様の方だルチアーノッ!! 貴様をこの手で葬らない限り、私は世界最強の椅子に座る事が出来ないッ!!」
ベアトリーチェは巨大な嵐の様に絶え間なく攻撃を放ち続け、ルチアーノへの根拠が曖昧な恨みを吐き散らす。
ベアトリーチェの激情に呼応する様に、彼女が操るマイナスエネルギーの量も増加し始めて万象共鳴モードの攻撃であっても押され始めた。
「欲しいんならくれてやるよッ! 明確な基準が有る訳じゃねえ、何処かの誰かが勝手に言い出しただけで何の意味も無い称号だ!」
「貴様は何も分かっていない、私に最強の称号を与えるのは貴様でも何処の誰でも無い!! 私に最強の称号を与えるのは私自身だッ!! 自らが自らに及ぶ存在がこの世に居ないと胸を張って言える事、其れこそが我が生涯最大の目的ッ」
「其れに何の意味が有る? 手に入った所で虚しいだけだろ?」
「手に入った後の事など興味は無い。世界最強に成る事のみが私に与えられ、其れに全てを捧げる様定められた使命だッ!!」
ベアトリーチェの言葉にルチアーノは顔を顰める。
その『使命』という言葉を受けて二つのシルエットが浮かび上がり、過去のトラウマと未来への不安が心を埋め尽くす。
ルチアーノの人生は正にこの『使命』に翻弄された月日であった。
「何が使命だ、、、何でそんな訳の分からないモノに人生を左右されなきゃ成らないんだよッ」
ルチアーノは胸の奥に封じていた不満を爆発させ、そのエネルギーを攻撃に乗せる。
若干ベアトリーチェに押され気味であった事が嘘で有るかの様に、迫り来る氷の斬撃を弾き返して逆に押し返し始めた。
「外面も中身も父親に全く似てねえ癖にッ、面倒臭え場所だけ無駄に似やがって!! どうせなら父親と同じ様に使命の半ばで叩き潰してやるよ!!」
身体を焼き焦がす様なルチアーノの激情が第十三神経を通じで世界に波及し、辺り一帯のエネルギが共に怒り狂っているかの様な赤雷を放つ。
そして泣き叫んでいるかの様なアアァァァァァッという音が周囲に木霊しながらプラズマが発生し、全てがルチアーノに取り込まれて敵を殺す為のエネルギーに変換される。
「叩き潰されるのは貴様の方だッ!! この一撃で我が使命に終止符を打つッ!!」
ベアトリーチェは再び劣勢に成り始めた流れを変える為、大剣を身体が反り返る程振りかぶり渾身のマイナスエネルギーを流し込む。
そして自らが放てる最大の大技で勝負を掛けた。
「『サイレントエイジ』」
ベアトリーチェを纏っていたマイナスエネルギーの鎧が消滅し、そのエネルギーが全て大剣に注ぎ込まれた。
常に周囲の気体を氷結させ続けているので、真っ白な煙が刃周辺を竜巻のように回転して刀身が見えなくなる。
しかし刀身に触れずとも竜巻の中で渦巻いている莫大なエネルギーは、触れた瞬間あらゆる物体の動きを止めて粉砕し、刀身の周りを永遠に回転し続けるダイアモンドダストに変えてしまう。
「『クサナギ・双刃十文字』」
ルチアーノは敵の切り札を、先程チャムラップに妨害されて失敗した大技で迎え撃つ。
空間のエネルギー全てを両手で巻き込み、其処へ更に全身を覆っていたエネルギーを流し込んだ。
一瞬でも気を緩めれば暴発して自爆しかねないエネルギーを難なくコントロールし、手平をベアトリーチェに見せ付ける様に反らせてX字にクロスさせた構えを作る。
(此れが私の到達点ッ! 父を殺す為に編み出したこの技で、父を殺したお前を殺し最強は私であると証明するッ!!)
ベアトリーチェは無限に湧き出してくる強者に対する嫉妬と憎悪をマイナスエネルギーに変え、目の前を覆い続ける強者達の背中を切り裂く様に大剣を振り下ろした。
振り下ろされた斬撃はマイナスエネルギーを前方へ解き放ち、高さ十数メートルの氷山を波状に広げながらルチアーノに迫る。
(この怪物を生み出したのは俺の責任、、、ベアトリーチェが父親との確執を乗り越える前に、俺がコイツの父親を殺した事が全ての始まりだ)
ルチアーノにとってこの戦いは一種の罪滅ぼしでもあった。
マダム・ベアトリーチェは嘗てルチアーノが滅ぼした史上最強のファミリー、『サンフェルノファミリー』のボスである破帝の娘である。
生まれ持った『使命』によって狂う運命にはあったのだろうが、自らが父を殺害した事によってより間違った方向に進ませてしまった事は確かだ。
(なら責めてもの償いとして、俺の全てをぶつけてお前の使命を否定してやる。破滅しか与えない呪ごとぶっ飛ばしてッ目を覚まさせる、、、)
ルチアーノは目前に迫ったマイナスエネルギーの斬撃にクロスさせた両腕を押しつける。
そして一瞬の間、身一つで通り過ぎた場所に強大な氷山を生み出すような超巨大マイナスエネルギーと押し合い、そして遂に力を解放する。
氷山を抉る様に爪を突き立て、Xを描く様に前方を切り裂いた。
するとそのX字の残像に従って七色の光を放つ斬撃が発生し、目の前に迫っていたマイナスエネルギーを全て押し返し始めたのだ。
「お前の負けだ、ベアトリーチェ、、、」
X字の斬撃は十数メートルの氷山を易々と吹飛ばしながら蒸発させ、ベアトリーチェまで最短距離で迫った。
ベアトリーチェは一瞬で半分以上の氷山を吹飛ばし、自分に向かって眩い光を撒き散らしながら迫るXの斬撃に自分の敗北を悟る。
「何故勝てないッ、、、ホーガン、ルチアーノ、、、お前達と私の何が違う? 女に生まれた時点で敗者だとでも言うのか??」
ベアトリーチェの頬を美しく透明な涙が伝い、一瞬で凍り付く。
そして七色の光に包まれて意識が途切れた。
攻撃を巧みに躱しながら狂言を吐き散らし、狙っているのか無自覚なのかは分からないがベアトリーチェの逆鱗の上で反復横跳びしていたチャムラップが血を流しながら突然吹飛んだ。
胸部に謎の衝撃を感じた時には既に、深々と切れ込みが胸部に入っていたのである。
「先ずは一体ッ!!」
その攻撃はルチアーノが放ったものであり、ベアトリーチェに注意を奪われていたチャムラップに不意打ちのお返しをしたのだ。
見事にチャムラップの胸部に命中し、血を流しながら倒れている。
「何処を見ているッ! 貴様の相手はこの私だァァァッ」
「分かってるよ、直ぐお前もあの世に送ってやる!」
ルチアーノの姿を再び目で認めたベアトリーチェは、再び般若の如き剣幕を露わにしてルチアーノに斬りかかる。
そしてルチアーノも正面から迎え撃ち、斬撃を飛ばして応戦した。
一瞬の内に四度の剣閃が衝突したが、ギイィンッ!!という一つの衝突音となって地面を揺らす。
「あの世に送られるのは貴様の方だルチアーノッ!! 貴様をこの手で葬らない限り、私は世界最強の椅子に座る事が出来ないッ!!」
ベアトリーチェは巨大な嵐の様に絶え間なく攻撃を放ち続け、ルチアーノへの根拠が曖昧な恨みを吐き散らす。
ベアトリーチェの激情に呼応する様に、彼女が操るマイナスエネルギーの量も増加し始めて万象共鳴モードの攻撃であっても押され始めた。
「欲しいんならくれてやるよッ! 明確な基準が有る訳じゃねえ、何処かの誰かが勝手に言い出しただけで何の意味も無い称号だ!」
「貴様は何も分かっていない、私に最強の称号を与えるのは貴様でも何処の誰でも無い!! 私に最強の称号を与えるのは私自身だッ!! 自らが自らに及ぶ存在がこの世に居ないと胸を張って言える事、其れこそが我が生涯最大の目的ッ」
「其れに何の意味が有る? 手に入った所で虚しいだけだろ?」
「手に入った後の事など興味は無い。世界最強に成る事のみが私に与えられ、其れに全てを捧げる様定められた使命だッ!!」
ベアトリーチェの言葉にルチアーノは顔を顰める。
その『使命』という言葉を受けて二つのシルエットが浮かび上がり、過去のトラウマと未来への不安が心を埋め尽くす。
ルチアーノの人生は正にこの『使命』に翻弄された月日であった。
「何が使命だ、、、何でそんな訳の分からないモノに人生を左右されなきゃ成らないんだよッ」
ルチアーノは胸の奥に封じていた不満を爆発させ、そのエネルギーを攻撃に乗せる。
若干ベアトリーチェに押され気味であった事が嘘で有るかの様に、迫り来る氷の斬撃を弾き返して逆に押し返し始めた。
「外面も中身も父親に全く似てねえ癖にッ、面倒臭え場所だけ無駄に似やがって!! どうせなら父親と同じ様に使命の半ばで叩き潰してやるよ!!」
身体を焼き焦がす様なルチアーノの激情が第十三神経を通じで世界に波及し、辺り一帯のエネルギが共に怒り狂っているかの様な赤雷を放つ。
そして泣き叫んでいるかの様なアアァァァァァッという音が周囲に木霊しながらプラズマが発生し、全てがルチアーノに取り込まれて敵を殺す為のエネルギーに変換される。
「叩き潰されるのは貴様の方だッ!! この一撃で我が使命に終止符を打つッ!!」
ベアトリーチェは再び劣勢に成り始めた流れを変える為、大剣を身体が反り返る程振りかぶり渾身のマイナスエネルギーを流し込む。
そして自らが放てる最大の大技で勝負を掛けた。
「『サイレントエイジ』」
ベアトリーチェを纏っていたマイナスエネルギーの鎧が消滅し、そのエネルギーが全て大剣に注ぎ込まれた。
常に周囲の気体を氷結させ続けているので、真っ白な煙が刃周辺を竜巻のように回転して刀身が見えなくなる。
しかし刀身に触れずとも竜巻の中で渦巻いている莫大なエネルギーは、触れた瞬間あらゆる物体の動きを止めて粉砕し、刀身の周りを永遠に回転し続けるダイアモンドダストに変えてしまう。
「『クサナギ・双刃十文字』」
ルチアーノは敵の切り札を、先程チャムラップに妨害されて失敗した大技で迎え撃つ。
空間のエネルギー全てを両手で巻き込み、其処へ更に全身を覆っていたエネルギーを流し込んだ。
一瞬でも気を緩めれば暴発して自爆しかねないエネルギーを難なくコントロールし、手平をベアトリーチェに見せ付ける様に反らせてX字にクロスさせた構えを作る。
(此れが私の到達点ッ! 父を殺す為に編み出したこの技で、父を殺したお前を殺し最強は私であると証明するッ!!)
ベアトリーチェは無限に湧き出してくる強者に対する嫉妬と憎悪をマイナスエネルギーに変え、目の前を覆い続ける強者達の背中を切り裂く様に大剣を振り下ろした。
振り下ろされた斬撃はマイナスエネルギーを前方へ解き放ち、高さ十数メートルの氷山を波状に広げながらルチアーノに迫る。
(この怪物を生み出したのは俺の責任、、、ベアトリーチェが父親との確執を乗り越える前に、俺がコイツの父親を殺した事が全ての始まりだ)
ルチアーノにとってこの戦いは一種の罪滅ぼしでもあった。
マダム・ベアトリーチェは嘗てルチアーノが滅ぼした史上最強のファミリー、『サンフェルノファミリー』のボスである破帝の娘である。
生まれ持った『使命』によって狂う運命にはあったのだろうが、自らが父を殺害した事によってより間違った方向に進ませてしまった事は確かだ。
(なら責めてもの償いとして、俺の全てをぶつけてお前の使命を否定してやる。破滅しか与えない呪ごとぶっ飛ばしてッ目を覚まさせる、、、)
ルチアーノは目前に迫ったマイナスエネルギーの斬撃にクロスさせた両腕を押しつける。
そして一瞬の間、身一つで通り過ぎた場所に強大な氷山を生み出すような超巨大マイナスエネルギーと押し合い、そして遂に力を解放する。
氷山を抉る様に爪を突き立て、Xを描く様に前方を切り裂いた。
するとそのX字の残像に従って七色の光を放つ斬撃が発生し、目の前に迫っていたマイナスエネルギーを全て押し返し始めたのだ。
「お前の負けだ、ベアトリーチェ、、、」
X字の斬撃は十数メートルの氷山を易々と吹飛ばしながら蒸発させ、ベアトリーチェまで最短距離で迫った。
ベアトリーチェは一瞬で半分以上の氷山を吹飛ばし、自分に向かって眩い光を撒き散らしながら迫るXの斬撃に自分の敗北を悟る。
「何故勝てないッ、、、ホーガン、ルチアーノ、、、お前達と私の何が違う? 女に生まれた時点で敗者だとでも言うのか??」
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